表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
七章 大戦勃発 ~ザルバル戦役~
85/101

閑話 エミル・ハーハ2

ベリアル「いつもありがとうございます・・・えー、この紙の内容言うの?」


リル「どうしたって言うのよ」


ベリアル「しょっちゅう見舞いでもぅえ尽きます」


リル、ベリアル「「・・・無いわ」」


リル「さすがのあたしもドン引きよ」


ベリアル「兎に角、残暑厳しく、関東近海では、太平洋のいつもの場所に在るべき物が無いので、台風発生しまくりでエライ事になっています今日この頃、如何お過ごしでしょうか?」


リル「勢力的には大したことは無いけど、雨が凄い事になるわよね」


ベリアル「北海道道東では季節外れの豪雨に四苦八苦。関東は明日からの(16'8/21現在)台風9号の襲来に戦々恐々ですねぇ」


リル「さすがに明日は仕事無いわよね」


ベリアル「どうかなぁ?台風被害の復旧に駆り出されるって事もあり得ない話しじゃないよ」


リル「10号は南へ逐電して捲土重来、関東を目指すとか悪夢でしかないわよね」


ベリアル「さてさて、本編ですが今回はお休みで、ハーハ氏の閑話になります」


リル「それではどうぞ」









民政局の局員になって数年経つと、局長からお声が掛かる。


「ハーバス君。君はお国の為に熱心に頑張っている様だね」


「畏れ入ります」

「何々。叱責している訳ではないのだよ。君のお蔭で税収が増えているから、戦果の上がらぬ軍政局のやつらにデカイ顔が出来て気分がいいんだよ」


どうやら、民政局と軍政局とでは対立・・・とまではいかないものの、ライバル意識が有る様だ。


「あの時君を抜擢した私の目に狂いは無かった訳だよ」


そう、8ヵ村の徴税を担当させられる切っ掛けになったのは、何を隠そうこの局長の鶴の一声に因る物だったのだ。





その後、私はヤーパラム州250万を管轄する、民政局の支局長に就く事になった。


先ず初めは農法を三圃制にするための条例の制定だ。

内容としては

農民の三圃制に対する講習の義務化。

三圃制にするために起きる区画整理の効率化を目的とした事を法制化。

三圃制をするための助成金制度の創設。

この条例に非協力的な農民に対する罰則の法制化。


以上をヤーパラム農法条例として就任後三ヵ月で布告する。

その約半年後の新年1月1日に条例が施行される。


次は劣悪なインフラの整備だが、同州軍政局に足を引っ張られた形で頓挫する。

仕方ないので、商業の活性化を主とした条例の制定。

この条例が上手く機能すれば、商人からの税収が二割程増加する見込みだ。


農業、商業と来て次は工業なのだが、ここにきて私は驚愕せざるを得ない事態に直面する。

それは、この国の金属加工技術レベルが青銅でしかない事だ。

鉄製具は有るには有るのだが、全て武器でしか存在せず、民間人が使用出来る金属製品は青銅器までで、鉄製品はその使用を禁止されている。

文化的には18世紀初頭のレベルなのにだ。


原因としては、鉄鉱山が殆ど発見されておらず、私が調べた限りでは、昨年戦争した隣国ザルヘルバ王国のさらに隣のエーベレンスでしか産出されていないので、現在、鉄は銀の重さの半分で取引されているし、取引自体軍しか行えない。

破れば極刑である。





支局長に就いてから3年が経つと、驚きの情報が入る。


ザルヘルバ王国のリネルメという領地で鉄が発見される。


鉄鉱石が発見された事に驚いたが、金鉱脈も発見され精製されているという話しだ。

ザルヘルバ王国は、一定量の上納金を国に納めれば、あとは国法に抵触しない限り領主の自由裁量で領地を運営出来るという話しだ。

羨ましい限りだ。




それから数年経つと、ヤーパラムの税収を増加させた(この時点で就任前の51%増)功績に因り、本部の副局長に抜擢される。


先ずは局長に、あの条例を全国規模に出来ないかどうかを相談する。


「ウム。とても良い物なのだが・・・」


すると局長は難色を示した様に見えて、どうにも歯切れが悪い。


「・・・ほどほどにせぬと軍政局の連中に睨まれるぞ」


フム。確かにやり過ぎても問題はあるな。

・・・軍政局に根回しをしておくかな。





根回しという名のプレゼントを贈りつつ、私は事態の改善を進めていた矢先、あるひとつの報せが届く。


ラナバルラント軍ザルヘルバ王国へ侵攻

国王は傀儡と化し軍政局が実権を握る


軍政局は自らの野望を隠す気が無くなった様だ。


その後、軍政局は総動員令を布告し、税を百%として食料は配給制になり、国内の商人(侵攻の報が来た時点で機微の分かる商人は軒並み国外へ逃亡している)は戦時国債を強制的に買わされていた。


