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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
七章 大戦勃発 ~ザルバル戦役~
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一話 外(と)つ国で革命が起こりました

ベリアル「いつもありがとうございます・・・聞かない。僕は聞かないよ」


クレイン「ベリアル。諦めが肝心さね。セフェラはいつもの如くエスケープしてるよ」


ベリアル「クレイン!僕はそんな事聞いて無いってば!」


クレイン「分かってる。分かってるよ・・・今回は前回の間話のタレザがラセルを保護した所からスタートしてるんだね?」


ベリアル「そうだね」


クレイン「ベリアル。そんなに拗ねるなよ。だがそこがイイねぇ♪・・・それでは本編をどうぞ」


ベリアル「そこは僕の台詞なんだけど・・・」

「リル様。どうやらメゼリエ王国で革命が起きた様です」


 タレザから連絡があったらしい。

 メアラが渋い顔をしていたので聞いてみると、どうやらタレザがあちらさんの王族を保護したらしい・・・・・・あんのバカ。


 確かにメアラが渋い顔をする筈だわね。


 サラの所は革命とかではなく、政変で半ば追放に近い・・・だった様な・・・まぁエーベレンスの事なんて国境を接してないからこの際どうでもいいし、兎に角、国境を接しているメゼリエの方が今は問題よ。

 聞けば、東西に分裂した上に、東がファシズム、西が共産革命とか、ウチがまだ混乱・・・最早内戦に近い状態で、未だ終息の目処は立って居ない上に、あちらの王族を保護とか・・・こちらに火の粉が降り掛かって来るわね。





王国歴322年5月2日


 その日は朝から穏やかな日が差していた。


 ヒュー・・・・・・ドーン


「どうしたというんだ」


 ディエッセル村防衛隊隊長のカバック少尉は、いきなりの自体に驚く。


「メゼリエから敵が攻めて来た様です」


 そう部下は答える。


「何だと!物見は何をしていた!ここには五百しか居ないのだぞ!・・・至急、無線で将軍に連絡しろ。事は一刻を争う。至急だぞ」


 カバックは僅かに思案し、直ぐ様部下に指示を出す。


「ハッ。直ちに通信士に連絡させます」


 部下はあわてて退室する。





「リルぅ。遂に共産の方のメゼリエが侵攻して来たよ」


 連絡を受けたベリアルが慌てて入って来る。


「やはり来ましたか」


「どういう事なのメアラ」


「ええ。簡潔に述べれば、共産メゼリエの取ったファシズムメゼリエへの対抗策です」


「・・・内戦中のザルヘルバを切り取るのは楽そうに見えた訳ね。一応それなりには地下資源が有るし」


「左様にございます」


 ザルヘルバ王国の東側、つまり保守派の所領は、ただ単に穀倉地帯というだけではなく、所々に鉄や銅のなどの地下資源が埋蔵されているのが分かっているが、連中は未だほとんど手を着けていないので、今から楽しみではあるが、早くしないと奪還する手間が掛かってしまう。

 因に、ディエッセルでは銅が採掘()()()()()

 ()()()()()と言ったのは、今回の争乱に因り、操業が止まっている・・・というより、施設の一部が破壊されており、操業を再開するまでは、一から始めるよりは時間は掛からないとは言え、それなりには時間を有してしまうからだ。

 一応そうならない様にタレザを向かわせたのだが、ちょっぴり遅かったのである。


「まぁ、心配しなすんな。現在ディエッセルに歩兵一個連隊を向かわせている」


「やはり戦バカのタレザとは違うわね。ありがとうクレイン」


「連中。ラセル=ロバモブの発見及び引き渡しを要求はしているが、どうせ最初から攻めるつもりなのは、分かりきっていたからな。明日正午位にはあちらに到着する予定だ」


 ホント手際がいいわねぇ。

 タレザも見習って欲しいわ。

 ・・・ともすれば。


「メアラどう?」


「木炭車の試作機が出来上がり。経過も順調ですので量産態勢にはいりまして、一日三台生産する予定です」


 メアラには、ターシャに頼んでおいて貰っていた木炭車・・・この場合は、馬車に代わる乗り物として開発して貰っていた。


スペックとしては


最大乗員数は31人

最高速度51千セル/刻(約51km/h)

平均速度35千セル/刻(約35km/h)

一回の補給で走れる連続走行時間は19刻(約38時間)


 心臓部分や重要部分は鉄で出来ているが、あとは木製という、馬車に木炭エンジンを積んだ様な物だと思えば分かり易い。


 ホントに馬車の代替としていた予定だったが、チープな感じは一切無く、結構な物が出来上がっていたので、あたしは驚いた。


 ディエッセルまでの鉄道の延伸はまだ半年以上先なので、今この時木炭車が完成している事、ディエッセルまで合材でないにしろ石畳で舗装されている事に、あたしは天祐だと感じていた。





「リ、リル様・・・」


「・・・・・・」


 タレザが戻って来た。

 戻って来たが、当然、あたしは膨れっ面でタレザを睨み付ける。


「・・・タレザ。貴女、自分が仕出かした事は分かっているの?」


「ハ、ハァ・・・」


 タレザの目が泳ぐ。


「・・・仕方ないわねぇ。今度だけよ?こう言う事は。次やったら・・・分かってるわよね?」


「と、当然でございます。リル様の寛大なご処置に、私は感激です」


 あたしが許してやると、タレザは感涙咽ぶ。


「それで、貴女の事だけど・・・」


 あたしは、タレザが連れて来た、メゼリエの唯一だと思われる王族に話し掛ける事にした。







クレイン「ここまでお付き合い頂きありがとうございます。誤字、脱字などありましたらよろしくお願いします・・・でだ、遂にメゼリエ社会主義共和国、略して共産メゼリエが攻めて来たね」


ベリアル「そうだけど、どうなの?」


クレイン「いくらディエッセルの守備兵の装備がミニエー銃に80㎜野戦砲が三門有るとは言え、たった五百しか居ないからねぇ」


ベリアル「聞いた話しだと、共産メゼリエの装備はマスケットらしいねぇ」


クレイン「そうだよ。あたしが仕入れた情報に依れば1人1挺持っていると思っていいよ。で、大砲はザルヘルバで言えば旧式も旧式、三世代以上前の大砲が登場した位の時期の大砲だよ」


ベリアル「こちらは装備に勝るけど、圧倒的な数的劣勢なんだよね?」


クレイン「そうなんだけど、これ以上は一寸不味くない?」


ベリアル「ハッ!しゃべり過ぎたか!」


クレイン「じゃぁ締めるな。それでは今後とも、辺境領リネルメ興隆記をよろしくお願いします」


ベリアル「良かったら、ブクマ登録や評価を入れてくれたら嬉しいな」



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