40、最古の最後
ブレトルは眩き星を”フォライズ”と命名。『神の信託』が広まる。1千万年の時を経てブラックホールが発生、それがビッグバンとなって全銀河系や星が飲み込まれ王も神の末裔も民もすべて変容、消滅した事よりも先に告げておく事があるので、ここへと残そうと思う。
◇◆◇
もう、長い時を費やした為だ。
◇◆◇
ブレトルとフォダネスはインシュビ―の魂がライト・オブ・ホールを抜けるようにダーク・オブ・ホールでの変容を遂げた事を悟った。その跡地で何かを感じた。
「フォダネスよ、俺は既に覚悟は出来ていた。我らが星フォライズも神の信託を受けようやく長き旅を終えるのだな。インシュビ―さえ居るならば旅は続いていただろう」
「そうブレトル、あの子はもう戻って来られないのですよ。そしていま我々も変容を迎える時なのです。愛する夫よ、それが神による望みなのですよ―――」
―――フォダネス――フォダネスよ。
――眩き王よ、何なりと・・・
俺に付いてきてくれて――、ありがとう。
―――かつての友よ、あのときを取りもどすのだ―――
使命を終えるであろう私が、この様に各世界線を経てそなたに交信したのも創造と破壊あっての事だった――――
光の王は残念だったが――その魂も既に変容を遂げている
――だから焦る必要はないぞ―――
俺達は――あの世界線から――呼ばれた―のだ―――
そして、惑星フォライズと命名した後で、このような話が成されていた。
「ブレトルよ、砂漠化した文明を見てどのようにして復活させようかな?」
「ガヴリールか。これは我が息子の力でなく俺と妻の力だ」
「それで?」
「この星が復活するには多くの民とその指標が大事となる」
「どう動く?」
「我が妻を媒体とし、神の信託を造る必要があろう」
「では、オレたち神々の末裔と文明を共にしてみてはどうだ?」
「文明。星の中に眠る鉱石さえ光を放てば“虹色の鉱石”となり変容を遂げよう!」
「光か、穴を開けるという事ならばあの星座に向かう地平線の鉱脈へ放つとよいッ!」
―――俺の中に眠る虹色の鉱石は、
あの星“フォライズ”で融合を果たしたのだ。
大いなる意志によってなッ!
翼の民達もフォライズを見守る様にしてブレトル達と話を共にした。
「ミキュール、願い出よ」
「どうしたのだ、王よ。我が名を呼ぶなど」
「我が地に生命が誕生した。宝庫だ、余すことなく民と仕えるがいい」
「振る舞えと?」
「食を分け与えるのだ。我は王が故、民を行かせねばならん」
「腕を試せと?」
「その通り、我らに時は満ちる。やがて文明に従うで在るならば」
“翼の民よ、ミキュール、ウリュエル、ガヴリール、お前達は我が存在よりも遥かに遠い未来より出でし神の意志たるゆかりだ。この惑星たる大地から地脈を探しあて、生命との交流を深めよ。そこでお前達、我が親たる証を見出すとよい。失いし時は我等を待ってはくれるのだ。探し掘り当て、確実に戻れ!”
“いいだろう、最後の時だ・・・”
ガッ、ガッ、ガ、ガツ、ガツン、ゴガツッ、チイィ――ン・・・
「王も無茶を申される!」
「言うなガヴリール、我等は彼を育てる為、見定め志したる意の交信を果たしておるのだぞ。無茶も承知だ、嫌顔でもその無茶たる民への奉仕を、大いなる意志を閉ざす関りは無いと思え」
「ミキュールよ、見付けた。これこそが炎の進路。そしてここは太陽の頂、決して水脈は我らが宇宙をも照らすのですね」
「ウリュエルも無茶を言う。我らが翼の民は彼等が同志であるこそ、無茶を承知してはならぬ場合があろう?」
“その通りだガヴリールよ。お前のその神から頂いた頭脳こそは、その水脈より遥か先、生命を頂く使命を疎かにしてはならぬのだ。我が民さえ困らせる事態へと発展し兼ねぬ。インシュビ―無き今こそ、俺の親を勤めてきたが為に数奇なる運命をも、辿ることになろうぞ”
「炎を取り上げ直ちに鉱石の窯を作るのだ」
「その鉱石から示す水脈は確保した」
「さて、この草と豆を伸ばすとしよう」
こうして誕生したのが、後のラーメンだった事は言うまでも無かった。
温かで、生まれ育った大地に、唯々、感謝するのみであった民達。
ブレトルも最後の時を祝ってくれたと感謝していた。
このように、宇宙の賑わいが最骨頂と成った時に、ブラックホールが発生し、やがてそれがビッグバンとなり、宇宙が遠ざかりつつも波揺れ、壊滅した。
――――
あの戦いの虚しさを、儚さを、分かり合えた時を。
そして次代の世界線へとそれぞれが象りを変容させていった。
ヴェシェベルは最後こう、言い残した。
――――
「私の本来は、ビグヴァルであり、あなた達の大いなる意志であったのです。再び、変容を遂げた時に現る世界線の世には知らない存在となって、お互いが現れたるが、現れなかった、と嘆くこともあるでしょう。それを再開と呼びませんかね」
「ふっ、それもいい・・・」
最古の世界線「ザモース・エンプスティ」編―完―
ここでいう”草の時代”とは、最後の晩餐を意味します。




