閑話 エミル・ハーハ
ベリアル「いつもありがとうございます。で、何とかギリギリ月を跨がずに済んだ筈なのに、寝落ちして結局月跨いじゃったね」
セフェラ「・・・すみません」orz
ベリアル「それで、本編は何時上がりそう?」
セフェラ「まったく以て不透明です」
ベリアル「・・・い、いやまぁ、そこがセフェラクオリティだよね・・・それではどうぞ」
・・・・・・・・・ここはどこだろうか。
・・・確か私は、ソ連に逮捕され獄中で祖国の明日を案じながら死んだ筈なのだが・・・・・・見た所、私が収容されていた刑務所内の病院の私が居た病室では無いし、寧ろ民家の一室と言われた方が納得いく位だ。
・・・・・・何だ?
良く自分の手を見てみれば、ほっそりとしていて肌に若さが有り、とても自分手とは思え無い。
ゴギト・エルゴズム
・・・今の状況を受け入れるしかないな。
「エミル。ご飯よ」
私の居る部屋の扉の向こうから、女性の声が聞こえる。
私の物と思われる服を着て身仕度を済ませ声のする方へ行くと、そこには30半ば位であろう女性が、テーブルの上に鍋を置き待っていた。
「お母さんご飯まだ?」
「エミルお兄ちゃんが来てからよ」
少女の問いかけに、女性はそう答える。
どうやら、目の前に居る女性は母で、少女は妹の様だ。
「おおエミルか。早く座りなさい」
右側から男性の声がしたのでそちらに目を向けると、そこには私の父にそっくりな男性が居るではないか。
「分かったよ父さん」
私はその驚きを何とか顔に出さない様にする事に成功して、椅子に座り食事をするのだが、内容は戦時でも無い様な物で、石かと思われる位固いパンと豆だけな上塩味の殆どしないスープだ。
この家は、元の世界の私の時と同じく農家ではあるが、あの時と比べると経済格差が天と地程の差があり、この程度の農家は経済恐慌が起きていたあの時でも、私の家が多少裕福であった事を差し引いて周りを見ても、この家の様に困窮している農家まず無かった。
アメリカは離農する農家が後を断たないとは聞いたが・・・
しかし、食事中の会話を聞いているとそうでも無い。
私の分析では、この国あるいはこの地方の元々の経済規模がとても小さいという事が分かり、この家は、周りよりも裕福である事も分かった。
あと、最近はこの国が隣国に戦争を仕掛ける為に増税されていて、その上、村の若手も結構な人数が徴兵されている為に、働き手を失った家は当然困窮してしまう。
どうやら父はこの村の名士で何とかならないか掛け合ってみたが、門前払いを食らった挙げ句、当局に脅迫された為にあきらめたらしい。
「父さん。ウチの税金って何れくらいなの?」
「おっ!エミル。難しい事を聞いてくるな・・・我が村は一軒当たり小麦が七割五分、それ以外の作物は五割を税として納めている」
!!
75%!?
それではこの有り様は当然の結果・・・という事になるな。
という事で、父に相談して農業改革から始める事にした。
余所の村の事は知らないが、この村だけで言えば、まだ四圃制はおろか二圃制すら行われていないので、先ずは、半分を小麦、残り半分を豆を植える疑似二圃制から始める事にする。
本来二圃制は半分を休耕地として、地力を回復させるのだが、農地にそんな余裕は無いので、豆科の植物に因る大気中の窒素の固定に依って地力を回復させる事になる。
一年目は当然前年が無いので比較が出来ないが、父曰く「何分が収穫が増えた」と言っていたが、恐らく農地の区画整理に因る農作業の効率化が図れた為だろう。
二年目ともなると、二圃制の効果が顕著に出ていて、少ない場所でも前年より小麦が二割、豆が一割も収穫高が増えていた。
因みに我が家は、小麦が43%、豆に至っては58%も収穫高が増えた。
数年経ったある日の事、近年多額の納税に因り、当局から役人が賞賛する旨を伝えに来たのだが、政府の高官も一緒に様子見に来ていたのには驚いた。
その後、誰が音頭を執ったのかという話しになって、機嫌の良い高官達の態度を硬化させては、後々村全体に危機が及ぶので、父はしぶしぶ私の名を挙げざるを得なかった。
そして私は、民政局の一局員として、この村を含む8ヵ村凡そ6,500人の管轄を任される事になる。
ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字などありましたらよろしくお願いします・・・逃げちゃったね」
ラセル「まぁ、仕方ありませんわ」
ベリアル「サブタイだけど・・・実在の人物でしょ?」
ラセル「・・・フィクションです」
ベリアル「それは当然として、そうなんでしょ?」
ラセル コクリ
ベリアル「HOIの動画に触発されて元々考えていた構成をガラッと変えたもんね」
ラセル「史実では不遇感半端無い感じかしたので、転生した事にして、今世では、このガルダフェリナで活躍して貰いたくて招聘したそうですわ」
ベリアル「へぇ。そうなんだ」
ラセル「それで、ラナバルラントを併合したら、メゼリエに対応しつつ戦争は一旦終わる筈でしたけど、章のタイトル通りラナバルラントを併合しても戦争は終わりません」
ベリアル「終わらないのかぁ・・・それでは今後とも辺境領リネルメ興隆記をよろしくお願いします」




