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14,最初の王

幼き王の成長物語です。

 確かに我々は宇宙線による影響で生命から惑星に結びつき、人類として生きて来た。それが永き時を刻み上げるとライト・オブ・ホールが現われた。遺伝粒子が量子となって生命である人類や文明に変化をもたらし、進化の頂点を更に変えていった。

 神から生まれた翼の民によってファイオクスが誕生する前触れに更なる生命の極みを繋げていった。それが像の民、蛇の民である。


「これでよいかな?」

「うん、と・・・分かりにくいなぁ。もう少し分かるように話してくれない?」

「まあ、君なら分かると思ったのだが・・・未だ天地に交わる生命の頂きに干渉されていない事も影響するのかな?」


 生命の域とし生けるもの、像となると体が重くて中々、話が通じない。そこに何があり何処に行けばいいのか、そこから理解できていない。


「爺は何故あの星を見つめるの?俺はよく分からないけど蒼い空の中には14個の星が見えるんだけど何にも変わらないよね。それよりも民はどうしているんだろう?この星に降り立った生命が単純に“出来上がる”ものなら、今の俺達はどうして文化を広げて性別が生まれたのに、文明を分けてきたのか不思議だ、」

「ブレトル、君には分からないだろうが、およそ2000の時を刻んでいたのに関わらず、我等が像の民は変わってしまった。ライト・オブ・ホールが誕生していたのも更なる以前の世界線にも在ったのに、今回は分類され、食料まで変わってしまった。その様な現象はこれまでもなかったという、詩があるのだよ」


 像の民からブレトルが誕生した。

 彼は特別という程ではないが、民達を健やかに楽しませる癖があった。それも周りを囲んで焚火を作ったり、土を鉄に変えるだけでなく料理も下手ながら味を楽しませることも出来ていた。色んな話題を作るのも創造的でずっと座るだけでも彼を慕う民達が居たほどだ・・・。

 3の時が刻まれると、体長は145センチで屈強ではないが頑丈な性格と生き方が人気を呼んだ。その意志と魂の質が異なるような印象も与えていた・・・。


「おーいブレトル~、もうすぐ遊びに行くよ~~」

「うん?あの声はアキシルだ・・・爺、遊びに行ってもいいかな?」

「ははっ、仕方ない。ドミテルとキュイリ―、お前達もブレトルと一緒に遊んでおいで。私は少し書を楽しむとしよう・・・」


 「やったー」と使いのようにブレトルと共に住むドミテルとキュイリ―は喜んでアキシルと富を勤しむように4人で駆けて行った。かつてオーズ達のように文化を教えている感じである。異なるのは像の民にも性別があり、男だけではなかったといいう事だけだ。


「ブレトル、今日は何処まで走ろう?」

「そうだなぁ、左下にあるヴォーグの大地なんてどうだろう?」


 この惑星ゴ・ランズの住居とは異なる砦の様な場所で、象徴たるアンクォンの元で生まれたのがブレトルだった。恐らくはマーズ、或いは大いなる意志ビグヴァルの意志の一つの中では強力な意味を示しているのか、とも思われている処が在る。

 彼はよくヴォーグの地まで遊びに行くが、そこには赤い星が一点だけ存在するのだった。あの頃は不吉を呼んでいたのに何時しか幸せの象徴だと考えたのは翼の民ミキュールだったことも記憶に古い。


「さあ、着いた」

「あの赤い星が目印だから直ぐに分かるね」

「ブレトルの目がいいからだよ」


 像の民の特徴として、目がいいというものの、それは遺伝された記憶が虹の鉱石による再生能力を活かして脳の細胞に焼き付いたためだとされている。それは“じい”と呼ばれたドーグの書に記した意見に過ぎないのだが、それも本当の事かどうかは彼等が理解していたに過ぎない、“遊び”と“手加減”である事に大差ない意志である。


「アキシル、そこの木の傍に苔があるだろう?アレの汁を水に混ぜて鉱石の粉を混ぜたらどうなる?」

「ドミテル、キュイリ―、君達はどう?」

「う~ん、くすりになるのかな?もう食べるの飽きたしどうなるのかな~」


 人類が分類した事により、体に備わる再生能力が落ちてしまった。落ちてしまったと言っても塞がることに変わりは無いが、傷跡に残るので翼の民は“薬”という再生を速める知恵を与えていた。それがこの眩き時代に相応しい文明になることは以前の時に伝えていた事である。

 ドーグはこの話を詩にしていたが、ブレトルだけにはあまりピンとこなかった様である。


「俺が思うに、これは薬でなく“調味料ちょうみりょう”というやつだろう。爺はいつも『薬は刺激がある』なんて言ってたから、必ず味があるかも知れない」

「ドーグがそんな事を?僕には『薬には“ぬかるみ”がある』と言ってたけどね?」

「私達には『薬には傷を治す力がある』って聞かせていたよ?」


 人類が頂点に達する時、生命の頂きが見えると翼の民は教えてきた。しかし教えてきた事が、実際本当なのかどうかは生き方次第で変わるので分からない。

 幾ら試しても同じことが起きる訳ではない事も、あまり理解しない人類はそのおおよその内容だけで理解してしまうだろうが、この様に意見が分かれていては確かめるしか方法はないのだろう・・・子供故に・・・。


「“舐め”れば分かる。ドーグの書だけでは詩に消されるだけだ。もう少し、」

「早く混ぜよう。ブレトルはとっくに“食べ”てしまったから、味が分かる筈もないよ・・・ほら?」

「うん?まぁ、味は・・・酸の味だな。しょっぱくもないし甘くも無い、シュワッと音が鳴ったんだよ、」


 彼等は成長に従い、感じられる味が異なる様でもあった。初めは辛くて舌が痛いことが塩のように舌を左右するのに、今度は甘くて舌を巻き、遂に酸を感じるとくち全体をしぼませる癖がついたのだ。

 このようにして様々な表情を見せるようになった人類、像の民は蛇の民と異なる豊かな表現性を用いることが出来た。誰もが遊びが本当の事になるとも、ならずとも楽しければいいのだ。


「時が流れる度に体の流れが変わっているのに気が付いたかい?ドーグは『時が刻まれる度に体の意志が変わる』と言っていたけど、これは記憶の奥底にある魂の働きじゃないのかな?」

「俺はそうは思わない。“流れと意志が変わっているのだ”と考えてみればいい」

「ブレトルは単純なのに、周りの意見を“食べ”るの上手だよね」


 食べるのではなく、取入れて自ら考え導くことは意志が言葉を発する以前に、脳領域で言葉の波を発する事が出来たからである。そうする事で周りが理解するのが速くなり、気持ちが一致するのがこのブレトルが注目される事になった由縁である。


「ヴォーグが泣いている。悲しいのかな?」


 ブレトルが指す赤い星が宇宙線の波に漂う時、一種の揺らぎに見えていた。それは両親が『生まれてくれてありがとう』と涙するのと同じでなく、痛みを分かち合う時の揺らぎに似ていたからである。蛇のように洞察力は薄いが、直観だけは強いブレトルである。

 「近い内に何かが起きるかもしれない」と思う意志が働く3人だったが、ブレトルは「そのような幸せが起きるとは思わなかった」へ変換してしまうのである。これも民の“王”となる成長の兆しであろうか・・・。


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