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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
六章 軍靴暗雲
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四話 崩御しました

クレイン「いつもありがとうございます・・・おっ!今回は早いねぇ」

セフェラ「少し短めだけどねぇ」

クレイン「で、まだ風邪治らんの?」

セフェラ「前よりは改善してるけど、軽微だね」

クレイン「ルシフェルが居れば直ぐ治るのだろう?」

セフェラ「アチキの体の事はアチキ以上に知ってるからね」

クレイン「良くニュースで、風邪が流行しています。というけど、風邪をひいて咳をしているのに、マスクはおろか、ハンカチ等の布で口元を押さえ、咳をした時の飛沫が拡散しない様にしない人が多いせいだろう?」

セフェラ「風邪をひいて咳をしている人が皆、マスクを着用していれば、ニュースで取り上げる程深刻な事態にはならないね。加えて言えば、マスク等無しで咳をした場合、10分と経たずに電車内隅々に拡散してしまうらしいから、季節的な事も有るけど、流行しない方がおかしいよ」

クレイン「SARSとかが日本国内に入ったら、遺憾だけどあっという間に広まるね」

セフェラ「最悪、日本発のパンデミックになるね」

クレイン「大体、たくさん人が集まる場所で、咳をしているのにマスク等無しとか、常識が無いのもいい所」

セフェラ「風邪ひいて咳しているならマスクしろ!と言いたい」

クレイン「で、まだ見つからないのかい?・・・昔ながらのたんきりのど飴だっけ?」

セフェラ「ネットで取り寄せるか考え中」

クレイン「背に腹は代えられないと言うし、取り寄せたら?」

セフェラ「単価違うし・・・」

クレイン「・・・余計お金掛からなくない?」

セフェラ「・・・と、兎に角、四話、崩御しましたをどうぞ」

クレイン「誤魔化した」


「リル様ー!」

タレザは、あたしが近くに居る事を見留めると、駆け寄って来る。


「申し訳ありません。敵将を討ちもらしました」

タレザは、あたしに駆け寄ると、素早く下馬し、あたしの横で方膝を着く。


「仕方ないわね。周辺の残党を掃討し終えたら、ここで夜営するわよ」


「承知致しました」

タレザは乗馬すると、すぐさま兵を纏め、領内の残党狩りに出る。



「いやいや、遅れたか」


「遅れるも何も、僕ら歩兵だし」

タレザと入れ違いに、クレインとベリアルがやって来る。


「悪いわねぇふたり共。敵将は討ち漏らしたわ。それで、早速だけど、ここで夜営するから、設営して貰えるかしら?」

あたしがそう言うと、クレイン達は兵士に指示を出す。


「何々、初陣にしては良くやってると思うよ僕は」


「そうさねぇ、確かに初陣にしては普通にこなしてるな」

ベリアルとクレインの評価はまずまず。


(というか腹括ってるだけだけど・・・)


「まぁ、覚悟を決めるのが難しいんだけどねぇ」

と、あたしの心を読んだのか、ベリアルは苦笑する。





「今晩は、リル様の手料理を食べれるとは、堪りませんなぁ」

あたしが作った料理を食べれるとあって、タレザは上機嫌だ。


「リルは料理上手いもんね」


「そうなのかい?あたしは初めてだから楽しみだねぇ」


(意外とプレッシャーなんだけど・・・)





「一応、これから先は他国だし、迂闊に侵入出来ないわ」


「いくらラナバルラントが先に攻撃して来たとは言え、確かに外交上よろしくないね」


「これ以上攻めるにしても、中央に一度指示を仰がないといけませんなぁ」


「という事は、リルが中央に折衝に行って、その間、僕らはラナバルラント軍の監視という事になるね」

夕食も終わり、食後の紅茶を飲みながら、明日以降の事について話し合っていた。

この世界では、例え相手が宣戦無しの侵攻をしたとは言え、こちらもそれに応じて侵攻していては、野蛮な国の烙印を押されてしまい、外交上困った事態になる。

だが、あたしには宣戦を布告する権限が無いために、ラナバルラント軍を領地から追い出すだけで、それ以上は国際法違反になる。


国際法と言っても、明確な条文が有る訳ではなく、【慣習】と言っても差し支え無いが、【国際的には】となるので、あたし個人の私見では国際法と思ってる。

当然守らなくてもよいが、守らないその時は国際的に総すかんを食らう事になり、外交的にも国内的にも色々と不味い事になるのである。

まぁ、細かい事は、メアラやベリアルに丸投げではあるが・・・


ちなみに、ラナバルラントは、疾うの昔から総すかん状態であるので、今回の様な事も平気で起こす。

周辺国全てに何らかの争いを起こしている。


「明日にでも出立して、王都に向かうから、三人は後よろしく・・・というか、タレザ。貴女はわたしの代わりに総大将になるのだから、残らないとダメよ」


「・・・・・・し、承知致しました」

あたしがそう言うと、タレザは号泣しながら渋々承諾する。





翌朝、あたしが起きると、それを見越したかの様に、外が騒々しくなる。

それから間もなく、ベリアルがティアを伴って入って来た。


「朝から騒々しいけど、どうしたのよ」


「一大事だよリル」


「そうそう、昨日・・・いや一昨日か、国王陛下が崩御したよ」

興奮するティアに代わり、ベリアルが答える。


「えっ!陛下が!?・・・それなら、取り急ぎザールラントに戻らないと・・・ティア大丈夫?」


「・・・うん。大丈夫だよ・・・と、言いたいけど、報が届いた昨日の昼から何も食べて無いから、何か食べたいよ」

事が事だけに、相当無理をしてくれた様だ。


あたしは、アイテムボックスから、ここぞという時のために取って置いといた串焼きをティアに渡し、わたしも食べて急場を凌ぎ、直ぐ様ティア便で出立する。

今は三つ刻になる前なので、ティア便なら夜には到着するだろう。


それにしても、大変な事になった。

国内保守派の領地が反乱軍でわやくちゃになっている時に、国王陛下が崩御なされるとは・・・このままでは内戦に発展してしまうし、当然の事ながら、諸外国がこのまま指を食わえて黙って見ている筈が無い。


この事態を火急速やかに鎮静化させないと・・・

ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字など有りましたらよろしくお願いします・・・事態が急変しちゃったねぇ」

リル「王都に行って、宰相閣下から宣戦を布告する詔を国王陛下から引き出して貰う簡単なお仕事な筈が・・・」

ベリアル「詔を出す人が居なくなっちゃったもんね・・・どうする?」

リル「作者次第かしら?」

リル、ベリアル (ジー)

セフェラ「い、いや。ふたりして見つめても、次話、王都に行きました。の内容に関わるから、ここでは言えま千円下チャイナ」

リル、ベリアル「「・・・・・・」」

ベリアル「いや、今のは無いよ」

リル「思いきり寒くなったわ。ってか、あたしはそういうキャラは願い下げだから止めて頂戴よ」

ベリアル「あーもう!今後とも、新米辺境領主リルーエットの、異世界奮闘記をよろしくお願いします」

リル「締めるしか手は無いわね」

ベリアル「ブクマや評価を頂けましたら幸いです」


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