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第1話〜朝日〜
2007年。
これは日本で一番小さな街、埼玉県蕨市の物語である。
チュンチュンチュンチュンチュン……。外から聞こえる工事の音で神田林は目覚めた。
神田林
「ふぁ〜ぁ、もう朝か。今日も全然寝れなかったなぁ。」
夜九時から朝十一時まで寝ていた神田林は、そう言い放った。
この話の主人公、神田林はごく普通の大学生。これといった取り柄もなくただただ平凡に毎日を過ごしている。
そんな神田林もさすがに寝起きの口の匂いは臭い。
牛乳なんか飲んだ日は最悪だ。
この日も特に予定はなく暇を持て余していた。
神田林
「あぁ彼女さえいればな…」
そうつぶやいたのはいいが部屋の前にいた母に完全に聞かれていた。神田林、50のダメージ。
ボヨヨーン。
そんな時神田林に一通のメールが届いた。
神田林
「誰だよ!こんな朝早くに!」
怒りをあらわにした神田林であったがそれとは裏腹に顔はにやけていた。
そう、このメールが全ての始まりであった。