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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
六章 軍靴暗雲
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九話 事態の収拾に乗り出しました

ベリアル「いつもありがとうございます・・・ハァ。前回の更新から四ヵ月以上経っちゃったけど、何か申し開きはある?」


リル「ヘボ作者様はズラトンしたわよ」


ベリアル「・・・この様子じゃ後書きにも来ないね・・・永らくお待たせ致しまして申し訳ありません。【ヘボ】作者に成り代わりお詫び申し上げます」


リル「今回はどんな感じかしら?」


ベリアル「まぁ、タイトル通りと言ってはなんだけど、王都が色々混乱しているので、その収拾にあたる。という感じだね」


リル「フムフム。あとは見てのお楽しみ?」


ベリアル「そう言う事♪それではどうぞ」





リーシャル殿下から禅譲された後、あたし達は近衛隊に王宮の守備を任せ、王妃殿下を連れ一路城外に向かった。


「殿下。お加減は宜しいでしょうか?」

と、あたしが尋ねると。


「もう、妾の事を敬う事をしなくて良いですのよ」


「いいえ。王位を譲られようとも、終生、わたくしめはクレメザール家の臣にございます」

リーシャル殿下の返答に、あたしはそう返し、その御前で膝を折り(こうべ)を垂れる。


「貴女の様な忠臣が居た事が妾にとって、僥倖以外の何物でもありません」


「非才なる身に勿体ない」


その後、殿下はこちらの用意した馬車で一旦ザールラントに向かった。





「エルクラバッセイル、トゥイトゥクラッハッハーサ・・・」


「ベリアル。何してるの」

ベリアルが呪文みたいな感じの事を呟いていた。


「アフクインブェブェクースト、クンクースク・・・ちょっとした()()()()()だよ・・・レヴェケンセータ・・・」

おまじないと言うには、かなり気合い・・・()がこもっている感じがする。


「・・・リヴェンセータ・・・・・・ふぅ。久しぶりだから気合いが入っちゃったよ」

しばらくして唱え終わると、形容し難いが高揚してくるのが分かった。

やっぱり気合いが入ってたんだね。


「皆さん。これから我々は、この王都の治安の回復にあたります。現在の王都内は混乱を極めています。ですが、皆さんにはこの未曾有の危機を収拾出来る力が有ると思っています・・・」

10分位居並んだ兵士二千人に対して訓示を述べ終わる頃、ザールラント方面から相当数の人数がやって来て、その先頭にはタレザが居たのだ。


「リル様。この不肖タレザ、罷り越しましてございます」


「タレザ。あちらの方は大丈夫なのかしら?」


「問題ありません。信頼出来る部下に任せて来ました」

どうやら、ラナバルラントとの戦闘は膠着しているらしく、五千の兵を残してこちらに来た様だ。


「聞きましたぞ。妃殿下から禅譲をお受けしたのですね。陛下の崩御は誠に遺憾で、王朝300年の歴史に幕が降りてしまったのは痛恨の極みです。ですが、いつまでも悔やんではいられません。何としてもこの難局乗り越えねばなりませんな」

確かにそうなのだが、タレザが言うと何かねぇ・・・


「タレザ。貴女にはこの難局を乗り越えるにあたり、元帥位に任命します。先ずは王都の混乱を終息させなさい」


「はっ。身命を賭して務めて参ります」

タレザは、あたしの前で深々と頭を下げる。





城外に設営した司令部は簡素ながらも、その中ではこれからこの国の中枢を担っていく者達が会議をしていた。


ザールラント国王

あたし


主席宰相

メアラ


外務大臣

ベリアル


内務大臣

サラ


貨蔵大臣

サラが兼任


医労大臣

ルシフェル


文学大臣

メアラが兼任


運輸大臣

メアラが兼任


観光大臣

ティア


軍務大臣

タレザ


資源開発大臣

メアラが兼任


取り合えず簡略したが、メアラ内閣がここに発足した。

人数的に足りないのもあるが、空いているポストはしばらくはメアラが兼任する事になる。

あたしにも何か・・・と、言ってみたのだが問答無用で却下された。





「タレザ。どう?」

あたしは王都の状況を聞いてみる。


「やはり相当酷いですなぁ。メアラ殿に依り十の区画に分割された地図を元に、区画毎に収拾を図っていますが、現在、司令部に一番近い6の区画と、その隣、王宮が含まれた7の区画は鎮静化されましたが、ほかは困難を極めています。殺さず無力化するというのが足枷になっています」

とはいっても、暴徒の誰がどれだけ罪を犯していて、極刑が相当なのか、懲役が相当なのかさっぱり分からないのが問題だ。


手っ取り早く暴徒はすべからく極刑。

という事ならどれだけ楽か・・・

しかし、それだと今後の運営に暗い影を落としてしまうので、それが出来ない。

一朝一夕でどうこう成る様な物ではないのは分かっているが、あまり時間も掛ける事が出来ない情勢だ。

国内東部の所謂保守派の所領は、混乱続きで疲弊しているし、幾つかは反乱軍が乗っ取っているので、拡大しない内に鎮圧しなければならない。

大凶作が起こる以前でも、友好的な国は僅かで、隙あらば侵攻してくる国もある中で、この混乱をいつまでも指をくわえて見ている訳が無い。

現に、ラナバルラントはこの混乱に乗して攻めて来た。

ラナバルラント内の国内感情的に言えば、何れは攻めて来るのだが今じゃない。


今回、ラナバルラントの侵攻対して鎧袖一触で勝利したので、あたしの領地に他国が侵攻して来る可能性は殆ど無くなったが、東部の情勢からすると、未だに侵攻してくる勢力が無い事が不気味に感じる。


