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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
七章 大戦勃発 ~ザルバル戦役~
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十二話 北伐行2

ベリアル「いつもありがとうございます。前回の更新から1ヵ月以上開いてしまった事を深くお詫び致します・・・ってセフェラ聞いてる?もう一寸早く投稿できないの?・・・って居ないし、さっきまでそこに居たのに・・・」


ガチャ


リル「セフェラ居る?」


ベリアル「エスケープしたよ」


リル「前にも似た展開が・・・という事は誰か来てるの?」


ベリアル「今回は誰も来てないよ」


リル「そう」


ベリアル「リル。明らかにホッとしたよね?」


リル「そりゃベルゼブルさん位の美人さんと一緒だと、妙な緊張がするのよね・・・って何自分を指差ししてるのよ」


ベリアル「いや、ボクも美人さんでしょ?」


リル「・・・貴女との付き合いてそれは無いわねぇ」


ベリアル「・・・まぁ分かってたよ」


リル「話し変わるけど、今回はどんな話し?」


ベリアル「北伐行の2話目だよ・・・ネタバレ無しでね」


リル「・・・それではどうぞ」


ベリアル「あっ、それボクの台詞」













5月13日 イザルラント州マフダナ平原 ザルヘルバ軍簡易指令部


「・・・・・・軍政局軍は、川を挟んでここからこの辺り迄陣地を構築していますので、第二第三砲兵師団は、この北の丘陵地に陣取って貰って、対岸の軍政局陣地に向かって三つ刻半から四半刻程砲撃する様伝えてください。あと・・・・・・」


 今、ベリアルがマフダナ平原とその周辺図を指して各師団の運用の指示を出していた。

 ウン。どこで覚えたか知りたい位、その指示が的確なのよね。

 まぁ、それが分かるあたしもアレだけど・・・


「・・・・・・それから、メニヒダ小隊は、その機動力を生かして背後に・・・」


「ドンカスター殿。それは難しいのではないのかしら?」


「んー、目測でも20万から居る大軍ですから、いくら装備の面で圧倒的優位にあるとは言え、現時点でここの戦力が歩兵5個師団、騎兵1個旅団、砲兵4個師団の、計10万に満たない軍団の消耗を抑えながらこの陣地を突破するには、メニヒダ小隊で敵後方を撹乱するしかないのですよ。明後日の決行迄には更に15台メニヒダが鉄道輸送に因り到着しますので、かろうじて中隊規模になりますし、到着予定のメニヒダは主砲が52mm高角砲L34に強化された事に加え、8mm機関銃を常備として、装甲も全面5mm厚くしましたから、問題無く撹乱できます・・・いやして下さい」


 んー、ベリアルが早期終結を算段するのも分かるのよね。

 先日、ラナバルラント国隣国のタラベア王国から、軍政局側に味方する様な形で宣戦布告文書が届いたんですもの。

 事前の調査では、総人口は1億数千万、兵力は最低歩兵800万の騎兵が150万も存在する事が判っていて、全軍がという事を話し半分に見ても、500万近い兵がマスケットの配備を終わらせているタラベア王国は、このガルダフェリナに於いては所謂【大国】って事になる訳ね。


 ともすれば、これは軍政局との戦闘が長期化処か泥沼化する可能性が出て来た。

 その上、軍政局軍としては未だ歩兵が2~300万、騎兵は20万は居るのに、こちらは、装備の面で400年程進んでいるとは言え、投入出来る限界は10分の1にも満たない。

 高々メニヒダが数十台増えたからと言って、この先の見えない戦局が直ぐに好転するとは思えない。

 急いてはと言うし、ここは言っておくかな。


「ドンカスター殿。いくらタラベアから宣戦布告があったとは言え・・・寧ろあったから、性急過ぎる作戦は、軍を危うくしかねないわよ」


「えっ!いいの?」


「業腹だけどね。向こうには大規模な援軍が有るのに変えて、こちらは東の共産メゼリエと戦争中であるし、エルベリアの周辺国に友好国が無い以上、それに備える為に幾らか兵力を割かなければならず、こちらに回せる兵力は自ずと決まってくるわ。タラベア王国が参戦を表明した時点で、この戦争が長期化するのが確定的になったのだから、その為の政策の転換が必要よ」


