表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影の聖魔  作者: 霊王
第壱章
2/17

第1話 〜竜が飛ぶ空〜

 

 ―――――寒い。


 身体に震えるような寒気を感じ、眼が()める。まるで高速で空を飛んで移動しているような感覚………いや、実際に飛んでいた。

 正確には、自分を乗せている生物が。


 なめらかで規則正しく生えている藍色あいいろうろこ、バサッと大きな音を立てて風をつかむ巨大な二つの翼。長い首の先に見える頭に生えた二本のツノ。そう、ドラゴンだ。


 そして私はこのドラゴンを知っている。大きさがまったく違うが、なんとなく『ルー』だと分かった。


 それから行動を起こすのに時間はかからなかった。私は無意識に“影”を使って自分とルーの体を固定させていたのを今度は自分の意思で固定させた。



「ッ!!――――――」



 ルーの名前を叫ぶも風が強すぎて声がかき消されてしまった。

 このままではまずい。風に当てられて体温が下がってきた、高度も高いせいか空気が薄い。手足の感覚が無くなってだんだん意識が遠くなる。



 まるで、前世で死んだ(あの)時のような……



 ふと、そんな事を思い出し歯を食いしばった。気持ちを高ぶらせると私は寒さでかじかむ口を無理やり開け、体の奥底から声を出した。


 お願いッ……届いて!



「ルーーーッ!!!」



 その瞬間、ルーの体がビクッと反応しスピードが一気に減速していった。



(届いた!)



 そう、安堵あんどするのもつかの間。ルーは減速するどころか固まったかのように止まり、飛ぶのをやめてしまった。


 私も限界がきた。体の力がガクンと抜けて固定していた“影”が解け空中に投げ出されてしまった。



 風が顔に当たって目を開けるのも困難な中、無理やり下を見た。そして下に見えたのは緑に覆われた土地だった。近くに川などは流れておらず、ましてやクッションになる様なモノはあるはずも無かった。木の上だとしてもこの高さでは到底クッションにはならない。それより枝が槍のように体に刺さるだけだ。それまで、私の体は重力に従って落ちていくのみ。


 どうすれば良いかパニックになりながら考えていると視界にルーが入ってきた。ルーはいつの間にか元の手のひらサイズに戻っていたが、意識を失っていた。



(ルーだけでも助けないと!!)



 ルーだけでも守ろうと自分の袖の“影”の中にルーを入れた。


 その作業だけでもう地がそこまで近づいていた。咄嗟(とっさ)に顔の前で両手を交差させ体を縮こませる。



 バサッ、バキバキバキ――――ボチャン!

はじめまして霊王れいおうです。

この作品は、自分が作る最初の小説になります。間違い・アドバイス・感想等などございましたらコメント、是非よろぴくです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