あたしの所の様子が伝わっていて、その為に他国は二の足を踏んでいる状態・・・・・・ならば良いのだが、そう言った希望的観測を元に動けば足下を掬われかねない。


何にしても、メアラが居るんだ。

おんぶにだっこ過ぎるのも問題だけど、多少なら大丈夫よね・・・()()なら・・・





「タレザ。状況は?」

あれから二週間が経ち、あたしはタレザに確認をする。


「ようやく半分ですね。暴徒の・・・ひとつの集団の人数は50程度と大した事は無いのですが、その集団の数が多すぎますね」


「メアラ。外患かしら?」


「・・・情報が少ないですから、そうでないと否定は出来ませんが、わたくしとしましては恐らくそうかと思います」

内憂外患とは正にこの事だ。

国内情勢どころか、王都ですら儘ならないのに、隣国の侵攻にも目を向けないとならないとは・・・


ホントにメアラ様様だな。あたしではこの状況の中で、隣国の侵攻にまで目を向ける事どころか、王都の混乱の鎮静化で手一杯だ。

怪物宰相の二つ名は伊達では無いという事ね。


「わたくしの私見ですが、誘致している可能性があります」

・・・メアラがこう言ったという事は、可能性が()()程度ではない。間違いなく外患誘致している愚者が居るという事だ。

()()とまでは言及していないが、あたしとしては反乱勢力が黒だろうとは思っている。


「ともすれば、あまり時間は掛けられないわね」


「左様にございます。ですが現状ではこれが限界と思われます」

そうなのだ。

タレザが無能という事では全く無いのだが、南北の城門を結ぶ道から一歩外れると、道が迷路の様に入り込んでいて、初めて来た者はすべからく迷子になってしまうと言われる程、道が複雑化しているのだ。


現在、南北の道以外に道幅が3セル程の物を何本か道を新設している。

計画線の内八割に家屋が在るので、この混乱に乗して壊しまくっている。


南北の道にも手を加えていて、道幅を1セルばかし拡幅するほか、狭軌で鉄道を敷設している。

当然、この計画線上にも家屋が在り・・・というか九割五分に家屋が建っているので、その撤去もこの混乱のどさくさに紛れて行っている。


当然、それだけ時間が掛かるのは当たり前なのだが、平時なら莫大なお金と時間を要するので、無法ではあるがここは日本ではないし今しか無いのだ。





「混乱の鎮静化にも目処が立ちましたね」

そうメアラは言った。


あれから更に二週間が経ったが、一週間程前に、司令部の前にまでザールラントからの線路の敷設が終わって、物資の搬送がスムーズになってから、部隊への補給がしやすくなった為、鎮静化するための行動が速くなった。


「そうね。でも結構時間を取られたわ。ともすれば、このまま・・・という訳にはいかないわね」


「左様にございます。鎮静化した()()ですので、復興事業も控えておりますれば」

メアラは苦笑をする。

この後、こちらに従わぬであろう保守派や、二、三領地を占拠した反乱勢力との()()が待っている。

にも拘らず、混乱で疲弊した王都の復興もやらねばならない。


「タレザ。タレザは居るかしら?」

あたしはタレザを呼んだ。


「はっ。ここに」

タレザは跪く。


「貴女に保守派と反乱軍の平定をして貰いたいのだけど、出来るかしら?」

まぁ、彼女に出来ない訳が無い。さもなければバンザイだよ。


「はっ。遅滞無く」


「それなら、ベリアルを参謀に付けるからお願いするわね」

あたしは内戦の平定をタレザに投げた。

餅は餅屋。

あたし自身、ラナバルラントとの戦闘で分かった。


あたしには向いてない・・・と。


投げた

とは表現が悪いが、要は適材適所という事だ。


「あー。リルってば面倒だからって丸投げする気満々だね」

ベリアル。適材適所と言いなさい適材適所と。


「ベリアル。変な事は言わないでちょうだい。わたしには向いてないだけよ」


「・・・まぁ、そう言う事にしとくよ」

ベリアルはあたしを訝しげな眼差しで見る。


「それより、占いしてみて欲しいのだけど」


「ん!!・・・何故今なの?」

ベリアルが珍しく驚いている。


「何となくよ何となく」


「・・・これは何かある予兆か!・・・・・・・・・ダメみたいだね」

ベリアルはタロットカードを出して占った。


「で、どうなの?」


「東に凶兆有り。と出たよ」

あたしは、占いの結果を聞き、兎に角祈らずにはいられなかった。






ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字などありましたらよろしくお願いします・・・ヘボ作者は逃走しましたので、このまま司会進行役をさせて頂きます」


リル「最後、貴女に占って貰ったけど、どういう事?」


ベリアル「ごめんリル。ネタバレになるから一寸言えない」


リル「えー。それだと後書き終わりジャン」


ベリアル「まぁ僕が言える事は、間話的な物を一話挟んで、いよいよ第七章国内内戦になる予定だね」


リル「ちなみに大丈夫なの?」


ベリアル「そこは、ヘボ作者だけにガチで非才だから戦争描写には期待しないでいて貰えると助かるかな?」


リル「ああ。やっぱダメなのね」


ベリアル「ダメだねぇ。それでは次回ヘボ作者の尻を引っ叩き、できるだけ早く上げさせますが、期待しないでお待ち頂ければ幸いです」


リル「それでは今後とも、辺境領リネルメ興隆記をよろしくお願いします」


ベリアル「良かったら、ブクマや評価を貰えたら嬉しいな」





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