「明後日のは?」


「中止に決まってるでしょ。作戦は練り直してちょうだい」


「分かったよ」


「・・・あのー、少佐殿?」


 あたしとベリアルの話しが終わった頃合いを見計らって、作戦会議に出席していた将校から声を掛けられて、我にかえって見回すと、ほかの将校はドン引きしていた。

 あたしとベリアルは、お互いを見て苦笑する。

 どうやら知らぬ内にベリアルといつも通りに話してた。


「(ああ、どうしようかリル)」


「(もう少し満喫したかったわね)」


「(満喫してたんかい!・・・兎に角、このままじゃ収拾つかないから全部バラすよ)」


 その後、あたしとベリアルの素性をバラすと、更にドン引かれたのは言うまでもない。







『何だよお嬢。折角骨折ったのにもうバレたんかよ』


「仕方ないじゃない・・・それよりどうするの?」


『どうするも何もお嬢は女王陛下な訳だし、お嬢が総司令官になるのは必然的だろ・・・そうそう、メアラからだけど、タラベア王国からの宣戦布告を受諾した事に因り、総動員令を発布したぞ。それに伴い、新たに歩兵を50個師団編成する事になった』


「総動員かぁ・・・確かにそうでもしないとじり貧ね。バル。いまのところ戦車と呼べる代物はメニヒダだけだから生産を急がせなさい。軽戦車程度には相当するでしょ?」


『いや、装甲はまだまだ薄く種別は確かに軽自走砲だが、スペック的には主砲が52mm高角砲に変更したから中戦車並にはあるぞ』


「そうなの?・・・兎に角、日産の目標は50台としてちょうだい」


『ハァ?50台?無理だろ』


 まぁ、先日メニヒダの生産を日産1台としたばかりだから、直ぐには無理なのは分かるけど、軍政局軍の背後には、ザルヘルバの10倍以上動員できるタラベア王国が居るのだから、実現できないと早晩負けるわよ。

 これでも最低限の生産目標なんだから、あたし的には日産80台はもっていきたい所なのよ。


「・・・メアラ居るんでしょ?」


『・・・・・・敵いませんねお嬢様には。それで、メニヒダ増産の件ですが・・・』


「戦時国債を500億ズゼ(約1兆円)追加で発行して、それを生産工場の建設等に充てなさい」


『500億ズゼですか・・・引き受け手は居るのですか?』


「わたしが1億、グループ企業で400億引き受けるから、残りは財界に引き取らせなさい」


『承知致しました。財界の説得にはサラを当てます。そうなりましても、現状では、歩兵銃や野戦砲の生産も増やさないといけませんので、メニヒダの生産は日産20台が限界です』


「・・・仕方ないわね。それで妥協するわ。だけど、タラベアが参戦した以上かの国が動員を掛けない訳無いわ。だから早急に実現してちょうだい」


『承知致しました。出来ないといくら装備の面で圧倒していても、数に勝るあちらに押し負けてしまいますね』


「後、トラックの生産も増やしなさい」


『・・・歩兵の自動車化ですか』


「そうよ。まぁインフラの整備も急がないとならないけどね・・・そうそう、新規の工場の一部はこのラナバルラントに建設しなさい」


『確かに現地調達が可能になれば、兵站や増産の問題もいくらか改善されますね』


「あと、ラナバルラントにも動員を掛ける様通達してちょうだい」


『承知致しました。旧式武器のレンドリースも急がせます。あと、こちらからは、ゴール共和国から140mm野戦砲のライセンスの申請が有りましたがいかがなさいますか?』


「許可する事と、工作機械等不要な物が有れば格安で提供して」


『・・・・・・北部国境を警戒する様、あちらには申し伝えておきます』


 ゴール共和国の北にはトゥベル王国という国が在り、どうやらタラベア王国と仲が良いらしく、国土は広くても国力的には大したことは無いが、タラベア王国軍の一部がこちらから来られたら厄介ね。

 塹壕陣地くらいは構築する必要があるわ。


「・・・鉄道は?」


『ようやく共和国の首都に伸びたばかりで、しかも半分が単線です・・・あちらに土木技術者を派遣しておきます。ときに、ベリアルはそちらに居られますか?』


「ん?居るわよ」


『でしたら、停戦するにしろ講和するにしろ、交渉事は問題無いですね』


「こちらからは行かないわよ」


『当然ですね。以上でよろしければ、こちらで進めて置きます』


「お願いするわね」









リル「ここまでありがとうございます。誤字・脱字などございましたら気軽に感想欄にでも言付け下さい・・・ああ、終わらなかったわね」


ベリアル「まぁ、そこはヘボ作者だし察してよ」


リル「という事は次話は戦闘パート?」


ベリアル「んにゃ。セフェラからは何も聞いてないよ」


リル「・・・あ・い・つ・は(怒)見付け次第懲罰ね」


ベリアル「右手だけは勘弁してあげてね」




ベリアル「それでは皆様、今後とも辺境領リネルメ興隆記をよろしくお願いいたします」


リル「よろしくネ」



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