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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
七章 大戦勃発 ~ザルバル戦役~
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五話 傀儡政権を立てました

ベリアル「いつもありがとうございます。あぁ、2ヵ月チョイ開いちゃったねぇ」


リル「そうよねぇ」


ベリアル「たまに短いスパンで更新すると、メタな感想が上がるけど、それでやられる程ヘボ作者は柔じゃないから」


リル「ぶっちゃけ、ガチで非才なのが度々更新が滞る原因だもんね」


ベリアル「今回も会談の描写を細かく書こうとして頑張るという無駄な事してたし」


リル「断念するなら断念するでもっと早く決断してくれれば、12月に更新出来たかも知れないのに・・・」


ベリアル「さてさて、近頃は季節柄寒い日が続くけど、先日は立春もまだなのに、春一番的な風が吹いてしまったし」


リル「そうねぇ、気温はまだまだ乱高下しそうだし・・・因みに、この寒さの原因は偏西風の蛇行に有るらしいわね」


ベリアル「・・・偏西風の蛇行かぁ。今年に限らず近年、毎年の様に取り沙汰されるのに、失念してたねぇ」


リル「という事は、去年のあのいつまでも続くかと思われる暑さも偏西風の蛇行が原因?」


ベリアル「まぁ、可能性は高いね。普通の年ならそこにあるべき()。この場合は大陸性の高気圧が運んで来る秋の空気だけど、それが、偏西風の蛇行に因り、その大陸性高気圧自体が来なくなったとすると、いつまでも帰らない太平洋高気圧の説明もつけ易く、6、7月のあの台風ラッシュも辻褄が合う」


リル「今年もこんな感じなのかしらね?」


ベリアル「この偏西風の蛇行が温暖化が原因としているなら、今年は更にわやくちゃな事になるよね。6月に東京で雪が降りましたとか」


リル「12月に札幌で夏日を記録するとか」


ベリアル「一見極端な例えだけど」


リル「可能性が0じゃない所が恐いわねぇ」


ベリアル「そうなんだよね・・・おっとい()けない()脱線し()過ぎたね()


リル「アハハ(汗)・・・それでは本編をどうぞ」







王国暦322年 7月12日 四つ刻(凡そ午前8時)頃 ガレッゼレル市内 レゲル宮会議室


 あの後、夕方にはラナバルラント政府軍・・・もといラナバルラント軍政局軍は、ガレッゼレル市外に敗走し、7日の内に主だった戦闘は終了した。

 その後、軍政局軍が失陥したガレッゼレル市を奪還しに来る事は無く、今に至っている。

 どうやらラナバルラント北部の軍政局の影響地域に、沙漠を東から迂回して移動した様だ。


 ラナバルラント北部は、中核州であるタメル州、バッラセ州、イザルラント州の3州から成り、人口はラナバルラントの約半数の凡そ3,800万人住んでいる為に、この北部3州を押さえない事には、ラナバルラントとの戦争が終結したとは言えない。




「ラセル。レジスタンス側との交渉は何時(いつ)頃になるかしら?」


「本日、六つ刻からの昼食会として場を調えています・・・ただ、大筋は昨日の内にあちらの代表者と話し合って合意してありますので、今回の昼食会は陛下と、あちらとの顔合わせの意味合いが強いですね。調印式は明日五つ刻を予定しております」


「・・・根回ししているとは言え、随分纏まるのが早いわね」


「軍政局軍は未だ健在ですからね。巧遅より拙速と言いますし、取り急ぎ纏めました」


 ・・・メアラの親友であるだけに、ラセルの能力も半端無いわねぇ。

 普通、こう言う事を合意に至らせるまでには、何ヵ月も掛かる物だと認識していたけど、この分なら来月には軍政局軍へ侵攻が出来そうね。

 メアラは今、エルベリアで鉱物資源の調査開発(・・・確かディベロップメントだったかしら?)をしていて、いつ位に目処が立つかは分からないから、充てに出来ないのは痛いけど仕方ないわね。







7月13日 五つ刻(凡そ午前10時)頃 ガレッゼレル市内 リゼレ宮謁見の間


 そこは、小学校の体育館位の広さが有り、壁面には精密な彫刻が彫られていて、ラナバルラントの工芸技術の高さが窺える。

 通常なら、最奥真ん中に玉座が有り、入口からそこまで赤い敷物が敷かれているだけなのだが、今回は、その丁度真ん中に長い机と、左右七脚ずつ椅子が置かれている。

 右側の一番上座にラナバルラント国王であるナバテヨ三世が座り、その次に件のレジスタンスの首謀者であるエミル・ハーバス以下その腹心が座る。

 変わって左側はあたしの陣営で、一番上座には当然あたしがすわり、二番目はラセル、三番目は迷ったけどあたしに仕えている年月と階級の高さからタレザが座り、四番目がバルストックが座る・・・・・・・・・あれ?あと6つ席が有るのに、この会談に参加出来る程の地位若しくは能力を持った人材が、こちらには居ないわね。

