38、末裔ヴェシェベル
「インシュビ―様が・・・す、砂となってしまった・・・」
「何もかも、文明の異なる遺伝が連なり随分と形を変えてしまった様だ・・・」
「忘れられない時代が、再び訪れると思っていた・・・」
―――我が、息子が試練の前に伏せ、砂となった・・・そのようにしてブレトルは受け入れる事にした。しかし、民達を目前にし、どうして自ら文化が崩れ去る様を見て、念を送る事しか出来なかったのか、と。
もう少し自由に決めていい“王の器”を寂し気な木々の前にし、そして、風の吹き荒れる様な場所を迷わなくともよい形へ向けるべきか。もう少し意味の分かるようにインシュビ―が答えを出すべき場面で、自身が出て居れば全く闘わなくてよかったのではないか、とも考えるブレトルであった。
――――そして、光の民である我等、合同した民達が縮小を始めた。
―――永き時によって、子孫繁栄を止めてしまったのだ。
――これまでの文化の分け方、文明として如何なる発展をしていたのか振り返る時が訪れていた。
―そんな時だった。
神々の末裔と出逢う。
神々の末裔としてのヴィシェベルと再び出逢ったのである。
◇
「王達よ、久しぶりに会えましたな・・・如何です?戦ってみて」
「悲しい。勇敢なる儚き夢を灯した。息子は自らの力を体に宿す事に限界を感じていたのだ。無理をした、それも勇敢なる兆しだった・・・列を乱したのだが、民達に引き摺られるようであったのだ、」
「私は嗚咽を吐いたのです・・・あの産声が私自身の腹に聞こえて、脳裏に焼き付いていたのです・・・ただ見守るしかなかった、と、」
すると、ヴェシェベルはこう告げた。
「光栄な事ですな・・・王達よ、導きたる由来が到来したので、次代の象りを決めねばなりませんな・・・どうです?遠き地を訪れてみては・・・」
◇
インシュビ―は魂の力を使い果たしたのを感じ取ったブレトルとフォダネスは、このような事を口にした。「虹色の鉱石とは?」と。するとヴェシェベルはライト・オブ・ソウルとダーク・オブ・ヘルという形式が宇宙に存在している事を明かした。それは簡易的で強き力である事を二人に告げたのだった。
「遺伝ではなく、消滅を意味します、が。ですが原石について発見した者は何れの時代にも存在していません。それ等を支えるのが、簡易的で強き力だと申しておるのですよ・・・」
――――未知なる答えとは、遠き場所に在るのか、とブレトルはこれまで失われて変容を遂げたであろう魂の犇めきを感じ取れるのであった。更なる闇を灯す時に、再びミキュールと語り合った。
――パチパチパチ――パキッ
「魂はこのようにして祭り上げられる―――この炎の集まり―――、光を灯すようだろう?もしかすると君には眩しいと感じられるかねぇ、」
「なに、無理をしている訳ではない―――俺からすればチリの山に――、存在しているかのような儚さを太陽に委ねてしまう。ほら、雪が輝いているようだ―――なぁ、インシュビ―、息子よ―――」
―――そうだなァ、君達には少々、荷が重すぎたか・・・
――仕方のない事だね。初、だものなァ・・・
“パキ、パチパチ・・・パチ、チ、”
◇
炎はマグマと木片と同一と成り、焦げては灰となっていった。決して、砂になる事もなく、土の栄養と成って行き届いていった。そこから水が染み出し苔と成り、遂には木々となって蘇って往くことを唯々、祈る様に暖炉を固める二人であった。
―――そして、
ヴェシェベルについて、ブレトルとは異なり寿命の短いジェイルは年老いつつも彼ように本書を述べるに至った。
”神の意志”を引き継ぐ子孫であり星々の文化文明の創立者であり―――、不思議なる力を宿していった―――。
それが実はサンシャインだった存在でもある事は、かつての宇宙の遺伝生命たる由縁を描き理解した事で在る。つまりそれは総称”神々の末裔”とされる存在とも云えるのである。
長き繁栄が続き、眩き王ブレトル様と闇の女王フォダネス様と交信し、彼等の子である王子インシュビ―様へ光を委ねる存在となった。
――そこで予言しよう。
次の時代に、眩き闇の魂の暴走により、民と文明を発展させ、眩き星と命名するのである。それはきっと新たなる魂の集合体が象り、力を満たす事で在ろう。その後、ブラックホールという力場が宇宙の中心に発生してしまうと、その電磁波で変容を遂げる事が約束される。
その時になると、我等、民は全く異なる存在へと変容を遂げて往くであろう・・・永い疲れが新たなる悦びへと変わるのだ。
以上の事から、その名前・言葉の由来は『意志の器』からヴィシェベルとしたのである。
その姿は眩く白っぽいため、ブレトル王と異なるのに同じ意志を冠している様に見取られる。そこで君達子孫に託したい。よく、聞くがいい。
『ー神の信託ー』
“創世を旅経つ宇宙生命の誕生により世界線が並んだ。それ等は発展し結合を灯すと自ら守護神となり発明と争いを繰返す。だが数多なる世界線を越えると先には虹と太陽に満たされるだろう”
それ等を託した君達は、次代の“世界線”への破片と成り蘇る事だろう。どうか忘れないで欲しい。新たなる時代が来ることを!
「これが私の本書となるのですね。大変、楽しく面白く、愉快なる頭脳。それ等が魂と成り意志を灯し、更なる記憶の奥底へ登場するのなら、私は偉大なる王として蘇るのでしょうね・・・」
「ヴェシェベル様、再び我等の前に現われて頂けますか?」
「よろこんで・・・」
――――こうして、新たなる時代を灯すのであった。




