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人間嫌いの魔人間と脳内嫁の聖女  作者: めんどくさがり
8.魔王のおしごと
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六十一柱目 ア・レイディアント・レディス

「エントリーナンバー3! 邪教ローリング・ロリコーン(転輪する妖精幼女)より。妖精の化身、現人神として祭られた双子が二人で一組の出場っす! これはロリコンのド変態野郎には垂涎すいぜんの二人でしょう! オセロ姉妹!」

「ローリング・ロリコーンって……転輪する妖精幼女って……」


 そして出てきたのは本当に可愛らしい少女二人だった。

 白い髪に紅玉のような瞳、その微笑みはどこか見覚えのある小悪魔チックで、心の奥をくすぐられる。

 黒い髪に翡翠のような眼、淑やかな微笑から溢れ出る慈愛の雰囲気は、幼いながらも女神のよう。


「ガタッ!」

「うお、なんだ相棒!?」

「いや、見ろよあれ。白い小悪魔と黒い小女神って雰囲気が最高だよな。なんだよどうしてそんな素晴らしい邪教があるって教えてくれなかったんだよ。俺も入るわ」

「相棒ちょっとぉ!?」


 二人の衣装は個性が出ている。それも白髪のほうはカジュアルな黒シャツ。黒髪の方は白ワンピだ。

 明るくて活発そうな白髪赤目はよく動く。赤いチェックのスカートがヒラヒラして白い太腿が見えそうで見えない……クソッ、見えろ!


「急に露骨になったなコイツ……なー! 私がいるだろー! ロリ枠はぁー!」

「リムル姉さんはロリババア枠ですからね。微妙に違うんですよ」

「リルン……」

「俺のライバルがロリコンだった……」

「さすがレクトです。レクスに精神的にダメージを受けるところは初めて見ました」


 くぅ、やっぱり見えないかぁ。上手いなぁ。このステージの角度か? それともそういう絶妙な動きを仕込まれたのか? 誰に? 邪教徒?


「あー、なんか一人凄い白熱してる審査員がいますが、とりあえず安定のリステアさんからどうぞっす」

「はい、おそらくチラリズムに興奮しているのかと。白髪のほうは活発さと膝上のスカートがよく和合しています。白い肌がよく映えるでしょう。前の二人は完全に裸みたいなものでしたから」

「それだけじゃない。まず黒シャツは少しサイズが小さめだ。するとどうだろう、育ち盛りだが未だ未成熟のちっぱいのラインがよく主張される。あの感じだとまだスポーツブラだろう。これがまたいい。スカートもお尻を突き出すようなポーズだと太腿のギリギリ感と小尻ラインがキュートすぎる。あれは完璧だぞ、完璧……」


 怖ろしいほどに、ああ怖ろしいほどに……。


「あー、じゃあその勢いでもう一人の方もお願いしていいっすか?」

「白ワンピ、袖が無いヤツだな。あれはサイズが若干大きめだが、歳の割にはよく発達した胸が、前かがみになった時の脇の隙間から……小さければ見えるのに、大きいから逆にギリギリ見えないというベリーエクセレントな現象が起こるわけだな。そしてそれは同年の友人が隣に居ることでその差異を見る側に意識させる効果がある。そしてワンピースが胸でちょっと釣り上がってしまっているのもいい。これセッティングしたヤツ絶対天才だぞ。あとは佇まいが……」

「はいあざしたー! さて、十分魅力を解説していただいたところで、次に参りましょう!」

「いや待って! もっと話したいこといっぱいあるの! 白髪の方は動き回る分スカートばっかり注目するけどちっぱいも揺れない事は無いって言うか、むしろちっぱいが揺れるからこそちっぱいのぉー!」

