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第4話:偶然の仲間


洞窟の奥、湿った空気が肌にまとわりつく。

ライト・エルヴァインは松明を手に、暗闇を進んでいた。

足元の石が滑り、枝葉が絡む。迷子になりそうな細道。

孤独の中、心臓が早鐘のように打つ。


「……誰か、いるのか?」

低く声をかける。すると、茂みの向こうから小さな影が現れた。

剣を握った少女、アリス・ヴァレンティナだ。

呼吸は荒く、迷子になって困惑している様子が見える。


「あなた……も、冒険者?」

アリスは警戒しつつ、安心したように少しうなずく。

ライトは無言で視線を返す。言葉よりも行動が早い。

少女が立ちすくむ間に、暗がりから獣の咆哮が響く。


小型のモンスターが茂みから飛び出す。牙をむき、爪を振るう。

ライトは自然に体をひねり、攻撃をすべてかわす。

触れられそうな距離でも、爪は空を切った。

アリスは目を見開き、息を呑む。


「な、何で……!?」

ライトは答えず、松明を振るい、偶然にもモンスターの隙を突く。

小石を蹴り、触手のような足元に当たり、バランスを崩す。

モンスターは咆哮し、倒れる。


「す、すごい……ライト!」

アリスの声に驚きが混ざる。目に映るのは、無傷で戦う少年の姿。

ライト自身も理由はわからない。ただ体が勝手に動いていた。


二人は息を合わせ、次のモンスターに挑む。

アリスが剣を振るい、ライトが自然に距離を取り、回避する。

連携は偶然のようで必然だ。

無自覚の力が、二人の戦闘を支えている。


「ライト、後ろ!」

アリスの声に反応し、ライトはひらりと身を翻す。

鋭い爪が空を切る。攻撃はすべてかわされ、二人は無傷。

森の奥の暗闇に、二人の呼吸だけが響く。


「……助かった」

アリスは肩で息をしながら微笑む。

「一緒に戦えるって、心強い……」

ライトも小さくうなずく。まだ無自覚のまま、体が二人を守った。


洞窟の奥で、光の届かぬ闇が広がる。

だが、二人は互いに信頼を感じながら歩を進める。

無自覚の奇跡が、二人の絆を静かに深めていく。


「……名前は?」

アリスが尋ねる。

「ライト・エルヴァイン」

「よろしく、ライト」

小さな声のやり取りが、二人の関係を確かにした。


冒険はまだ始まったばかり。

洞窟の奥には、さらなる危険が待ち受ける。

だが、ライトの無自覚な力と、アリスの勇気があれば、

二人は乗り越えられる――静かな無敵の力を胸に。


暗闇の中で、小さな光が二つ揺れる。

それは、友情と信頼、そして運命の出会いの証だった。

未知なる冒険の幕が、ここに静かに開いた。


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