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10、それはやがて果たされた


あの不吉で不穏な色は何だったのだろうか?

そしてその予感は何を示していたのだろうか・・・。

虹の鉱石は人類によって含まれ、再生をしていったというのに―――。


* * * *

神は予測を超えた人類の希望を宿してくれる。

 もう少し一緒に居たいと手を並べて自らの頭を並べてゆくように、強い念を魂と意志の奥底に眠る記憶に尋ねるのだ。出来ればずっと居たいのに心や気持ちが追い付かないまま、遂に時を刻んで逝くのだった。


「我等は神の子孫と呼ばれていた。だが今は料理をする文化を取入れたし、虹の鉱石の力で乗り物が作れるようになっている。子供の玩具に過ぎない、でも楽しければいい。それも随分と時が刻まれこうして文明を築き上げられた」


新たな文明が生み出されると、ミキュール達はこのように示す。


「土に火が付いた時、砂鉄になるんだ。それが建物や着物の塗料になってね」


 塗料は青色で、ねっとりしていて取れず永い時を止める事さえできない、着色料となって居る。そこにはやはり虹の鉱石が含まれていて、再生を意味する代物になっていた。剥がれても取り直せるというものは女性に好まれる傾向だった。


「これは、塗り具といってね、体の色を変えられる代物なんだよ」

「そう?じゃあ結構長持ちするのかな、もしかしたら食べられる?」


 原料は鉱石、別の生命体の体液、水、それに再生能力が施されたものになる。つまり永久的に色を着けられるというもので、上塗りすれば、発色変化することも可能だ。つまり食べられる粘液料としても使用できるため、片栗粉のように伸びるのだ。

 無論、「美味しい」訳でもないし味もしないそれが人気を評しているのだった。神の子孫たる遺伝子が作った代物が益々、変化を追い掛けて成長してゆくので、偶に「問題のある、類似品のようなものではないか?」と疑う声もある。


「それは問題ない。我々は混じり、溶けあい、そして分かち合う。それが文化という形で彩られる」


 ミキュールは様々な材料に腕を振るい“神の腕”と呼ばれるように、ウリュエルは人類である人々の生命の声と音を頭脳へ変換させる口があり“神の口”と呼ばれているし、ガヴリールはその文化が文明へと繋がるように力添えの出来る頭脳が試され“神の頭脳”と呼ばれている。

 皆、土の在る惑星で生きてきた為に生命の形が様々だった。その声が一つの称えとなりやがて大きな運命へと乗りかかって往くのだった。誰もがその“誘い”と“返事”に夢中になるように強き絆となったのだ。


「我等は土から産まれた。土によって生命が活かされた。長い時を刻むごとに我等の腕、口、頭脳が試されてきてようやくかつてスタヴァ―がアンクォンと結ばれてきたように一対となって蘇ったのだ」


ミキュールは告げた。

我等は“土の民”である事を。


 宇宙である神マーズから、たった一つの生命が産み落とされ、それが複数となり、生活まで出来る様になると子孫が多様に存在する事になった。そして文明が築かれ別の生命と繋がる事で新たな文化が現れてきた。その遺伝子こそが純粋で有望ならば、その力は一帯となって光と闇を産みだすだろう。太陽の閃光に差される時に地平線が現われ、それを虹の霧やシャワーがいつまでも彩ってくれるだろう。

 次の時代になる前に、象徴たる人類、翼の民がミキュール、ウリュエル、ガヴリールという者を招いたように、赤が黒へ変わるとその変化に、不吉なる不安は喜びへと変化し、新たな時代へと変化するのであった。


「新たな時代の始まりだ!」


 土の民は総出となり、新しい都市を築き上げ掲げて往く。決して毎時が刻まれる度に成長が止まる事もあり自然な不安が過る事だろう為、全てが幸せという訳ではない。そして惑星ゴ・ランズの大地に生命が溢れる頃には、未だ溢れ得ぬ残された時代なる生命もまた、同じ土の民であるのに、様々な形へと移り住んでいた。

 それも再びシドを喰らう形をとる事にも何ら躊躇なく、生まれ変って往くのだった。終わりがやって来ることもなく、目障りな烏合でなく強き地平線を眺める様にそれは現れたのだった。


「嫌なことが多い時もあるだろう。辛くて投げ出したくなる事もあるだろう。だがそこに未来があるなら一度疑ってみたらどうかな?本来、受入れる事もしなくていい旅の準備をしようと感じ取ってみれば不幸なんか幸せに彩られるに違いない」


* * * *

皆、光が闇と重なる瞬間を眺めた。

皆、同じ場所を見つめていた。

その訴えは何なのか?


生きたい。

争う事を止めたい。

食べ合う事もしたくない。

共に生きる事を紡ぎ続ける事を地に与えたい。

つまらぬ基軸を「美味おいしい」と赦してはどうか?

同じ目標は常に変わってはいない。

遺伝子を受け継ぎその記憶を基に文化は広がる。


その遺伝子は一つのマーズから3人が遣わされた。

神の腕に支えられ、それはミキュールによって行われる。

神の口によって民の代行者となり、ウリュエルの力が頼られる。

神の頭脳からガヴリールという英知を教えられ学んでゆく・・・


安心するがよい。

そして我等が意志をとなえよ。

絶えてはいけない。


―――もう、新たに作り替える事はしなくていい、と

挿絵(By みてみん)

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