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Seventh statue Ⅰ

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「あんた達いつまで寝てんのよ!」


「ん?」


「ふぁ?」


 この懐かしい感じ……。

 起こしてくれる人がいるってやっぱりいいなぁ。


「早く起きないと待ち合わせに遅れるのよ!」


 待ち合わせ?


――――――――――――――――――――


 再びギルドに集まった僕達にトワイルさんが告げる。


「やはり、これは魔王幹部の仕業だと思います」


 魔王幹部……。

 あいつか?


「これだけ大規模な石化魔法を使えるモンスターなんて前代未聞です」


 そうだよな。

 ゲームとかでも町全体に魔法をかけるやつなんてめったにいないし。


「新種のモンスターかもしれませんが、まだ目撃情報もありませんし……」


「とりあえず、魔王幹部の居場所を捜索してみると言うわけじゃな」


「何か手がかりが見つかるといいですね」


「ですが、一番の問題は……」


 問題?


「場所がわかるのかい?」


「そうなんです」

「場所がわからないので、まずはそれを……」


「私、知ってるよ!」


「「「「「え?」」」」」


 みんなの視線がシャロールに集まる。


「海岸の洞窟にいるんだよ!」


 海岸の……。

 あー、あそこか。


「僕が監禁されてたところか?」


「そう!」


「監禁されてた?」


 あ、みんな知らないのか。


「詳しく聞かせてください」


――――――――――――――――――――


「それがここなの!」


「でも、シャロール……」


「どう見ても行き止まりのようじゃが?」


 そうだな……。

 僕も出たことはあるが、入ったことはないからわからない。


「ここはね、モンスターの鳴き声で開く隠し扉なの!」


「本当ですか?」


 みんな信用していない。

 シャロールには申し訳ないが、僕も半信半疑だ。


「もしそれが本当だとして、どうやって開けるつもりなんですか?」


 すると、シャロールは


「見てて!」


 と宣言した。


 何を始めるんだ?


「ブクブク!」


 ああ、それはシェルリバーの鳴き声だな。

 確かにモンスターだ。

 でも……。


「開かないぞ?」


 目の前の岩に変化はない。


「あれれ?」


「スコスコ!」


「シャー!」


 シャロールは焦っていろんな鳴き声を出すが、一向に開く気配はない。


「そんなおかしな方法で開くわけないじゃないですか」


 トワイルさんは呆れている。


 一方シャロールは体を震わせて怒っている。


「前はこれで開いたんです!」


 今にも泣きそうな顔で訴えている。

 このままじゃかわいそうだ。


「わかった、わかった」

「シャロールの言うことは……」


「はっはっはっ!」


 僕の慰めは何者かの笑い声に遮られた。


「誰ですか!」


 オリーブさんが武器を構えてそう尋ねる。


「そこの小娘のこっけいな姿、非常に面白かったぞ」


 どこからか聞こえてきた声が洞窟内にこだまする。


「何!?」


「お礼にいいことを教えてやろう」


 いいこと?

 というか、この声どこかで聞いたような。


「一度突破された鍵をつけたままにするバカがいるかよ!」


 それじゃあ、シャロールが前に来たときとは開け方が変わっているのか。

 けっしてシャロールが嘘つきなわけではなかったと。


「そいつの言うことが本当なら、この門を開けるのは不可能じゃな」


「それじゃあ、あたしがドカーンと……」


「そんなことしたら、落盤で下手したら全滅してしまいます」


 トワイルさんが慌てて止める。

 そんなにヤバいの?


「わしがこの門を斬りたいところなんじゃが……」


 だめなのか?


「門の正確な大きさや厚さがわからないので、私やお父さんじゃ何もできません」


「それじゃあ、門は開けないのか……」


 門が開かないんじゃ、ここまで来たのも無駄だったというわけだ。


「なんで開かないのー!」


 シャロールが壁を叩く。


「シャロール、怪我をするからやめなさい」


「開かないもんはどうしようもんないだろ、門だけに」


「つまんないこと言わないで!」


 つまんないって……。


「あ」


 いいこと思いついた。


「どうしたの、佐藤?」


 これをこうして……。


「目の前の門が開かない」


「そうだよ、佐藤」


 フォン。

 <スキルが使用されました>


 ゴゴゴゴゴゴ。


「なんだい?」


「門が開きましたね」


「どうしてですか?」


「僕がスキルを使ったんです」


 トワイルさんは僕をじっとみつめた。


「不思議なスキルですねぇ」


 ここで説明すると長くなる。


「まずは進みましょう、みなさん」


 僕達はさらに奥に進む。

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