十三話 北伐行3
ベリアル「いつもありがとうございます・・・みんな元気だったかな?ヘボ作者が遅筆なせいで1ヵ月一寸開いちゃったけど・・・大丈夫かな?大丈夫だよね?で、今回は北伐行の3回目・・・あまりネタバレになる様な事は言えないけど、そこは賢明な読者のみんななら察してくれるよね?・・・というか察して下さい(土下座)」
リル「ベリアル。今回はどんな話し?」
ベリアル「ネタバレNGって言ってるそばから・・・」
リル「そ、そうよね。話し変わるけど、今年はちゃんと秋は有るのかしらね」
ベリアル「どうかな?去年みたいに、彼岸が長くなる感じはするけど、去年と違う所は、9月に変わる前後に日本の東を北上した台風15号に前線が引っ張られた影響で、ガラッと季節が変わった感じはするけどねぇ、偏西風の蛇行の可能性も有るから、一概には言えないねぇ」
リル「そうなの。ところで、ベリアルはどう予測してるの?」
ベリアル「ボク?んー。去年と同じ様な感じ・・・とは行かないかな。やっぱりネックは偏西風の蛇行だよね。現在進行形で蛇行しているか、今後発生するか、はたまた蛇行は起きないか、現時点では全く予測付かないからね。今言える事は、今年もお彼岸は長そうだぞって事位かな?」
リル「ちなみに、何時位まで暑そう?」
ベリアル「10月半ば・・・はいくらなんでも無い・・・とは言え無いんだよな・・・去年と同じでファイナルアンサーで」
リル「それ位までは覚悟しとけって事かぁ」
ベリアル「そう言う事。ではでは、本編をどうぞ」
王国暦349年6月11日 ザールラント市立総合病院 201号室
「リル。目が覚めたかい?」
「ああ・・・ルシフェル。わたし倒れたのね」
あたしは昨日、屋敷の執務室で貧血で倒れたらしく、その上、ルシフェルは都合悪く不在なので、急遽この病院まで救急搬送された。
「そうだよ。たまには休みな・・・ホントあまりヒヤッとさせんでくれ」
「ゴメンねルシフェル」
「まぁ、メアラのヤツも・・・」
ガチャ
「私がどうかして?ルシフェル」
「あっ!メアラ。あんた、リルはあたしらと違うんだからもうちょっと気遣え」
「ハイハイ悪うございました・・・リル様。お加減はどうですか?」
「大事な時に居ないヤブ医者も居るけど大丈夫かしらね」
「リル。ヤブ医者って・・・ちょっと手厳しく無い?」
「仕事・・・という事を差し引いても、わたしが倒れる前に到着している筈でしょ?」
「まぁ、本当ならそうなんだが、視察中に急患が搬送されて来てな、その対応をして遅れた・・・その・・・すまない」
「いいわよルシフェル。今こうやって居てくれるんだし」
「まぁ、ただの貧血で、ほかに異常は見られないから明日には退院出来るな」
「・・・それより、食事はどうにかならないの?怪我で入院している患者と、病気で入院している患者と、同じメニューってどういう事よ。予算の問題もあるから、患者の状態に合わせてなどと、無茶苦茶な事は言わないから、それ位は分けてよ」
「ああ、それはあたしも思っているんだが、サラ嬢が首を縦に振らなくてな・・・」
「それは当然、患者の食事を細分化しろ。などと無茶苦茶な事に首を縦に振る訳ありませんよ・・・必要な事かも知れませんが」
「尤も、わたしがサラでもそんな案は「ふざけんな!こんなん通るかぁ!」ってビリビリに破り捨ててるわよ。サラを説得するならガンガン妥協しないとね」
「あたし苦手なんだよなぁサラ嬢って」
「それにしても良いお天気ねぇ」
「そうですねリル様」
そう言えばあの日も、今日と同じ位朝から雲ひとつ無い青空が広がっていたと思う。
思うと思ったのは、その日の朝食を鶏肉とレンズ豆のスープでパンを流し込んだの辺りまでしか明確な記憶が無いからだ。
王国暦324年 6月11日 イザルラント州マフダナ平原 ザルヘルバ軍簡易指令部
「いいお天気ね」
「誤魔化しが効かなくなるけどね」
「ところで、準備の方はどうかしら?」
「順調だよ。後はリルがメニヒダに乗って攻撃するだけかな?」
「え?作戦は?」
「いや、一昨日士官用の講習会で、機動戦術のドクトリンをやったでしょ?」
「やったけど、わたしとクーベル中佐しか居なかったじゃない」
「ああ、左官以上の士官が居なかったもんね」
そう、我が軍は、現在進行形で士官不足なのだ。
本来なら、このラナバルラント方面軍も左官以上の士官が10人位は居てもおかしく無いのだけど、あたしとベリアルを除いて4人しか左官以上の士官が居ないし、軍全体からしても、左官以上の士官は20人も居ないわ。
尉官は100人を超えるけど、昇進人事はバルに任せちゃってるし、結局、それだけの実績が無いと昇進出来ないので、あと2、3年は士官不足な見込みらしい。
尤も、これからの戦闘如何に於いては、早まる可能性は有る。
ただ、ラゼリアに士官学校が在るお陰で、尉官には困らない。
