33、光の王よ
ブレトルとフォダネスは誰かが言った事を覚えている。
◇
―――なるほど―――集まっては輝く―――、かね
―――皆、解放される時を―――、望んでいるのだ―――
その時は、眩き王ブレトルと闇の女王フォダネスの契りから随分と時が流れていた。小さきインシュビ―を連れて様々な地を訪れていた事もある、その時だった。
『王よ、神々の末裔だと名乗るヴェシェベルという者が“通してくれ”と願い出ました』
『どういう事だ?』
『この宇宙に起き得る未来を予測しているとの事でしたが、如何なさいます?』
まだ幼い子供に栄養が十分に行き届かない事を案じた、王達は一度くらいなら会ってもいいと考えた。暫く民達から“何ら出掛ける事もない”という話は在ったが、もし我等が宇宙に変化を兆すなら“会ってもよい”との意見が増えていた。
『あなた方が王ですか。どうかな、新たな繋がりを持ちたいと思いませぬか?』
『如何なる繋がりだ?もしつまらぬモノなら旅話でもよい。それに食事でもどうだ?』
『いえ、大したことでは無いのです。一つ、知恵をお借りしようと存じて、』
『知恵とは何です?』
『単なる知恵比べですよ、ふふふ・・・』
このようにしてウェシェベルはかつて神の申し子とされたブレトルとフォダネスと神なる交信をした。
そして現在、インシュビ―が光の王とされ、随分と時が刻まれたのである。
――――「よいですか?」
「うん?聞いていないぞ」
「インシュビ―様、貴方には王としての自覚を持って欲しいのです。もう少し私達の言葉を聞いていただけねば・・・」
「オレの両親がどう在れ、王である事には変わりない。それがオレと関係あるなら少しは方式を変えてみたらどうだ?民達は面白いと楽しんでくれるが、な」
もう少し、親がどう、交信を遂げてきたのか知って欲しいという臣下達であったが、ジェイルはそれを“個性”だとして尊重していた。
未だに光の力が薄い様であれば、それは眩き王と闇の女王の力が“余り影響していないのだ”と彼等は思慮したのである。
◇
――――時代が天の時代となって、王の時代も新たなる王として迎えられたのは、インシュビ―が太陽の光を遺伝たる虹の鉱石の内容を、再生から変換へ向かって以来となる。
それが改めて光の由来とされたのは、民達から見ても眩き闇として光線のごとし力が影響された様子を感じ取れてからだった。
「そうか、お前も俺とフォダネスの力を別の意味に捉えるようになったのだな」
「そういう事だ。父よ、あなたの力は認める。だが、オレの時代が来たなら、民達がオレ自体を王として迎え、選んだことに相違ない」
「ふふ、貴方も偉くなったのですね。もう不安定な時期が既に過ぎたのでしょう」
「母よ、済んだことだ。オレはあなたの意見に相似したのではない。落着かせたのだ、民達の威光によってな」
つまらぬ意地を張っていたのではない。唯々、民達が新たなる文明にインシュビ―を迎えたというだけの事である。少し時が過ぎ去った頃から時代の王に迎えられた時から、天は光の兆しを迎え入れたのであった。
「ジェイル・・・、天はオレにどう見えているのだろうな、」
「無論、貴方を光の王として認めているに相違在りません。ですが、くれぐれもご自愛下さいませ・・・」
光は輝く。
闇は地を拭う。
そして光は両者を照らし貫く・・・。
――――そう、もう少し時が満ちれば民達も「理解するだろう」と願って――――
そして、暫く見ない“神々の末裔”たるヴェシェベルが“重要人物”として現れるのも、更なる時が刻まれてからとなる――――。
◇
「元気かな、光の王よ?」
「無論だ」




