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『金のライオンと速記者』

作者: 成城速記部

 臆病な速記者が、金のライオンを見つけました。どこで、とか、誰がそんなものをつくったのか、とか、そんなことはどうでもいいのです。大切なのは、臆病な速記者が、金のライオンを見つけたということだけです。

 金のライオンは、たてがみがプレスマンでした。もちろん、金のプレスマンです。市販されてはいないものです。しっぽの先のほわほわも、同様でした。

 臆病な速記者は、金のライオンに近寄れませんでした。怖かったのです。金のライオンは、まるで生きているようで、近寄ると、襲われそうな気持ちになったのです。もちろん、プレスマンを身にまとったライオンが、生きているわけがありません。そんなことはわかった上で、足がすくんでしまったのです。見事な臆病ぶりです。

 臆病な速記者は、弟子たちを連れてもう一度ここへ来て、自分は指一本も触れずに、自宅へ持ち帰って、一本一本、丁寧に金のプレスマンを抜きたい気持ちと、金のライオンを家に連れ込みたくない気持ちとの間で、気持ちを揺れ動かし続けるしかないのでした。



教訓:獅子穴に入らずんば。


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