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最強ロボとの旅は最凶です  作者: こめっこ
2/6

第一話

 旅立ちから数時間お昼を少し回った位

ルークの村から町までの半分程の距離を歩き、そろそろ休憩にしようかと思っていた頃だった


 「ん?」

 見通しのいい平原 遠くからこちらに向かって犬っぽい存在が走ってくるのが見えた

一瞬警戒するがここは街道沿い、それも町まで徒歩で数時間の距離である、憑依獣の様な存在が出現する場所ではない

座るのに丁度いい岩の方に歩きながら犬を気にしていた所

 

 「え?・・・ぇええ”!!??」

 ルークを驚かせたのはまず大きさ、犬どころか熊と言ってもいい位の大きさだ、さしずめ大型の狼と言った所だろか

それ処かその狼の周りに黒いモヤの様なものが見える

 

 「まさか・・・憑依獣!?なんでこんな所に!!」

 言い終わる前にルークは走り出す

あれが憑依獣と決まったわけではない、なにしろルークは憑依獣を見た事がないのだ

だがあの不気味な黒いモヤは憑依獣の特徴だ

 「やばいやばいやばい!」

 ルークは憑依獣と反対の方向に走る

町の方向とは違うが町まで走って逃げるのは無理だとすぐに分かった

走るスピードが断然違うのだ

 

 「何とかあの岩場まで!」

 邪魔な荷物などとっくに捨てた、手に持っているのはずっと訓練に使てきた木剣だけだ

憑依獣はさっきルークが立っていた場所にもうたどり着き、ルークが捨てた荷物の匂い一瞬嗅ぐがすぐにルークを追いかけるのを再開した


 しかしその一瞬が命運を分けた、ルークは岩と岩の隙間に体を横に向けねじ込む

憑依獣の爪がルークの左肩をかすめる

 

 「ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ 」

 ルークは少しでも距離を取ろうと体を岩場の隙間にねじ込んでいく


 中は少し幅が広くなり体を横に向けることができた、だが目の前は白い金属の様な壁だった・・・

 「行き止まりかよ!くそっ!!」

 

 ここまで全力で走り体力が限界な上差し迫った危険から解放された安堵感と行き止まりという絶望感から崩れ落ち膝を突くルーク


 肩の傷を確認するがそれほど深くないと安心し、肩を傷つけられた時に間近でみた憑依獣の恐ろしさを思い出し震え、泣き出しそうになった


 白い壁の一部が光ったかと思うと突然目の前に少女が現れた

 「私は宇宙連合第84733方面軍所属 機体コードMT917ー01オペレーションシステムです、緊急事態及び特例により貴方の助けを必要としています」


 「・・・・・・・・」

余りに突然で理解が出来ないルーク、呆然と少女を見つめる


 「私は宇宙連合第84733方面軍所属 機体コードMT917ー01オペレーションシステムです、緊急事態及び特例により貴方の助けを必要としています」

少女は無表情で同じ言葉を繰り返した

 

 (何を言っている?どういうことだ?そもそも誰なんだこの子?)


ルークは全く理解が出来ないながら少女を観察していた

10歳位だろうか体にぴったり張り付く様な見た事がない服を着ている、色も鮮やかだ

髪は青く長い腰の辺りで大きなリボンの様な物で束ねられてる

整った顔立ち、そして何より・・・少女は少し浮いていた


 「私は宇宙連合第84733方面軍所属 機体コードMT917ー01オペレーションシステムです、緊急事態及び特例により貴方の助けを必要としています」

ルークが少女を観察している間に少女は3回目を言っていた


 「私は宇宙連合第84733方面軍・・・」

 「分かった!頼む少し待ってくれ!!」

 4度目になる少女の言葉をルークが遮る


 「とりあえず君は誰だ?」


 「質問を受け付けました、私は宇宙連合第84733方面軍所属 機体コードMT917ー01オペレーションシステムです」

なるほど・・・いや違う

 「ごめん意味が分からない、名前ってもっと短いものだろ?君は何処から来たんだ?こんな所で何をしている?」

質問攻めになってしまったが仕方がないだろう


 「質問を受け付けました、【名前】を【愛称】で認識しました、前搭乗者グイグ部隊長はこの肖像にルーシーと呼んでいました 出撃元は戦艦ガイオン コスモイーターとの戦闘により大破、自己修復プログラムを発動するもエネルギー不足で中断 現在は頓挫している状況です」


 言っている事の大半は分からないが とりあえずこの子はルーシーと呼べばよさそうだ

などと考えていると

 「もっと詳細な返答が必要ですか?」


 「いやいい多分理解できないルーシーここから一緒に逃げよう、助けてほしいんだろ?」

まだまだ聞きたい事もあるが敵では無さそうだし保留する事にした、憑依獣が外にいる間はここから動けないし・・・



 「助けて頂けるという事でよろしいですか?」

相変わらず無表情だが少し嬉しそうに見える

 「ああ、一緒に行こう・・・っと言っても俺も憑依獣から逃げてきたんだ、あいつが諦めるか討伐隊が出るまではここから出られないんだが、ここは街道沿いだし町も近い、数日中には・・・」


言いつつ水と食料を置いてきたのを思い出したが取りに戻る手段がない、何日持つか


 「近くにコスモイーターの微弱な反応があります、貴方の言われている憑依獣とはこの反応の事でしょうか?」

地方によっては呼び方が違うのか?恰好も見た事がないし・・・何より高価そうだ


 「多分そうだ、近くに居るのが分かるのかい?」

騎士団には憑依獣の居場所が分かるアイテムもあると聞いたことがある、やはり貴族の子なのだろうか・・・


 「レーダーに反応が3つあります、殲滅を推奨します」

 「3つ!?増えたのか!一匹でも無理なのに3匹なんて・・・」

絶望的だ・・・ルークはその場に座り込み天井の岩を見上げた


 「反応から想定、脅威度1 緊急避難用装備で十分討伐が可能です」

何を言ってるんだこの子は・・・あんなのが3匹なんて騎士団でもかなりの人数が必要だろう・・・

 

 「ルーシー・・・」

俺は残念な子を見るような目でルーシーを見ていた


 『バシュー』

そんな音が聞こえたかと思うと目の前の白い壁が上下に分かれていく


 ルークは呆然とその光景を見ているとルーシーは滑るようにその開口部の横へ移動し

 「この箱をお取りください」

っと言い手で差し示した先から両手で抱える程の箱が出てきた


 ルークはその箱から視線をずらし開口部の中を観察する

そこには一人掛けの椅子があり肘掛の手前には左右に丸い光る手のひらサイズの球体

点滅点灯する光がそこら中に多数 


 椅子には誰かが座っていた

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