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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
五章 農政改革
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十二話 備える事にしました1

メアラ「いつもありがとうございます。もう解禁でよろしいのですか?セフェラ様」

セフェラ「うん。ベリアルには言ったけど、君にはまだだったでしょ?」

メアラ「ハイ。確かにそうですわね。所で最近暑いですね」

セフェラ「ベリアルの面の皮?」

メアラ「もう・・・違いますわ。夏の暑さですわ」

セフェラ「暑いねぇ。まだ七月なのに洒落にならないよ。今年は連日40℃を超える酷暑日が・・・とかなったりして」

メアラ「わたくしは気象は専門外ですから何とも言えませんわね。ラセルちゃんならその辺答えられると思いますけど」

セフェラ「ラセルかぁ・・・登場人物はまだ少ないし、登場させるか・・・」

メアラ「そこはセフェラ様のさじ加減ですわ」

セフェラ「う~ん・・・でもそうなると、ただでさえ男はセバスチャンと腹黒宰相とドルトン位しか居なくて女子率が高いのに、更に高くなるなぁ・・・」

メアラ「それでは、十二話、備える事にしました1をどうぞ」

セフェラ「えっ!?そこで締めるの!?」

一週間後、あたし達は、アジェラルの中心地であるダナルブルクに向かった。

ザールラントからは馬車で片道二日半掛かった。


現在はまだ未舗装なので、これだけの時間が掛かったが、今回は試験的にアスファルト舗装にする予定なので、これが上手く舗装出来れば、ザールラント、アジェラル間が片道一日も掛からなくなるのと、領内の全ての街道をアスファルト舗装にする事になる。


・・・と言っても、アスファルトは未だ発見されていないので、石炭を乾留する際に発生するコールタールを用いた、擬似アスファルトコンクリートになるのだが。

コールタール自体は、馬車等の木製品の防腐剤として利用しているが、コールタールの発生量に対しての使用量は、ごくごく微々たる物なので、大量に余っているのが現状だ。


ハッシーシュに手伝って貰い、コールタールに混ぜる骨材の量を調整して試行錯誤してみるが中々上手くいかない。

現時点では、将来的にアスファルト舗装がしやすい様に、街道の道幅を広くし、凹凸が無い様に均す程度だろう。


この区間以外の街道は


リベブルク~ザールラント~王都間は石畳

ザールラント~ラゼリア~ゾアレ村間はコンクリート舗装


以上の舗装をしているので、アスファルト舗装にする際は、一度撤去する必要がある。

コンクリート舗装は、ある程度の大きさに破砕して、コンガラ砕石として、再利用する予定だ。

ああ、コンクリート舗装は大変だったよ。

地球みたいに、コンクリートを生産する近代的なプラントなんぞ在るわけ無いので、全て手練り。

道幅は5セル(10m)、厚さ0.5デルセル(10cm)、距離は確か・・・75,000セルは有っただろう。

その上に千セル毎に井戸を掘らねばならないので、よくあの短期間で施工が完了したと思う。


兎も角、現状では、雀の涙程度の資金でいかにして、このアジェラルを開発するか、という話しになるのだが、今回は、経済的な開発だけでは無く、軍事的な開発もしなければならない。


ザールラントから、領兵を百名ばかり先発隊として連れて来ている。

この百名には後発隊四百名を含めた、五百名分の宿舎を建設して貰う事になる。

先にも触れた様に、現時点で用意出来た資金はほとんど無い。

この資金の九割は街道の整備に消えてしまうので、軍に回せる資金は更に少なくなる。

当然、この資金から、こちらに回した領兵の宿舎やら食糧等を遣り繰りしなければならない。

・・・・・・正直に言おう。

二十名分の宿舎と、その二十名が年変わり迄の三ヶ月分の食糧を調達出来る程度の資金で、どうやってその25倍の五百名の宿舎と三ヶ月分の食糧が調達出来ると思ってんだ・・・バカヤロー。


あまりに酷い内容なので、思わず本音が出そうになった。


じゃあどうするのかって?

あたしのポケットマネーから出すしか無いでしょ。

折角、税収が上向いて、あたしが、持ち出していた分の一部が、領政府から償還されたのに、瞬く間に消えて行く・・・嗚呼。


さて、気を取り直して、食糧に関しては、主食である小麦はドンカッター商会から何とか安く購入するとして、野菜等の所謂副菜関係は、自給自足にする予定だ。

つまりは、屯田兵制度を取り入れるのだ。


「リル様。ちょっと質問してよろしいでしょうか?」


「どうしたの?タレザ」


「この屯田兵というのは、どういった制度なのでしょうか?」


「平時には農業に従事し、戦時には兵士として従軍する・・・だったかしら?」


「概ねそれで良いと思うよ。因みにどの辺りに配置するの?」

ベリアルは、アジェラルとその周辺の地図を出す。


「ここかしら・・・」

あたしは、アジェラル南西部に在る、小高い丘を指す。

小高い、と言っても、周りより2、3セル(4~6m)程度高い位であって、ここに砦を築き、山城って言うには憚られる程度でしかない。

しかし、その更に先の大平原に造ろうものなら、ここを取られた時、ここからカタパルトの砲撃に遇う事が推測され、さながらディエン・ビエン・フーのフランス軍の様になってしまう可能性が有る。


しかも、この丘が曲者で、適度に木が生い茂り森を形成しているので、夜陰に紛れてしまえば、直ぐに取られた事が分からない。

そうならない様に、戦争が勃発してから兵を配置する位なら、最初からここを拠点とした方が都合が良い。


まぁ、片や温暖な気候で、剣と弓と魔法の世界。

片や熱帯性の気候で、飛行機や戦車の行き交う世界。

なので、一概に比較は出来ないが、装備に劣るベトナム軍にフランス軍が負けたのが、このディエン・ビエン・フー盆地(・・)なのである。


「あぁ、周りの状況からすると、そこしか無いねぇ」

ベリアルもあたしの提示に対して賛同するが、現在この部屋に居る五名の内、あたしとベリアルとメアラは分かっているが、前世が女子高生のティアと、武人としては()一流だけど、将軍としてはまだまだなタレザの二名は、どうやら分かっていない様だ。

一々説明するのは面倒だから、ベリアルかメアラに投げよう。




ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字など有りましたらよろしくお願いします・・・で、誰の面の皮が厚いって?」

セフェラ「君の」

ベリアル「そういう事を言う奴はチューしちゃうぞ」

セフェラ「お断りさせて頂きます」

ベリアル「えっ!僕の事が嫌いなの!?」

セフェラ「いや、寧ろ好きだけど」

ベリアル「じゃあチューさせて・・・と言うか、チューします」

(自主規制)

ベリアル「プハァ。ご馳走さま」

セフェラ「ご馳走さまって、キス長すぎだよ」

ベリアル「いいじゃん。僕みたいな美女とチューしたんだから。因みに、今回は一寸短いねぇ」

セフェラ「今月は暑さに因る疲労もあって、まだ二回しか更新してないもの」

ベリアル「まぁ・・・毎日更新している方が居るのに一寸は見習ったら?」

セフェラ「いやぁ、アチキにそこまでの文才は無いよ」

ベリアル「・・・もうセフェラったら・・・で、次話は、備える事にしました2でいいのかな?」

セフェラ「それか、裏側の話しを割り込ませるか考え中」

ベリアル「そうなんだ・・・そう言えば、サラッと忘れている男性が居るけど」

セフェラ「忘れたままにします」

ベリアル「ハァ・・・それでは今後とも、新米辺境領主リルーエットの、異世界奮闘記をよろしくお願いします」

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