あそこにあるのは…
いつの間にか12月になってました。
もうあと1ヶ月で今年が終わるなんて嘘みたいですねぇ
「でっ…でも!!戻れなくなったらどうすんの!?地図もないし……」
「いやーどうにかなるっしょ」
「なんで今度はあんたが呑気なの!!!」
いや私もそうだけどさ。
「まーまーとにかくしゅっぱーつ」
って言いながら歩き出した京花。
私は仕方なくその後ろをついていくことにした。
木と草が生い茂る、道とは言えないような道を
とりあえず光がある方と全く逆の方向へ進む。
私たちがいたところは光以外の明かりが無かったので動くと真っ暗になるんじゃないかなとか心配してたけど、進むにつれて意外と真っ暗じゃなくなっているのに気づいた。
後ろからの光がだんだん薄くなって行くにつれてやっぱり少し暗くなってるけど、それでも全く見えないって程でもない。
しばらく私たちは無言で歩いた。
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(ザッザッザッ…………
「痛っ……って京花何で急に止まるのよ」
「あれ…見て」
「何よあれっt……あ」
急に止まった京花にぶつかってしまったので少しおでこが痛かったのだが、そんなのは一瞬で忘れてしまった。
「光が……あるよ!!!ねぇ!!巴!!」
京花が言った通り、ほんの少し先だが小さな出口のような光が見えた。
「行こうっ!巴!!」
「え、ちょっ、まってってば京花!!」
京花は私の手を強引に引っ張って走り出した。




