第3話 混沌の生む世界
いつしか、自分を【神】と同化させた男は、
あるものを生んだとされる。
というか言われている。
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教室内にはいまだに自分を「変態」だとか思うやつが多い。
「おぉ、中原。明日、時間あるか?」
「珍しいな。玄武が俺を誘うなんて?」
「別にいいだろ。空いてるか?」
「あぁ、まぁ、空いてるけど・・・。」
「それはよかったぜ。お前に会いたいってやつがいてな。」
「そうなのか。まぁ、放課後なら空いてるからいいぞ。」
「それで?」
「それでとは?」
「お前契約したんだろ?あの・・・笥邱ちゃんと・・・。」
「なんでわかるんだよ。」
「まぁ、お前の行動とか見ればわかるよ。まぁ。」
「すごいな、おまえ。」
「じゃあ、あした、よろしくたのむなぁ。」
玄武はその場から消えていった。
それと入れ替わる感じで笥邱が来た。
玄武とすれ違った頃に笥邱が振り返っていた。
「どうした、笥邱?」
「い、いや。・・・。そういえば、舜は明日の夜予定あるの?」
「あぁ、玄武と出かける予定だけど・・・。なんかあるのか?」
「まぁ、重要ではないんだけど。買い物行きたくてさ・・・。」
「あぁ、終わったら行くか。」
「うん。」
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昨日のウイルスのことを思い出しながら帰っていた。
普段は寄らない本屋まで行って調べていった。
「うーん。やっぱり載ってないな・・・。」
「何をお探しですか?」
「あの、ウイルスについての本とかってどこにありますか?」
「ウイルスですか・・・。」
「なければ大丈夫ですよ・・・。」
「いえ、なぜそんなことを調べたいのかわからなくて・・・。」
「え?」
「昨日のウイルス感染者を倒したのはあなた方ですか・・・。」
なぜそれを知ってるんだ・・・。この子は・・・。
「怪しまないでくださいね。私も似たようなものなので・・・。」
「おう。」
「では、今日はお帰りください。」
「あぁ。」
店を出るとちょうど笥邱が目の前を通過していた。
「あら。舜。」
「おう、今帰りか?」
「うん、ってあんた女といた?」
「え?なんで?」
「なんか、女の匂いがするからね。」
「まぁ、店員さんと話してはいたけど。」
「なーんだ。不倫でもしてるのかと思ったわ。」
「本屋だぞ。」
「『昼ドラ』ならありがちよ?」
「何言ってるんだよ。でも少しあの店員変なこと言ってたな。」
「なにをいってたの?」
先ほどあった会話を説明したらそんな気にすることじゃないと言われた。
なぜなら、【神】なんてそこら辺にいるんだということらしい。
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「いやぁ、あの渾沌の新契約者面白い奴だな」
「まったく、お前は何考えてるんだよ。」
「好奇心旺盛なこだな。」