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彼女のいる街  作者: しし
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知らない人の体温が嫌い

短編


裏垢っていうキーワードからの連想での話

今日もインスタの中の彼女は機嫌が悪い


僕は「いいね」を押した。そうだね、他人の体温は気持ち悪いよねって思いながら。


フォロワーが一桁の見知らぬ女子高生のインスタ投稿に、コメントを送ることが僕の日課だ。

彼女が言うには裏垢らしいけど、本当かどうかはわからない。

彼女は風景ばかりで後ろ姿も指先すら画像に載せない。

でも僕には関係ない。


「おはよう」

コメントを打つとすぐに彼女から「♡」を返してくれる。

決して会話をせずに 「♡」 だけを返してくれる彼女の行動を僕は気に入っていた。


挨拶を返してくれるのは、彼女だけなんだよな、ってつぶやきながら学校へ向かう準備をする。


誰もいないリビングをそっと抜けて、

返事が返ってこないのはわかってるけど、

「行ってきます。明日から夏休みだから、早く帰ってくるよ」って声をかけて、玄関を出た。


学校には携帯を持っていけないから、

スマホの中の彼女とは玄関でお別れ。


学校は嫌いじゃない。

少なくとも、いつ始まるかわからない怒鳴り声に、常におびえなくて済むから。



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