表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
五章 農政改革
63/101

十一話 領地を下賜されました

ベリアル「いつもありがとうございます・・・漸く今月二回目の更新だねぇ・・・で、名前の方解禁するの?」

セフェラ「うん、そろそろ個人的に常世の名前を使うのは悪いかな?と思ってね」

ベリアル「でもPNはそのままなんだ」

セフェラ「そこは今更ねぇ・・・」

ベリアル「面倒だと」

セフェラ「いや、そこまでぶっちゃけなくてもいいんじゃない?」

ベリアル「少しは思ってるんだ」

セフェラ「と、兎に角、十一話、領地を下賜されましたをどうぞ」

ベリアル「逃げた」


ゾアレ村のリゾート開発も一段落したので、久し振りに戻って見ると、偶然なのか、謀ったのか、王都から使者がやって来た。


「国王陛下からの勅命である。有り難く受け取られよ」

執務室に使者を通すと、使者殿はそう言った。


「謹んで拝命致します」

あたしは、方膝を着き、使者殿から目録を受け取ると「大儀である」と、偉そうな物言いして、さっさと帰って行った。

あとでセバスチャンに聞いたのだけど、どうやら保守派の者らしい。



使者が帰った後、あたしは目録の書かれた紙が入っている封筒を開け、内容を確認してみる。


「ねぇリル。何て書いて有った?・・・まぁその調子だとあまり良い事は書いて無いみたいだね」


「ええ。アジェラルを賜ったわ」

あたしは、ベリアルに、目録の書かれた紙を渡す。


「ああ。それなら、リルが渋い顔をするはずだね」

ベリアルは苦笑をする。


アジェラルとは、リネルメの南に位置する辺境領で、現在は直轄地であるが、経済基盤は脆弱そのもので、あたしが領主を継いでから六年間、領民の生活は困窮する一方で、直轄地なのにまともに統治する気が無いのは明らかである。


原因は、議会の過半数が保守派であり、腹黒宰相とあたし以外の大臣のポストは、保守派で占められており、当然、内務も保守派の貴族が担っている。

なので、自分達保守派の領地には、国庫からお金を巧みに引き出し、せっせと投資している。

なので、保守派の領地の領民は、そこそこ良いくらしをしている。


一方、あたしを筆頭とした改革派や少数派である中道派の領地には、雀の涙程度の予算しか回さない。

直轄地に至っては、びた一文お金を回さないで放置している。

今在る直轄地は、全て王国最底辺の貧しさだ。


先日拝領したラゼリアラントも、拝領した当時は、王国一貧しい領地と言われ、ラゼリアの砂漠緑化事業に、ゾアレ村のリゾート開発という事がなければ、今も貧困に喘いでいただろう。

因みに、現在のラゼリアラントは、ラゼリアの人口が八千人超で、ゾアレ村の人口も三千人を超え、ラゼリアラント全体で見ると、人口は二万人を超えた。


しかし、それだけの経済発展を遂げたものの、当然、それだけの資本を投入していて、その金額は結構な額になるので、投資費用の回収は一朝一夕にとはいかない。

つまりは、アジェラルに投資する資本が全く・・・というのは語弊があるが、ほとんど無いのは確かだろう。

唯一、ザールラントからアジェラルの中心の町のダナルブルク迄の街道の敷設が出来る位だ。


「お金さえ有ればねぇ・・・」


「無いんだ」


「使える分は、ほとんどラゼリアラントに突っ込んだわ」


「じゃあ来年かぁ」


「そう言う事になるわね」


「概算要求は出したの?」


「こんな話しが来るのはもっと先だと思ったから、まだこれからよ」


「早くしないと、サラ嬢に拒否られるよ」


「そうなのよねぇ・・・まぁ、今年は余剰金で街道を整備して、来年は灌漑施設の設置かしら?」


「やっぱ、そんな所なのかな?」


「まぁねぇ。それに、井戸を掘る深さが、リネルメやラゼリアラントより深くないと、水が出ないと思うわ」


「ああ・・・ひょっとして、リネルメやラゼリアラントみたいに、地下河川が無いんだ」


「そういう事ね。地上から見ると、リネルメからアジェラルにかけて、測量でもしないと分からない程度の下り勾配の斜面になっていて、起伏が有る様には見えないけど、丁度、リネルメとアジェラルの領境の辺りで、地下に山というか土手というか、兎に角そういうのが在るのよね。わたしの推測だけど、昔地震が起きた際の地殻変動で、丁度、領境の辺りが隆起したんだと思うわ。その後、ガガドラク山の噴火とかで出た火山灰等の堆積物に因って、今みたいな、起伏がほとんど無いなだらかとは感じれない斜面になったんだと思うわ」


「何?リルってば、いつアジェラルに行ったの」


「ああ、あれは、ラゼリアの開発をする前位ね。暇だ、暇だと言ってた時有ったでしょ?その頃に、サラから「そんなに暇なら外に行って視察でもして来て下さい」って言われて、仕方なくいろいろ見てまわったよ・・・ティアと一緒に」


