現るモノよ。
ここから宇宙と生命の表現をしようと思います。
予知夢よ、英知よ。
我が神たる由縁、一度に降り注ぐ空間干渉、星よ我が手中へと集まるのだ!
―――シュウウウウゥ――――
“パチン”
なんと、我が手中に込めた神であった力でさえ星すら集まらない。どうもこの世界は最も古いみたいだ。どうやら私は全く知らない場所へ出てきたようだな。それにまるで何も見えない。アブソープト・ゼロより現れたというのに静かだ。
音も声もしない。ここは意志も知も魂すらない。さあ、この蒼黒い中で如何にしよう。そうか、再び宇宙を創ればよいのだな?では時をも操ってみせよう。
“ギュウウイインオオ――ン”
数奇なる音と共に時の空間はジグザグ模様に変化し、線と蒼黒い海と混じり合い一つのマグマとなって赤くも輝く。それ等が強い引力を引き出すと我が、この手に余るが故の力が益々加速を始める。赤いその衝動は次第に数多な光となり、その空間を急速に冷ました。ポツポツと辺りを輝かせるその灯は宇宙たる生命とも“私”は呼ぶことにした。時が生まれる!
“1・2・3・4・5・6・7・8・9・10”
“11・12・・・・・24・25・26・27”
時は自ら音を発した。コツコツと鳴るその音に刻まれるように強くも細い稲光によく似た音を発する。時は「ゼエ、ゼエ、息が上がる。まだ時は進む」といった様に声を低く息を荒げるのである。私は「刻む時こそ万全なる体制、恐れを抱き強き表を示せ」と、このように伝える。
“時は一滴の海なり、刻むは線なる鼓動、強き表は破裂である”
時は刻んだ。それは費える炎よりも遥かに確かだ。余り往く太陽なる炎の礫に近い冷たき星々。そこへ生命が宿ると私は時の無いこの空間へ“星の時代”と名付けた。星の時代が始まる。星は宇宙の遺伝子を受入れ地となり自然を呼んだ。宇宙のそれぞれに強い明かりが灯った。それが太陽と呼ばれるまで時は短くも長い刻みを付けるのであった。
“チッタッチック、タクッチ―、クッタク―・・・”
それから宇宙に小さな穴が開きブラックホールが刻まれる時がやってきた。
それはとても大きく、強いエネルギー。三食の影と光が貫き、大きな稲妻の流れがやってきた。私はこれを待っていたのだ。ソレが無ければ多種多様な因子が来ないし遺伝子が現れない。今現在の遺伝子では枯渇する為、なるべくこのように異次元帯からくる母胎が必要になるだろう。
“黙って見ていれば、渦と光がやってくる”
“この訳の分からない超常現象によって我等は救われる”
時は流れる度に数億倍のエネルギーへと別れて行った。その放電率は計り知れないため、宇宙の速度では到底追い付けないだろう。それ等は糸を突き上げる、痛みを表す、音と声を挙げて二つのホールに分かれたのだった。それ等は丸く長いアザのように輝いた。輝いてそして黒ずんだ。
一つはライト・オブ・ホールと呼んだ。
宇宙のあらゆる生物電子を取込み、別世界線へと運んでしまった。まるでそれは別の生命体を産み表すかのような強いエネルギー。強くも眩しい光として生存するので私は“ライト”と覚えるのだ。
一つはダーク・オブ・ホールと呼んだ。
痛烈な漆黒なるエネルギーが礫のごとく線を流して往く。一度の放流する流浪帯は強烈で早くも宇宙の一部を飲みこんだ。それはまるで滝流のように、うねりしなる形で形成されているので私は“ダーク”と覚えるのだ。
数多なる宇宙の渦で波のようにうねる風。
揺れる波、称える生命と新融合。
再び時が刻まれる。
チクタクチクタクと産声を挙げ、一度に海の中でライトとダークが反発しあうように線の中で繋がる。それぞれ役割が違い、数多なる宇宙の兆しに調律的であった。
君は安心した。
私は降臨した。
ようやく出逢えた。
もう、お前達は一つではない。
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※流浪帯
この話では「彷徨い奪う帯状の様子」を示します。




