プロローグ
初投稿です
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「私は宇宙連合第84733方面軍所属 機体コードMT917ー01オペレーションシステムです、緊急事態及び特例により貴方の助けを必要としています」
少女の姿をした存在が目の前の膝を突いた男に語り掛けている
全く同じ内容の言葉を繰り返し3回目だ
男は程よく鍛えられた体に金髪に年齢は成人したてといった所、きちんと立てば180センチ程の伸長で息を切らし全身汗びっしょり土にや血で汚れていた
「私は宇宙連合第84733方面軍・・・」
「分かった!頼む少し待ってくれ!!」
4度目になる少女の言葉を男が遮る
(全く意味が分からない)男は目の前の状況に理解が出来ないでいた
それもそのはず、憑依獣と呼ばれるモンスターから命からがら逃げ込んだ先に少女が居たのだ
なぜここに少女が?と思った所にさっきの言葉である
おまけにその少女 ”少し浮いていた”
~~~半日ほど前~~~
マガイト王国南東 国土の端にある村ルン
「ルーク 本当に行くの?」
少女が幼馴染の少年に心配そうに話しかける
「アリス、俺は成人したら騎士を目指すんだって何度も話したじゃないか」
そうだけど・・・っと少女が言い淀む
ルークと呼ばれた少年は先日成人したばかりだ、来週王都で開催される騎士試験を受けるのだ
「試験に受かっても当分は衛兵でしょ?かなりの数の人が衛兵の時に憑依獣に殺されちゃうって言うじゃない!」
「分かってるよ・・・それでも俺は騎士になりたいんだ、憑依獣を殺せる力が欲しいんだ!」
もう何度も繰り返されてきた会話だ
「もう行くよ・・・日が暮れる前には町に着かないといけないし」
この世界には動植物に憑りつきモンスター化させる憑依獣と呼ばれる存在がある
正確には憑りつかれ変化した物を憑依獣と呼ぶのだが本体には実態が無く正体はよく分かっていない、”黒い霧のような物”という事だけだ
ルークの両親は5年ほど前にその憑依獣に殺されたのだ、それ以来ルークは村の手伝いで食い繋ぎながら剣の稽古をしてきた
そんな事情を知っているだけにアリスはそれ以上引き留める言葉が出てこない
「おじさんとおばさんに宜しく伝えてくれ」
アリスの両親には自分の子供と同じ年という事もあって目をかけてくれた
「分かった・・・伝えとく・・」
その言葉を聞いたルークは頼むと言い残し村を出て王国へと続く道を歩き出した
必ず騎士になると自分に言い聞かせながら