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マリー その3

 目をあけると白い天井があった。首を動かして周りを見るとベッドがいくつかならんである。そして、少し暗い。どうやらここは病室のようだ。

 わたしはさっきまで眠っていたのだろう。

 体を起こすと少しだけ痛かった。……ここは、どこだろう。

「たしか、私は……。……あ、あぁ……そうか、たしか皆は、皆は死んだ。そう、あれのせいで私達は……!」

 私が眠っていたベッドから離れようとしたとき、突然、病室のドアが開いた。

「ん?おお!!みんな、女性が目を覚ましたぞぉ!」

「うるせーよ!耳元で叫びやがんな」

「あなたもうるさいわよ」

 入ってきたのは薬剤か何かで汚れた白衣を着た男性と軍隊のような制服に身を包んだ大柄な男性、そして、小柄な女性だった。

 私は驚きつつも三人に尋ねた。

「あの、あなた達は……?」

「おおー!もう喋られるのかい!?凄い回復力だ!!」

 長身の男性が大声で私に言う。言うというより叫ぶんでいるのだが。

「だー!うるせぇな、先ずはこいつに説明すんのが先だろうが」

「その意見には、賛成ね」 

 残り二人は長身の男性より冷静なようだ。こういう状況に慣れているのだろうか?

「とりあえず自己紹介からだな。俺はマイ、マイ・プリニス。女みたいな名前だがちゃんとした男だ!一応、傭兵やってる。よろしくな」

「ボクはルビニア!ルビニア・コールソンだよ!よろしくね。ボクは“PSI”の研究をしてる!」

「ワタシは、ナナア・ヒーリマナ。ワタシもルビニアと同じ研究をしてる」 

 三人がそれぞれ自己紹介を終える。ルビニアと名乗った男性はここに来てからずっとヘラヘラしている。これでは仲間に怒られるのも分かる気がする。

 私がそんな風に考えていると今度は私がマイと名乗った男性に質問された。

「んで、嬢ちゃんの名前は?」

「あら。私はこう見えて十八歳ですよ?それに嬢ちゃんじゃなくてマリー・スタンです」

「そうかい。そいつはすまねぇな。後、呼び捨てで構わないぜ」

「それじゃ、よろしくね。マイ」 

 このやり取りを見ていた他の二人がマイと同じく呼び捨てで構わないと言ってきたので私は快くそれを受けた。

「あっ、そうだ私はどうしてここにいるの?」

「それはワタシが答えるわ。少し長くなるけど」

 ここへ来てあまりしゃべっていなかったナナアが口を開く。

「まず初めに、ワタシ達の組織の名は“OBSERVER”、観測者という意味ね」

 聞きなれない言葉に私は首を傾げる。

 すると、突然、マイが口を挟んでくる。

「お、おいナナア。一般人に教えていいのかよ? 一応、機密情報なんだろ?」

「その点は心配要らないわよ。隊長にも許可は得てる」

 そこまで話すと、ナナアはまたも私に向け口を開く。

「さて、次はワタシ達の職業についてね」

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