「え?楓ちゃんは?」
「リル。楓は少佐と言っても諜報部の将校だから、こっちに絡めないんだよ」
・・・そうよねぇ。
楓ちゃんは、あたしの我が儘で搭乗して貰ってるけど、本来なら、軍政局側に潜入して情報収集などを熟して貰ってる訳だから、あまり無理には言えないわね。
「でも、わたしの乗るメニヒダに72mm榴弾砲を装填手兼通信手よ」
「そうだった。リルのメニヒダに楓も乗るんだったね・・・というか、あの弾自動装填じゃないの?」
「楓ちゃんはあの弾持てるわよ」
「うへー。あれ持てちゃうんだ。楓ちゃんは怒らせない様にしないとな・・・」
そう、あたしが搭乗するメニヒダだけ、指揮車という事で、色々チューニングされている。
それで、正式配備が進んでいるメニヒダは
正式名称 324年式自走高角砲(通称メニヒダ改)
種別 自走砲
武装 主砲・・53mm高角砲L34(50発)
副武装・1/10デルセル機関砲(300発)
8mm機銃(4,000発)
装甲 前面・・27mm
側面・・20mm
背面・・16mm
動力 名称 324年上半期式ディーゼル
出力 651kw
速度 48千セル/刻(路上)
行動距離 288千セル
このメニヒダ改は、試作機と違い、主砲が高射砲扱いだと言う事だ。
主砲の53mm高角砲L34は、その名の通り対空砲としての役割もある。
しかし、現時点では、飛行機は存在せず、専ら自走砲としての役割しかないので、種別は自走砲となっている。
スペック的には、高射砲として運用した場合、最大射程高度は27,000フィート(設計上)有り、自走砲として運用した場合の射程距離は凡そ2,450セル(設計上)有る。
尤も、今回は近接戦闘になる可能性が高いのでその出番は無いが・・・
それで、こっちがあたしが搭乗するメニヒダのスペックだ。
正式名称 324年式自走高角砲(通称メニヒダ改)リル仕様
種別 自走砲
武装 主砲・・72mm高角砲L21(34発)
副武装・1/10デルセル機関砲(300発)
8mm機銃(3,700発)
装甲 前面・・32mm
側面・・24mm
背面・・18mm
動力 名称 324年上半期式ディーゼル
出力 651kw
速度 40千セル/刻(路上)
行動距離 241千セル
現在、自動装填システムは開発中で、メニヒダの砲弾は全ての車両が手動で装填する事になっているので、装填手はある程度の力量が要求される。
通常版の方の砲弾は、あたしでも何とか装填出来るけど、あたし仕様のメニヒダは一発20kg近く有るので、普通の女性なら無理なレベルの重量が有るけど、楓ちゃんは意図も軽々持ち上げ装填出来る。
・・・あたしより細いのに、どこにそんな力が有るのか・・・う、羨ましくないんだからね。
あたしは胸だってE位は有るんだから、羨ましくないんだからね。
大事だから二度言ったわよ。
おっと、話が逸れたわね。
まぁ、主砲の砲弾は手動で装填すると言っても、機銃が有るし、戦車どころか自動車が在るのはウチだけだから、主砲の出番は殆ど無いのだけどね。
「そうよ。あの華奢な体躯で、あの砲弾を持てるのよ」
ちなみに、ノーマル版のメニヒダは、空薬莢の排出は手動だが、砲弾の装填は自動である。
「いよいよ明日だね。だからしっかり寝といてよリル」
「わかってるわよ」
明日、作戦決行
リル「ここまでありがとうございます。誤字脱字などございましたら、お気軽に感想欄までお願いします・・・ああ、終わらなかったわね」
ベリアル「ヘボ作者だからね。この話しだって、前半分を書くまでは、一寸書いただけで止まっちやってたもん」
リル「言うに事欠いて、貧血で救急搬送とか恥ずかし過ぎる」
ベリアル「でも、あの時点では女帝エカテリーナならぬ、女帝リルーエットじゃん。だから、只の貧血とはいえ救急搬送されたんだよ。帝国13億8千万のザルヘルバ帝国の女帝なんだから、当たり前と言えば当たり前の処置だよ。そんなに恥ずかしなら、しっかりと休む事。サレルノ養生訓でも、『快活な心、休息、腹八分に医者要らず』って言うし、324年時点でも、ちゃんと寝て無いでしょ?リルが倒れたらみんな困るんだから、ちゃんと寝てね。ヘボ作者みたいに、睡眠時間が5時間とか止めてよね」
リル「わかったわ。確か7時間位が良いのだっけ?」
ベリアル「ウン。欲を言えば、昼間15分位仮眠をとると、夜の睡眠の質が上がるよ」
リル「という事は30分とか長くなると逆効果って事かしら?」
ベリアル「そう言う事。あ、仮眠する前にコーヒーを飲むと良いらしいよ」
リル「わかったわ。じゃあ今日から実行しようかしらね」
ベリアル「えー!!明日の攻撃開始時刻は二つ刻半だよ」
リル「・・・しばらく無理ね」
ベリアル「・・・そ、それでは、今後とも、辺境領リネルメ興隆記をよろしくお願いします」
リル「よろしくネ」