当然、その様な事になったので、国内経済は破綻していまい、開戦してから一ヵ月もしない内に配給制も破綻して、配給の無い日も出てくる。


そうすると、半月も断たない内に餓死が出る様になる。

最初の内は餓死者は市外に掘られた穴に無惨にも放り込まれたのだが、そう時間も掛からず放置される様になる。


農村部は都市部と違い何かしら食べる物が有るので、都市部の様な凄惨な事態には陥ってないが、それでも酷い有り様だという話しだ。


それからいくらも経たない内に、国軍がザルヘルバ王国軍に負けて壊走したとの報せが来た。

ザルヘルバ王国軍は何やら変わった飛び道具で、ラナバルラント軍が接敵する前に攻撃してきて、瞬く間に半数がやられたそうだ。

その変わった飛び道具というのは恐らく銃だろう。

どういう経緯か知らないが、相手に銃が有る以上、銃の無い旧態然としたラナバルラント軍では、何度攻めようと負けるのは必定だろう。


・・・ザルヘルバ王国軍は逆侵攻して来ない。

私の手の者に調べさせたら、国軍を迎撃したのはどうやら一諸侯の手勢だった様で国王の許可無く越境出来ず、現在はデンフー丘という場所を要塞化してこちらを監視している状態らしい。


程無くしてザルヘルバ王国の国王が崩御した様で、それに伴い国内が混乱しているらしく、その後、新国王派と反対派の間で内戦が起こったらしい。


・・・何やらキナ臭い気配がするな。


これはどうやら予定より早くガレッゼレルから脱出せねばならない様だ。

さてさて、いくら不測の事態への対処が計画に入っているとは言え、10日余りも予定より早く脱出してしまうから、修正に手間取るな・・・ここは兎に角軍政局の縛吏の手から逃れるのが先決だな。







4月28日


内戦の終結の目処が着いていない、ザルヘルバ王国が侵攻して来た。

という連絡があった。

先日、その更に隣国のメゼリエで共産革命が起きたらしいのにだ。


内戦には軍の元帥を当て、こちらには国王自ら指揮を執るらしい。

・・・・・・急がねばならぬな。







7月2日 首都ガレッゼレル


私は、混乱の生じているのに乗じてガレッゼレルに戻って来た。

ザルヘルバ王国軍はその後、南部地方を先に侵攻し、真っ直ぐガレッゼレルには来ない様だな。

まぁ、その理由としては、わが国もそうだがザルヘルバ王国も内陸国なので、海が欲しい様だから我が国の隣国のエルベリア王国に何らかの伝が欲しい様だ。

それが、友好的、好戦的如何に関わらずだ。


それから3日後の5日になると、ザルヘルバ王国軍は市外に在るバタル丘に集結した様だ。

部下に命じて秘密裏に作らせた双眼鏡であちらの陣構えを観察する事にした・・・したが、どうやら相手には第二次大戦級の野戦砲が配備されているのが分かる。


最早待った無し。

計画を実行に移す時が来た様だ。







ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字などありましたらよろしくお願いします。今回の閑話は、前回の閑話からリルがガレッゼレルを攻撃する直前までを足早にお送りさせて頂きました」


リル「次回は、ガレッゼレル陥落(仮?)ってなっているけど、どうなの?」


ベリアル「ああ、その事なら、多分そのタイトルは変更かな?」


リル「次は何時(いつ)になるの?」


ベリアル「次は、さわりしか書いていないみたいだから来月かな?まぁ、その間にガルダフェリナ年代記や異世界飛何の方も進めないといけないし、ヘボ作者の尻を引っ叩いて促すけど、不透明だねぇ」


リル「・・・まぁ、いまさらかしら」


ベリアル「いまさらだねぇ」


リル「それでは、今後とも、辺境領リネルメ興隆記をよろしくお願いします」


ベリアル「ガルダフェリナ年代記や異世界飛何もよろしくね」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