Seventh poison
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「ダメだった……」
何がいけなかったんだ?
「……どうしたの?」
シャロールが心配そうに僕を見る。
「このままじゃ、ダメなんだよ」
「……なにが?」
「それは、つまり、佐藤君は死んだのかい?」
ヒュイさんが朝ごはんを運んできた。
「はい」
「シャロールにサソリの鳴き声を伝え忘れてて……」
「なるほど……」
ヒュイさんは興味深そうな顔をした。
「シャロール、サソリの鳴き声は……」
サソリの……鳴き声……?
自分で言っといてなんだが、そんなものあるのか?
「そんなものあるの?」
たぶんない。
だから……。
「スコスコとかでいいんじゃない?」
「佐藤君、いくらなんでもそれは……」
「そっか、わかった」
信じられないといったヒュイさんとは裏腹に、シャロールはすんなり受け入れてくれた。
――――――――――――――――――――
「そろそろだぞ〜」
スロウタースコーピオンが間近に迫る。
ビュッ!
毒液を避けて……。
ここまでは前回とほとんど同じだ。
あとは、シャロールが話をするだけだ。
「シャロール!」
「……」
あ、あれ?
鳴き声は伝えたはずだ。
どうして言ってくれないんだ?
ガァン!
「どうした、嬢ちゃん!?」
「……佐藤は」
シャ!
ガッ!
ヒュイさんが右のハサミを受け止める。
「シャロール!」
シャロールはヒュイさんの呼びかけにも答えない。
シャ!
前回同様、左からハサミが来る。
ガッ!
今度は受け止める。
「どうしたんだ、シャロール!」
様子がおかしい。
「自分のことしか考えてない……」
「は!?」
「どうせ佐藤は私を利用してるだけなんでしょ!」
何を言ってるんだ!?
クソっ!
もうもたない……!
「またやり直せばいいじゃん……」
そんなこと……。
「うわっ!」
僕の体はハサミに飛ばされて、宙を舞った。
そして、地面に叩きつけられる。
「ガハッ!」
目の前が暗くなってきた。
なにがだめだったんだよ……!