「レクト、ステイです。ステイ」


 リムルやリルンまでもが俺の体を取り押さえ、椅子に縛り上げられた。

 魔力で馬鹿みたいに強化されたロープは、さすがに俺でも破るのに骨が折れる。


「今までリステア意外でここまで熱の入ったレクトを見るのは初めてだぜ」

「女はともかく、娘や女児というのは愛でるものだ。ともすれば愛欲の俺が昂ぶるのは道理。ネコとかと同じだ」

「鳥もかわいいっすよ。さて、気を取り直してエントリーナンバー4! まさか、まさかあの種族から参加者が出ようとは、誰が予想できたであろうか! 新たな強き女の形を目指す若き期待の星、アマゾネスの乙女っす!」


 そうして現れたのは小麦色の肌が特徴のアマゾネスの乙女。

 胸は大きな葉で柏餅のように包まれ、スカートは葉を何枚も重ねて作られている。

 二つの刀剣をもって、優雅に演武を披露すると、小柄な尻と胸が楽しげに揺れる。


 しかし、やはりなんというか、インパクトに欠けるのは否めない。


「ふむ……」

「おいどうしたレクト。さっきの勢いは」

「フェチシアは、豊満で完璧な肉体を見事に魅せた。娼婦館の女も娼婦として歴戦の女であるということを淫靡さでよく示した。ロリコーンの二人は、そも花のように可憐な少女である時点で異質際立った。しかし……」


 いかにアマゾネスが意外にもこの場に登場したとして、今一歩遅れを取ってしまうのは仕方ないといえる。

 なにせアマゾネスというのは強かな生き物だ。男性に奉仕したり、協調したりといった風ではない。

 今こうして色気ではなく武芸を披露していることから、こういう場には不慣れなのが分かる。


「いや、悪くないな」

「今度はレクスっすね。見るべきはどこらへんっすか?」

「んなの決まってるだろ。あいつはアマゾネス、つまりクソ傲慢で武芸に秀でて、自分の力を誇示するのが大好きで、そのための努力は厭わない輩だ。その証拠にあの手足と原を見ろ。余計な肉がほとんどついてないだろ?」


 そう言われて見れば、今までの参加者とは違って体が筋肉質だ。

 腹にはうっすらとシックスパックがあり、腕や足も割と太めだが贅肉はほとんどない筋肉の隆起するフォルムだ。


「よく鍛えてあるな。足腰と背中まできっちり仕込んでやがる。あの堅い体が夜には艶やかに快楽で身悶えするんだ。想像しただけでもう襲いたくなるね」

「へぇ……マニアックっすね」

「それだけじゃねぇ。ああいう奴らは基本的に自分の認めたやつ以外は受け入れねえ。生半可な男なら容赦なくぶった切るから、そこらの猿に持ってかれるってことがねぇからな」


 なるほど、さすがアマゾネスとよく付き合ってるだけあって、なんか分析が細かい。

 にしても、それなら尚更参加理由が分からない。


「クロ、参加理由とか聞いてないの?」

「一応個人情報なんで……コレ次第っすかね?」


 指をマネーっぽい形にしてアピールするクロから目を逸らす。


「連れないっすねぇ……」

「レクス、分かるか?」

「アマゾネスはやることはアレだけど思考は単純脳筋だ。たぶんクッソ金持ちを捕まえてその子種を頂こうって魂胆だろうな」

「チャレンジャーだなぁ」

「くっだらねぇ、女はいらねぇことばっかり考える。金だのなんだの、結局は力でどうにでもなるってのになぁ?」


 こいつが言うと説得力があるな。

 力で飯も金も女も、勇者と言う地位すら手に入れて、強者として生きてきて、強者として貫き続けた結果、こんなところに居るのがレクスと言う男だ。

 ある意味、全男子の憧れの的だろう。夢の体現者とも呼べる。


「気に入った。あの女は俺が貰う」

「一応ルールに沿ってくださいよ。イベント壊されちゃたまらないっすからね」

「金は借りれるんだったな? 出演料ってことでどうだ?」

「……なるほど、脳筋ってわけじゃないんすね。じゃあ相応の仕事をしてもらうっすよ。続いてエントリーナンバー5、淫乱にして妖艶、幸せになれるやべー媚薬で大乱交するやべーサバトとかするやべーヤツ! 皆さん媚薬で御用達、魅了の魔女!」