「えー、酷いなぁ。そういう時は、僕にも声を掛けてくれないと」


「というか、貴女、サラに捕まってたじゃないの」


「え!あの時かぁ・・・間が悪いなぁ・・・それよりどうなの?」


「何が?」


「アジェラルの開発だよ」


「開発ねぇ・・・雨はこっちより降るのだけど、土地は痩せている感じなのよねぇ。だから、数年間は厳しいかも知れないわね。尤も、キナ臭い噂が無ければ、そんな事は無いのだけど・・・」


「ああ、ラナバルラントかぁ・・・僕もそっちの噂をよく聞くね・・・となれば、防衛にもお金を振らなきゃいけない訳だ」


「そういう事。問題は兵士の数よねぇ・・・現行法だと、アジェラルの兵士は、30人程が限界なのよねぇ」


「そうだよね・・・それなら、こっちにも部隊を回す?」


「それしか無いわね。武器は、アジェラルの行政府の倉庫にでも保管して置けばいいわね。それだと・・・200人位イケるかしら?」


「防衛という観点から言えば、500人は欲しいけど、保守派から突っ込まれる可能性が有るから、それ位が限界かな?・・・ん?そう言えば、アジェラルは辺境領として存続?それとも、リゼルアに編入?」


「ん!!・・・・・・ベリアル。良く気が付いたわねぇ。アジェラルはリゼルアに編入という扱いよ。それならザールラントの駐在部隊を、アジェラルに持って来る事が出来るわ」


「それなら、千人位駐留させ、後は援軍って形になるね」


「そうねぇ。出来るだけ早急に、街道を整備する必要があるわね」


「そうそう。治安部隊はどうなってるの?」


「ああ、あれね。あれなら五千人程になるわ。ラゼリアラント全体で750人、残りがリネルメに配置しているわ」


「ん、というと、あれはこっちに居るんだ」

ベリアルがそう言うと、勢いよく執務室の扉が開く。


「ベリアル貴様!私の事をあれとは何だ!あれとは!私には、タレザという歴とした名が有る」

耳聡いタレザが、ベリアルの(げん)に憤慨する。


「ハイハイ。で、タレザ。どうしたのかしら?」


「い、いえ。私もお供させて頂ければと思いまして・・・」


「その事なら、最初からそのつもりよ」


「ようやくリル様は、私の事を好・・・」

「いや、そういうのじゃないからね。ラナバルラントの動向が思わしく無いから、今回賜ったアジェラルの防備に関して、軍人である貴女の助言が欲しかっただけよ」


「えっ!?私の事を抱きたい位欲しかったのですか!?」


「ハァ?タレザ。貴女どういう耳しているのかしら。わたしは、貴女に同行して貰いたいだけであって、誰も抱こうとは思って無いわよ」

タレザのあまりの解釈に、あたしは内心頭を抱える。

リル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字など有りましたらよろしくお願いします・・・長かったわねぇ」

セフェラ「その事に関しましては、申し訳ありません。としか言い様がありません」

リル「で、大丈夫なの?次章は」

セフェラ「えっ?」

リル「えっ?じゃないでしょ、あんたは・・・それで、この章は、あと数話で終わって、次章になる。でいいのかしら?」

セフェラ「そういう感じかな?この章は、あと、アジェラルの事と、農務卿の事と、抵抗勢力の事を書いたら大体終わりかな?」

リル「ふぅん。それなら三話で・・・終わらないわよね」

セフェラ「アジェラルの事が何れくらいになるか分からないし」

リル「抵抗勢力の事は時間掛かりそうよねぇ」

セフェラ「ほかの方みたいに、物語の闇の部分を上手く書けるとは、微塵も思ってないし」

リル「そこは頑張りなさいよ。それより、あれ何とかならないの?」

セフェラ「ダメでしょあれは・・・個人的には匙投げだなぁ」

リル「え~。何とかしてよ。あの娘は、武人として、また軍人としては優秀だけど・・・あれが無ければねぇ・・・それより、次話はアジェラルを開発しました。になるのかしら?」

セフェラ「アジェラルは、ラゼリアみたいに、只内政開発だけすればいい訳じゃなく、軍事開発もやらなきゃいけないから、次話のタイトルはまだ未定だね」

リル「内政開発も軍事開発も【開発】なんだから、それでいいんじゃないの?」

セフェラ「さすがに一寸芸が無かったりとか思うんだよね」

リル「それもそうねぇ・・・それで、今月中にもう一回位更新出来るのかしら?」

セフェラ「頑張ってみるけど、多分無理かなぁ」

リル「あまり発破を掛けてもダメだし、そこは妥協するか・・・」

セフェラ「スミマセン。手数掛けます」


リル「え~、それでは、今後とも、新米辺境領主リルーエットの、異世界奮闘記をよろしくお願いします」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