 と思っていたら、俄に外が騒がしくなりだし、その刹那、入口の扉が勢い良く開く・・・片側3セル(約6m)×1セル(約2m)位の大きさで、尚且つ、扉の厚さが0.5デルセル(約10cm)位有る結構重たく2、3人で開け閉めする扉なのに、それが勢い良く開いたのだ。

 そんな扉、どうやって取り付けたかは今は考えない事にして、入って来た人物とは、ベリアルとティアだった。


「時間に遅れまして申し訳ありません」


 そう一言ベリアルは言うと、あたしの所に来る。


「昨日の昼にラセルから連絡を貰って、急いでティアに送って貰ったよ」


 そうベリアルは小声であたしに話す・・・えっ?昨日?ティアは後で労ってあげないと。


「さてさて、リネルメ陛下、そちらのお二方はどちら様かな?」


「はい、小柄な者が我が国の外交を取り仕切っておりますベリアル=ラズテュールと申す者で、こちらのドラゴニアの女性はハーゲティア=ディルハリアと申します」


「ディルハリア・・・ディルハリア帝国縁の者か」


「左様にございますわ。ですが帝国と我が国とは国交はその距離故にありません」


「承知した。それでは料理長が腕によりを掛けた料理が冷めないうちに召し上がって欲しい」


 昼食会は無事終わり、翌日の調印式も滞りなく終わった。





・ラナバルラント王国は解体され、新たにラナバルラント国とし、元首はそのままナバテヨ三世が務め、政府首班はエミル=ハーバスが務める事とする。


・ラナバルラント国の主権は国民とする。


・ラナバルラント国はザルヘルバ王国を宗主国とし、その連邦に加盟する事とする。


・ラナバルラント国はザルヘルバ王国に対して戦時賠償として、バテルク州、ロブロイ州、ラゲヤル州とドレフェイケ州のミヘーゼ沙漠とその周辺、並びに戦時中ザルヘルバ王国軍が敷設した鉄道路線とその周辺を割譲する事と、ラナバルラント国内全ての鉱山(未発見の物も含む)を50年租借させる事とし、賠償金については前述を以てそれと成し、ザルヘルバ王国は別途要求しないものとする。


・ラナバルラント国は国軍の近代化を図る為に、統帥権をザルヘルバ王国に一時譲渡するものとする。


・ラナバルラント国とザルヘルバ王国は相互に大使館を開設するものとする。


・ラナバルラント国は諸外国と外交交渉する場合は、ザルヘルバ王国の許可を取るものとする。




 以上は、今回締結されたガレッゼレル条約を一部抜粋した物だ。

 条約にあるラナバルラントから割譲させたバテルク州、ロブロイ州、ラゲヤル州の三州はザルヘルバ王国に隣接地であり、エルベリアに向かうには重要な州だ。

 賠償金を要求しなかったのは、ラナバルラントに優良な鉱山が結構在り、割譲させた沙漠の下にも石油が埋蔵されている事が、バルストックが当該地に鉄道を敷設している際に分かった為、賠償金を獲らなくても十分今回の戦費はペイ出来ると判断した為だ。

 軍事と外交は事実上取り上げられた感じになり、内政に関しても条約には直接的間接的な条文は載っていないが、今後流入する

ザルヘルバの途方も無い資本に因りラナバルラントの経済は牛耳られる事になるだろう。



 以上、この条約に因りラナバルラントはザルヘルバの傀儡国となった。




ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字などありましたらよろしくお願いします。さてラナバルラントに傀儡政権が出来、ザルヘルバの事実上の属国になったね」


リル「ん?なんで併合しなかったの?」


ベリアル「やっぱりお金の問題かな?」


リル「お金?」


ベリアル「うん。リル。戦時国債を発行したよね?その総額覚えてる?」


リル「えーと・・・」


ベリアル「100億ズゼ(約2,000億円)(※ 三話 ザルバル戦役を参照)だよ。ヘボ作者は仕方ないとしても、リルはアレを反面教師にしないとダメだよ。で、そこから更にサラがまだ手を着けて無い予算を削りまくって60億ズゼを捻出して戦費に充てた上に、まだ軍政局の勢力圏が残ってる」


リル「ああ、ラナバルラントに回せるお金が無いわねぇ」


ベリアル「そう言う事。メアラがディベロッパーとしてエルベリアにディベロップメントしに行っているのが終わって戻って来ないと話にならないよ」


リル「共産メゼリエの事もあるし、併合なんて出来っこ無いわねぇ」


ベリアル「さっきメアラと無線で話したけど、是非もなしって言ってたからね」


リル「ああ・・・ところで次話は?」


ベリアル「その、エルベリアにディベロップメントしに行っているメアラの話しだよ」


リル「結構資源が豊富らしいけど」


ベリアル「そうらしいね・・・おっと、これ以上はネタバレになるから差し控えるね」


リル「それでは、今後とも辺境領リネルメ興隆記をよろしくお願いします」


ベリアル「またね」






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