 魔女。その姿はまさしく魔女。

 深く被ったトンガリ帽子。身を包む漆黒のローブ……。

 未だに一切露出が無いにもかかわらず、観客の目を釘付けにするのは、その胸部だ。

 胸部と表現したのは、それがあまりにも凶悪な兵器として成立しているからだ。


 ローブを大きく押し上げるその代物が曝け出される事を、この場の誰もが期待している。

 ただそれだけの高揚が、サキュバス以上に人々を惹き付け、魅了していることの証明。


「レディース・アンド・ジェントルマン。お待たせしました。魅了の魔女、その本懐をどうぞ、ご堪能くださいませ」


 するりとローブを開き、魅惑の肌色が姿を現す。

 だが、露出したのは肩まで。鎖骨から膨らみ、尖端はうまくローブが引っかかって隠されている。

 しかし現れた谷間の深さと白い山の上部の精神的な破壊力は言うまでもない。

 舞台上で一歩踏み出すごとに、露出した上部がぷるんと揺れる。

 くるりと回って、屈み、這い蹲って舞台の床に胸を置く。

 床の上で潰れ、持ち上げられて形を変化させる様は、乳房という言葉の本来の在り方を示しているかのようだ。


 そして、その瞬間は唐突に訪れた。

 床にローブを置き去りにし、膝立ちの姿勢になった時には、既にその大きすぎる乳房を隠すのは左腕だけだ。

 左腕で最先端を隠しながら、その重さと柔らかさを見せ付ける。

 その上、全体のラインも悪くない。

 胸が大きい分、尻や脚の肉付きも良い。にもかかわらず、腰周りには余るほどの肉はない。


「解説するまでもねぇだろ」

「とんだダークホースだ。優勝持ってかれかねない」

「ちなみに彼女はどの辺りがいいっすか?」

「まず魅せ方が完璧だ。単純に露出狂みたく曝け出すわけではない。露出にこだわりがあるようだな。どれほど完璧な肉体があろうと、ただ晒け出すだけと、こだわり極めつくした一芸は淫魔の魔性、女神の微笑を容易に抜く」


 そして何より、俺は誰もが釘付けになっているだろう胸の話に移る。


「そしてあの胸だ、乳牛じみた、デカさに数値ガン振りしたみたいな乳房。そのくせ全身のバランスは悪くなく、安産型の腰と尻が更に男の情欲を大炎上させるだろう。フェチシアの完全なバランスで出来た美麗の乳や、娼婦のような生々しいものとはまた違った魅力だな」


 とてつもないインパクトであった。

 でもまだ最後が残ってる。最後の参加者は本当に不憫でならない。


「それでは、いよいよ最後の参加者の登場です! 戦場を舞う癒しの女神、死地を刹那の快楽で彩るフェアリーダンス。可愛いだけじゃない強かなストライカー! 慰安司る恐るべき殺傷の毒針が一つ。戦場の踊り子です!」


