(美濃)8
物語の発端は竜宮城から戻って来た浦島太郎。
亀の背から降りると、そこは三百年後の故郷。
絶望した浦島は乙姫様から頂いた玉手箱の一つを開けました。
すると、あら不思議。
白煙に包まれた浦島は幼女になってしまいました。
困った浦島はもう一つの玉手箱を開けました。
すると、またまた不思議。
乙姫様からの送り者、二人の従者が出てきました。
腹掛け姿の二人。
一人は鉞かついだ金太郎。
もう一人は日本刀を腰に差した桃太郎。
困ったことに金太郎の腹掛けは短いので、きんた丸出しです。
困ったのは桃太郎もです。
腹掛けは長いのですが、後ろのお尻が丸出しなのです。
そのお尻がまるで桃のような、そう桃尻です。
・・・。
・・・。
三太郎が戦国時代を駆け抜ける青春活劇絵本。
私の文章力を凌駕する絵師の冴え渡る画力。
それはそれは素晴らしい逸品です。
でもそれは目の前の二人は受け入れられないようです。
「これを商売にする気ですか」
「殿、恥ずかしいです」
二人には散々罵られた。
そこで屈する私ではない。
「ごめん、止めるから」
「本当ですね」お園。
「約束ですよ」お宮。
どうして、あの絵の良さが分からないのだろう。
文章は別にして、浦島太郎の幼女姿は至福の逸品。
金太郎にしても立派な、きんた丸出し。
桃太郎もそうだ。
喰いつきたくなる桃尻。
それを、どうして弾圧する。
くっ、二人の目の届かないところで売るとしよう。
尾張経由で堺だな。