34、時代の「王」たる力
――――光の王、インシュビ―の力が認められたのは、その強大なる底知れぬ知能が才として認められて以来である。それまで成長に波があり、均等に話す事を求められていたのに、ようやくその頂点となる民達の文化と希望、文明と衝突が競われてからであった。
◇ ◇ ◇
「暫く見ない内に、土の民達も成長したのだね、やぁ君達が王となるには私達と異ならない文化と異なる文化が遂に、流れる文明となって以来かな?」
「相違ない。お前達と会うのは俺が小さき頃以来だ。未だに妻も子も生まれていない頃になる・・・本来は尊敬すべきなのにな、」
「偉く引き締まった態度になったのね、ブレトル」
「当然だ。俺の知らない文明をこの様に育てたのは、先祖が受入れられる内容だったからだろう・・・楽しいと言っていた、」
「お前の方が大きいのだ。その強大なる眩き生命が、このような文明を造り上げたのだ・・・誇るがいい」
「全く、衰えの無い言葉を貰い受けられる。俺達を祝福してくれるとは、何とも得られない神たる由縁だな、座るがいい・・・」
◇ ◇ ◇
――――ところであの子はどうしているのだ、とミキュールは訊ねた。
見た事もないインシュビ―の光の力について感じ取れたのは、神の遺伝なる言葉をその腕に焼き付けたからである。長い旅を経るごとに、神の腕、口、頭脳と呼ばれてきた3人の最初の新たなる文化がそうさせたのは、その“強い光の力”に「引き寄せられたからだ」と彼等は答える。
――――ところで・・・
「なぁ、王よ“光”は闇に代わるのかな?あの膨大な光は闇に勝るのかな?」
「俺はヤツを息子に持った。眩き閃光よりも輝いている。闇よりも深くだ」
「闇よりも深く、そして眩き閃光よりも速く輝くモノ―――ッそれは!」
それは“神の腕の一部”だとしてミキュールは奮闘を示す。インシュビ―を例えるなら天の星だろうと、その右の手指を差し力強く吠えたのだ。それは神をも我がモノとするに値するであろう事だと。そして眩き王ブレトルもミキュールのソレに呼応するよう、奮闘の意を示す。
「なるほど――、そういう事か――!」
「その通りだ王よ。今少し、彼の民達に対する威厳を感じて居たら、随分と異なる方式を用いて数を数えようとするし、大岩を砕いたとするその力は、ほかのエネルギーが彼に注がれたという事も感じ得る。ジェイルはライト・オブ・ホールとダーク・オブ・ホールについて研究したというが、アレは神の遺言たる影響だと、私は代弁してもよい位だ、」
「ハハハハハ、それは楽しい、面白いなァ―――!そのような還元が灯されるなら今頃宇宙は、消滅してしまうだろう―――!!」
「危ういんだよ?そういう力だからね」
◇ ◇
――――やがて時代の王となるとその波動で”最古の世界線”を浸食するようになった事は、彼等、神の代理者としての民の遺伝が察知したのは、随分先の事では無かった。次々と自体が変貌を遂げるのはブレトルの元だけではなかった。
「臣民よ、ここへ・・・」
ブレトルはミキュール達の話を聞いて以来、闇の女王フォダネスと掛け合う事が増えていた。どうも民達の意見がインシュビ―を巡って強い力を放っている様に感じ取れたからだ。また、三人とも過ごす別荘なる場が与えられていた。
「どうやら俺達、王の力が民達の文化に異変をもたらしている様なのだ」
「異変としては?」
「俺の民は山を築き上げる力を得ているのに対し、妻の民は森林を貫きだした。しかし息子はそれを一つに纏めるのではなく、別の形へと象らせている」
「どこに問題が?」
「砂になるという事だ」
◇ ◇
一方で、木を使った“遊び”が行われていた。その太い指でも行えるように、と幅24センチの木片を使い、岩を削り木目調にした土台で民達がどのように動くか、を競っているのである。
“カッチ、カッ、カチ、タ―ッ・・・パチ、ン―・・・”
――――ここは眩き王ブレトルの拠所、アンビルシス。
民の発明が益々盛んになる中、インシュビ―の光の力の在り方について、父、ブレトルと母、フォダネスが臣民ダンビルと共に話をしている。彼等は卓上に鉱石の破片を繋げては外し外しては象る。
「どうだ、ヤツの動きは?」
「どうも我々と異なり、貫くような姿勢を着けている様ですが・・・」
「出来の良い子が、“出来損ない”と呼ぶべきなのでしょうか、王よ。書き換えられるのは私達の様です・・・如何なさいます?」
「変化を呼ぶしかないのだ。現る宇宙の兆しに差し向かって行かねば“テンキ”は鳴らないだろう?」
宇宙と大地は、その革命たる由縁に騒々しさを感じ取っていた。
いつか神は、宇宙をアミという存在に連ねて宇宙線を創らせた。
そのような状況と、間に近い瞬間を感じられる王達であったが、それは「近い内に行われるのだろう」と、ブレトルは語っていた。
◇
「夫よ、それは踊り?それともダンス?」
「勇敢なる事だ、妻よ」
「“子煩悩”な親になったものですね・・・」
年負う程に子の年負う姿を鑑みる。
全ては宇宙に任せるという象りが、新たなる変化を受入れるのにそう、時を待つ必要はなかった。それを一番感じていたのはインシュビ―1人だけだったのも、宇宙は知っていた様である。
「むず痒いな・・・どうもオレの予感を父と母が感じ取っている様だが、」
「まずは、ご自身を楽しんでは如何でしょう?その知と才が物申す限り・・・」
「喉に潤いが欲しいものだ・・・我等は“腹が空く”のでなく、“食う”事を選んだのだから、陣が乱れるのも面白い。だが、この兆しは眩さよりも闇に近いが、」
「奮闘されているのですよ、インシュビ―様」
その光の力によって、砕かれた岩石は砂と成り、方式は次第に変えられていった。その力次第で、眩き力と闇の力が共になる事も随分と先の時代であるが「それも形かな」とインシュビ―は語ってみせた。
◇
――――もう間もなく、時代の変化と共に新たなる変革が訪れるのを知りつつも、それを駒の様に楽しめるのは、生きている限りである事も神の遺伝から訪れた事でも在るのだから・・・。




