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(開演)12
参謀の一人、芹沢嘉門が重々しく口を開いた。
「我々も役目を果たしましょう」
新見金之助が応じた。
「戦後処理ですな。
当初の予定と大きく変わりましたからな」
近藤勇史郎が優しい眼差しで私を見た。
「戦って終わりは下の者です。
上に立つ者はそれからも役目があるのです。
一つ一つ、若が決めなければなりません。
今回の場合は落とした城をどうするか。
捕らえた者達をどうするか。
怪我した敵味方をどうするか。
死体をどうするか。
城下町をどうするか。
まだあります。
斎藤義龍軍をどうするか。
斎藤道三軍をどうするか。
織田信長軍をどうするか。
そして最後に明智家との関係ですね」
あるわあるわ、ちくわ。
頭が痛くなった。
誰か薬くれよ、じゃぶじゃぶ飲んじゃう。
あっ、うちの明智家謹製の薬があったか。
猪鹿虎永が笑顔を向けてきた。
「決めるのは若ですが我々も助言します。
大いに頼って下さい」
もしかして私はお神輿。
それも軽い軽いお神輿。
わっしょい、わっしょい。
このまま大人達に担がれて行くのだろうか。
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