 華麗なダンスと共に姿を現したのは、ひらひらとした衣装とキラキラとした装飾に彩られた踊り子……というかアイドルだった。


「ハァイ! ファンのみんなー! 今日も私のために集まってくれてありがとー!」


 さっきまでのクロの口上が別の選手へ用意された台本だったのではと思うほどに、印象がまるで異なっていた。

 胸はそこそこ、四肢はそこまですらっとしているわけでもなく、全体的にがっしりとしている。

 ただ顔だけは怖ろしいほどに美人で、目元はくっきりとしていて鼻筋もよい。


「いやまて、あれはもしかして、脂肪ではなくて……」

「ああ、ありゃ筋肉だな。いい鍛え方してる」


 パンパンに張ったふくらはぎと、比べてよくくびれた足首を見るに、あれは余った肉ではない。機能性を持つ筋だ。

 力強くも軽やかなステップ、晴れやかな笑みに流麗な身のこなしにリステアが反応した。


「あれは武芸者の動きです。片手剣……いえ、短剣でしょうか。かなりの腕かと」

「また強者系女子か。強かだな」


 女性は守られるもの、などと言う考え方はとっくの昔に前時代のものに成り果てていた。

 今や女性は共に競い合うライバルか、対等に手を取り合うパートナーか、屈服させあうターゲットなのだ。


「ら~♪ らーらら、ら~♪」

「今度は歌い始めた。アイドルというだけあるな」


 幼さを思わせる透き通った声、滑らかな音階、アイドルというよりはアーティスト寄りのクールなメロディライン。


「良い声ですね、きっと兵士相手に素敵な嬌声を奏でてくれるのでしょう」

「いやいや、綺麗な声だからこそ嬌声は汚いほうが興奮するでしょ」

「綺麗な歌の最中に下ぶっこんでくるのやめてくんない?」


 歌も終わり、これで参加者全員が出揃った。


「さて、ではルールの再確認をするっすよ。自分が一番気に入った女性、まあつまり買いたい女にありったけの値段をつけて投票するだけ! 持ち合わせが無い方のために、マガツクロ金融がご融資するっす。ここに集ったのはミリオンダラーで百億万円な女たち! 人生かけて買う価値は間違いなくあるっすよ。さあ、泣いても笑っても一回限り、万感の思いと性欲を込めて票と金を捻じ込んでくださいっす!」


 投票の時間、俺も選択しなければならない。

 俺のようなリステア大好き人間は一銭も突っ込まずこのまま帰ってもいいのだが、それは面白くない。


 まず保護してやりたいと思ったのはロリコーン教のオセロ姉妹だが、情報によればロリコーン教は布教目的で参加したらしく、確実に買い戻す気でいるらしい。

 見た感じ、確かに金持ちそうな客もいるがそいつがロリコン趣味とは限らない。


 フェチシアは……いいや、あいつはどうなっても自業自得だろう。

 娼婦はまあ職業柄だし、なんか結婚するらしいし俺のところにこられても困る。寝取られもしたくない。

 金目当てのアマゾネスは論外、レクスが買うだろう。戦場の踊り子とかいう慰安アイドルも買われるだろう。


 となると、残るは一人。

 だが魅了の魔女は買い手が多そうだ。あれほど魅せの技量に長けるとなると、ある意味一番高額になりそうな気がする。次点でフェチシア。

 どうせ高額になるのならあの双子姉妹を買っておきたい。


 確かにロリコーンは出資を惜しまないだろうが、万が一ということもある。

 この観客席の中で最も裕福な男が最もロリコンである可能性は拭えない。なにせこんなイベントに参加するやつだ。

 そして何より、この魔境以外、ロリコンに対する風当たりは強い。


 決まりだな。さすがにいたいけな少女二人が一夜とはいえ金で買われるべきじゃない。





「と、いうわけで、集計完了! 焦らさず優勝者を発表します。優勝は魅了の魔女です!おめでとうございます!」

「えっ? あぁ……よ、良かったです」


 どうして反応が微妙だったのかは分からないが、魅了の魔女が優勝、賭場にある金の4割を優勝賞金として獲得する。

 4割といっても、予選からのトップや、最高額以外に賭けられた金は払い戻されないので、総額はとんでもないことになっている。

 六箇所の地区で行われた予選、この場での本戦の最高額以外のチップとトップ者に賭けられたチップ。そのうちの4割を優勝者、2割を優勝者に最高額を賭けた者に、残り4割を運営費としてクロが徴収する。


