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久しぶりのデート

今日は妊婦検診。元気に育ってるんだって。でも、ママはパパと喧嘩中・・・。先日のスキャンダルのせいだ。サムは誤解だと言う。私もそれを信じてあげたいけれど時期が悪すぎる。いらいらいらいらいらいら・・・。


私『しばらくお酒も控えて。』


佐村『だから、俺はシラフだったんだよ。』


私『シラフで番号を教えたの・・・?』


佐村『それも何回言わせるんだよ!!』


私『家で電話の電源を切ってるのは、私への気遣いじゃなくて、相手への気遣いでしょ!!』


佐村『相手って誰だよ!!電源を切ってるのはお前への気遣いだって!!』


私『私への気遣いなら、今すぐ電源を入れて、かかってきた電話に堂々と私がいる部屋で話して見せてよ!!』


佐村『これは俺の携帯だ。お前のものじゃない。俺にもプライバシーくらいある。』


私『夫婦であっても・・・?』


佐村『お前だって、俺に隠し事くらいしてるだろ。』


私『・・・。』


隠し事・・・一応、へそくりみたいなことは今年の春からしてるけど、それは育児費用のためだ。公子がとにかく育児はお金がかかると教えてくれたから。ミュージシャンなんて不安定な職業だし。でも、そんな主張をしたらプライドが傷ついちゃうだろうからサムには隠してる。


佐村『図星だろ。』


私『・・・酎ハイ飲んじゃった。』


佐村『俺は番号を教えちゃっただけだ。』


私『可愛く言わないでよ・・・ちょっとお腹触ってみて。』


佐村『・・・そういえば妊娠してからお前のお腹に触れてもいなかったな。』


私『壊してしまいそうで怖かったんでしょ?優しく触ってくれたら大丈夫だよ。』


佐村『・・・。』


私『・・・今日、検診に行ったら元気に育ってるって言われたの。お腹もまだまだ大きくなるんだって。だから、時間がある時に服を買って欲しいんだけど・・・。』


佐村『服?妊婦さんが着てるやつか?別に麻里や柳田と・・・。』


私『はあ・・・。』


佐村『わかった、わかった。明日、ショップに行こう。』


私『ありがとう。』


1日中、一緒にいたら電話がかかってくることもあるだろう。別れたいわけじゃない・・・真実を知りたいだけ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私『ねぇ、どんな色がいい?』


佐村『い、色・・・?そりゃ、お前の好きな色で・・・。』


私『どっちがいいか聞いてるんでしょ!!』


佐村『え、えーっと・・・右?』


私『え、こっち?・・・こっちは?』


佐村『(そっちって言って欲しいなら、最初から聞くなよ・・・。)』


私『あ、あっちの服、カジュアルでいいじゃない。』


佐村『(高っ!?)』


私『ねぇ、これと、あっちの、どっちがいいと思う?』


佐村『こ、これの方がシンプルでいいんじゃないか?』


私『・・・よし、決めた!!これにしよう!!』


佐村『ふぅ・・・。』


私『どうかしたの?』


佐村『い、いや!?か、可愛いじゃないか、それ。』


私『・・・次は下着なんだけど。』


佐村『えっ、下着も特別なもの買うのか?』


私『普段の下着だと窮屈になるんだって。』


佐村『そうか・・・選んでこいよ。』


私『サムも選んで。』


佐村『い、いや、俺は男だし下着を選ぶなんて恥ずかしくて出来ないって。』


プルルルル・・・プルルルル・・・


サムの携帯が鳴り始めた。さあ、私の目の前で・・・


ピッ


私『・・・もしかして、切った?』


佐村『さあ、下着を選びにいこう。』


私『・・・。』


佐村『どうした?』


私『約束が違うじゃない。』


佐村『俺は約束なんかしていない。』


私『そう・・・なら、いいよ。下着は今度1人で買いに行くから。』


また、誤魔化された。頭の良い人が携帯電話なんて発明しなければ、こんな気持ちにはならなかったはずなのに・・・こうなったら盗み見でもしようか・・・。


佐村『ほら。』


私『ありがとう。・・・これからどうする?』


佐村『そうだな・・・スタジオに行っても、煙たいだろうし、もう帰るか?』


私『久しぶりのデートなんだから、もうちょっと遊ぼうよ。』


久しぶりのデート。産後はデートなんてなくなるだろうから、この際、写真のことは忘れよう。

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