十四話 仕事をしました
ベリアル「いつもありがとうございます。今回も更新早いねぇ」
セフェラ「なので、会話が少な目になっています」
ベリアル「へー」
セフェラ「まぁいいけど。で、ようやく来週から多少なりとも気温が下がるらしいけど、実のところどうなのかな?」
ベリアル「予想天気図から見ると、オホーツク海高気圧がしゃしゃり出て来るみたいだね」
セフェラ「それでもまだ猛暑日になるかならないか程度の所も在るよね」
ベリアル「あれだけ暑かったんだから、多少冷気が入って来ても、直ぐには涼しくならないよ、早くても九月にならないとねぇ」
セフェラ「暦の上では、そろそろ秋なんじゃないの?」
ベリアル「1、2、3月を春、4、5、6月を夏、7、8、9月を秋10、11、12月を冬としていた時代(※諸説有り)とは違うんだから、今年も秋を感じる事無く冬が来るよ」
セフェラ「世知辛い世の中だねぇ・・・」
ベリアル「まだまだ暑いから、熱中症にならない様に気をつけないと」
セフェラ「そうなんだよねぇ」
ベリアル「もし、家にスポーツドリンクの類いが無い場合は、確か500ミリに砂糖大さじ3分の2に、塩ひとつまみだったかな?」
セフェラ「アチキは甘いの好きだから、大さじ2位入れるね」
ベリアル「・・・太るよ。ってもう処置無しか」
セフェラ「いいもん。どうせアチキはおデブちゃんだよ」
ベリアル「セフェラ。ほら拗ねないで。それでは、十四話、仕事をしましたをどうぞ」
農務卿に就任した事はしたが、農務卿としての仕事を全くしていない訳じゃないのよ。
グループ企業の視察をしたり、ラゼリアラントの開発事業を進めたり、アジェラルの軍施設の建設を指揮したり・・・・・・
兎に角、同じ改革派の領地に出向し、農業指導をしたり、農業に関する法整備を進めたりはしている。
・・・だから、ちゃんとやってるんだからね。
「リル。エルベブルク辺境領の領主から、ウチにも農業指導に来て欲しいって陳情の手紙が来てけど、どうする?」
ベリアルは、あたし宛の開封済みの手紙を渡す。
「・・・どうしようかしらねぇ・・・」
な、悩む。
この後の予定から言えば、今日は午前中は領主としてやら、グループ企業のトップとしてやら、農務卿として等々の事務仕事。
膨大過ぎて、一日掛けたって今有る書類は片付かないわよ!
と言っても、その殆どはメアラが自身の仕事の合間に片付けてくれるので、あたしがする事と言えば、メアラでは決裁の出来ない書類にサインをするだけの簡単なお仕事です。
まぁ、それでもそれなりの量が有るけど、あたしが全部やったら、年中無休で睡眠三時間コースよ。
やっぱり、某大国の首相を八年もやっただけの事は有るわねぇ。
で、二十五で職を辞し、日本に来たという事だ。
ああ、そうなのよ。
メアラは十七から約八年間、某大国の首相に就いていたのよ。
え?あたし?
あたしはその頃、商業高校>某商科大学>東証一部上場企業>転生>今に至る
一部上場企業って言っても、マイナーな会社で社名を言っても、百人中数人しか分からない程度の知名度。
それでも頑張った甲斐もあり、転生する一年前には経理部長に就く事が出来たのよ。
・・・話しが逸れたわねぇ。
兎に角、あたしが平々凡々としてた年頃に、彼女は某大国の首相として就いていて、いくつもの歴史的快挙を成し遂げたのよ。
おまけに、二十四の時にノーベル平和賞を受賞してるし・・・
だから、辞意を表明した時は、テレビのニュースが殆どメアラの事一色よ。
しかも、辞任後の足取りは、約十年間誰にも掴めない状態だった。
辞任後初めて公の場・・・というか、居場所的なものが分かったのは、一般の人が撮影した動画に、メアラが駄菓子屋でアイスを食べている姿が偶々撮れていた事に因るもので、メアラが日本に居た事にビックリ、しかも既に日本国籍を取得する手続きが完了する迄の待ち状態にまたビックリ、二十五の時より更に美人になっている事に三度目のビックリ。
諸外国からも注目を浴び数ヵ月の間、メアラフィーバーが訪れたのであった。
人の噂も七十五日、メアラフィーバーもそのうち下火になり、一部の人を除き、この事は風化してしまった。
その後、メアラは東北のとある農村で、農業をしながらのんびり過ごしていたらしい。
おっと、また話しが逸れたけど、あたしが何を言いたいかというと、メアラはこの世界でもだけど、地球でもチートの塊の様な存在だと言う事よ。
うん、あとの事はメアラに丸投・・・任せてあたしは順番に農業指導をしに回ろ。
無事(?)メアラにま・・・かせて、あたしは申請の有った順に改革派の領地を回り、農業指導を行う事になった。
「それではメアラ、後はお願いするわね」
「ハイ、リル様。後の事はお任せください」
メアラは微笑みながらそう言う。
出発してから馬車で十三日ばかり過ぎた頃、最初の目的地のパーゾルラント辺境領の領都のアドラウクに到着した。
ええ、基本的に王都の西在る改革派の領地は、あたしの所だけ。
残りの改革派の領地は、あたしの正反対の王国の東端に在る。
領地の配置も、土地が肥沃な場所の殆どは保守派の領地で占められていて、あたし含める改革派や中道派は、痩せている所か荒れ地にしか見えない所が殆どだ。
このパーゾルラントは、王国東部に位置し、領地の六割程が森林で、残りの四割の内の大半が、土地が痩せていてろくな収穫はが見込めず、その為主要産業は林業になるのだが、食料の殆どをほかからの輸入に頼っている為に、あまり豊かじゃない。
あたしが二圃制を指導してから数年経つが、年々収穫高が上がっているという話しだ。
なので、思いきって三圃制を指導する予定だ。
この領地の場合、リゼルアと違い、土地は痩せているが、年間降水量は
900ミリ程とまあまあ有り、月間降水量が50ミリを切る月が12月1月2月の三ヶ月間だけなので、春小麦、冬小麦、休耕地の基本型にするつもりだ。
メアラの試算に依ると、現在在る小麦畑を全て三圃制に移行出来れば、収穫高は二圃制の時の倍は増加するらしい。
小麦だけに関して言うと、輸出出来る様になるとの事だ。
・・・えっ?ってか、メアラってば何でそんな情報を持ってるの?
・・・いや、そう言う物だと思って、無理矢理納得しよう。
触らぬ神に祟り無しって言うし・・・
ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字など有りましたらよろしくお願いします。で、メアラはチートです回じゃないの?」
セフェラ「ま、そう見えるだけだよ」
ベリアル「え~。世の中の何処に、17才から首相を努められるの?」
セフェラ「確かに、メアラの故国では、メアラを首相にする為だけに、全会一致で被選挙権の年齢を17に下げたらしいけど」
ベリアル「ま、普通に考えたら有り得ない話しって事だね」
セフェラ「まぁ、それは全て端に寄せといて」
ベリアル「次からの展開だね」
セフェラ「今回で農務卿の仕事は書いたから」
ベリアル「分かりにくいけど」
セフェラ「次回は、前々回の続きかな?」
ベリアル「そうなんだ。それでは、今後とも新米辺境領主リルーエットの、異世界奮闘記をよろしくお願いします」