 人の肉欲と強欲を利用した上手きたないカジノと化している。


 魅了の魔女はどこか落胆した様子で苦笑したまま優勝カップと賞金を受け取る。

 それに対してフェチシアは酷く動揺していた。

 無理もない。自称皇位インプリアルのサキュバスが自ら企画して優勝する自信満々だったのだから。

 思わぬどんでん返しに納得できないというか、理解が追いついてないんだろう。


「く、クロ、ちなみに私は何位なの?」

「えー、フェチシアの順位は3位です」

「3位!? 2位ですらない! レクト! レクトは誰に……」

「あーはいはい、まだ発表の続きありますからねー、ご静粛にお願いしますっす。次はお待ちかねの最高額出資者の発表っす」


 クロが片手ボードのページをめくり、読み上げる。


「フェチシア選手、最高額8800万、買い手はリルンさん!」

「えっ、なんで」

「いやぁ、娼婦館からNo.1が引退するんで、サキュバスを一日講師として雇いたいと思いましてね」

「なんてこと……まあいいわ。付き合ってあげる。あとレクト覚悟しておいて」

「俺は別に何も悪くないだろ」


 逆恨みも甚だしい。俺がフェチシアに百億万円突っ込むとでも思ったのか。

 相変わらずどういう考え方してるのか分からないな。サキュバスだから理性吹っ飛んでるのか。


「続いて娼婦さん。最高額1億4000万。買い手は……っと、この方は公表は拒否してますね。とにかくおめでとうございますっす」


 名前は絶対に公にされるわけではないのか。変なところが良心的だな。


「続きましてオセロ双子。こちらは頭おかしいくらい高額出資する人が何人かいましたね。出資額は出場者の中でダントツです。ですが……まあいっか。ロリコーンの教徒とレクト、両者同じく1兆ジャストっす。全部で2兆と少しっすね」


 とりあえずこれで安心だろうとポンと出してみたが、まさか匹敵するとは。

 恐るべしロリコーン。あとで挨拶に行こう。

 オセロの黒シャツのほうが無邪気に手を振ってくれたので、こちらも返しておく。


「同額ってことでシェアってことでいいと思うっす。っていうか番長……」

「そうじゃなかったらリムルの相手なんかしてない」

「ひどっ!」

「次はアマゾネス、最高出資者はレクスさんっす。5000万……ぐぬぬ」


 ほとんどクロが払うことになってるから面白い。

 まあ、手取りを考えれば微々たる額の筈なのだが。


「もう二度とゲストとしては招かないっす」

「結局金ではなく力だということを、骨身に沁みさせてやる。楽しみだ」


 レクスは本当にサディストというか、蹂躙や陵辱大好きだな。俺には分からん。


「お待ちかね、魅了の魔女。買い手は……なんとクリスティアさんです。500億」

「はっ?」


 思わず横に座るリステアを凝視する。

 しかしリステアは落ち着いた様子。


「そういえば魔王になった時のお祝いをしていないと思ったので、ささやかな贈り物ですが」

「躊躇無く女を買ってその上それを献上する……元聖女とは思えない悪魔らしさを手に入れてしまったな」


 では最後のアイドルは一体誰が手に入れたんだろう。

 と思ったところにクロが続きを語る。


「えー、慰安アイドルさんは500万。ファンの団体さんですね。少ない資金をかき集めたところに愛と情熱を感じますね。これで本大会は以上となります。おつかれっしたー」


 最後は呆気なく、余韻もくそもない終わり方だったが、悪魔はもう既に次の娯楽のことを考えているものだ。

 さて、祭りの後に後の祭状態の奴等がたくさんいることだろう。


「ちょっと見物して回るか」

「おっ、気があったな。じゃあ行くか!」

「レクト、私は件の贈り物と話をしてきます」

「ん、気をつけて」


 乗り気なリムルと共にリステアと別れ、歓喜と嗚咽に塗れた会場跡を歩き回ることにした。

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