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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
五章 農政改革
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四話 砂漠を開発しました3

ベリアル「いつもありがとうございます。なんか今日は早くない?」

常世「キレがいいので切りました」

ベリアル「まぁ、その分短いけどね。一部に気象データも有るし」

常世「・・・どうしよう」

ベリアル「何が?」

常世「コメントが浮かばない」

ベリアル「そんなん知らんがな」

常世「・・・・・・」

ベリアル「・・・あー、もぅ。それでは、四話、砂漠を開発しました3をどうぞ」

メアラから歓待を受けた翌日、さっそく、油ヤシの農園に向かった。


油ヤシの農園は、奥行きが25セル、横が50セルの長方形の物が二面あり、そのどちらもやや密集して植えられていた。

油ヤシの高さは大体4セル前後で、その木陰に、ぼそぼそと野菜が植えられていて、今も村人が野菜の収穫をしていた。


「中々考えてるわねぇ。これなら塩類集積も起き難いわ」


「昔読んだ、とある書物の写真を参考にしました」


次に、塩類集積が起こってしまって、放棄された農地に向かった。

その農地は、一面真っ白・・・という訳ではないが、所々でちょっと高くなっている場所が白くなっていて、現時点では農地としては使い物にならないのがよくわかる。


「ここは、もう農地以外にしか使い物になりませんよ」


「いえ、まだ農地として、復活させる事が出来るわ。方法としては、地面を深めに掘り、畝を作り、溝の部分に作物を植えるのよ。塩類は溝の底には溜まらず、その両脇に溜まる様になるわ。それにより、最小限の手間で農地として復活させる事が出来るわ。それより、気象データは有るかしら?」


「こちらになります。確かに、その方法ですと、この土地を、また農地として使う事が出来る様になりますね」


メアラはそう言うと、ラゼリアの気象データが書かれている紙を、あたしに渡す。


ラゼリア

年平均気温:22.2℃ 年間降水量:94mm 

ケッペン気候区分:Bw

   | 月平均気候| 降水量

1月 | 18.1℃| 2mm

2月 | 19.4℃| 4mm

3月 | 21.6℃| 4mm

4月 | 22.1℃| 3mm

5月 | 22.5℃| 8mm

6月 | 23.8℃|10mm

7月 | 25.9℃|11mm

8月 | 27.3℃|27mm

9月 | 24.4℃|14mm

10月| 22.8℃| 6mm

11月| 20.5℃| 2mm

12月| 18.9℃| 3mm


ザールラントと比べて赤道に近いが、大して北に位置している訳ではないのに、砂漠気候な為か平均気温がかなり高い。


数字で見る限り、月の平均気温は30℃を超えてはいないが、日本と違い、砂漠な為とても乾燥しているので、放射冷却の効果がとてもキツく、昼夜の気温差は30℃を超える。

その為、冬には夜の気温が氷点下になる事も有るし、夏場の昼間の気温は、40℃を超える日がとても多く、50℃を超える日も結構有るという事だ。

8月には、多少雨が降るみたいだが、この三倍の降水が無いと湿潤な気候とは言えない。

ここが同じ国とはとても思えず、どこか遠くの()つ国かと思うくらいの衝撃的なデータだ。


あたし自身、気温はもう少し低く、降水量もロンテにはおよばないまでも、年間250ミリくらいは降るだろうと思っていたが、実際は、そのナナメ上を行く苛酷さだ。


因みに、温度計は五十年くらい前から存在していて、降水量に関しては、水の入った状態の容器を、アイテムボックスに入れると、容器の名前と、水がどれくらいその容器に入っているかが表示されるのを利用している。


メアラの話しでは、年々少しずつではあるが、砂漠は広がる傾向に有るという事なので、百年先を見据えるならば、今からでも砂漠の農地化に着手しないと、手遅れになる事は容易に分かる。


昼夜の気温差が大きいという事は、昼はとても乾燥しているが、夜は昼とは違い、飽和水蒸気量という名の(うつわ)が小さくなるので、湿度で言えば、恐らく80%は超えているだろう。

この、夜の湿度が高い事を利用して、何らかの手段でこの湿気を結実させて、灌漑用水として利用する方法も有るという事を聞いた事が有るのだが、このラゼリアでは実行出来ない。


地球でなら、砂漠の余りある太陽光で太陽電池を発電させて、それを蓄電池に充電し、その電気で夜に除湿器をフル稼働させる事で、塩分を含まない水を入手出来る。

それを点滴灌漑で極力節水する事で、除湿器程度の水の量でも結構な広さの砂漠を農地化する事が可能だろう。

除湿器を使って得た水なので、点滴灌漑なら塩類集積を心配する事も無い。


しかし、この世界にはそんな物は存在しないので、前以て用意していた、ピートモスとグラベルマルチを併用した、方法で砂漠の農地化をする事になる。




メアラ「ここまでありがとうございます。誤字、脱字など有りましたらよろしくお願いします。常世様。どうするのですか?」

常世「多少時間を進める予定だよ。あ、そうそう、メアラ。全力出したら、今後の展開に支障が出るから、程々にお願いします」

メアラ「フフ、承知致しましたわ。リル嬢が主役なんですものね」

リル「えー、全力でやって貰っても構わないわよ」

常世「リル。一寸」

リル「何?」

常世「(ゴニョゴニョ・・・)」


リル「・・・確かにそりゃ不味いどころじゃないわね・・・仕方ないわ。メアラ。貴女は程々に頑張ってちょうだい」

メアラ「承知致しましたわ」

ベリアル「話しは纏まった?それで、次は何時更新出来るの?」

常世「今週中には・・・」

リル「無理ね」

ベリアル「絵に描いた餅だね」

メアラ「心苦しいですが、不可能かと思いますわ」

常世「みんな酷いや」(グスッ)

タレザ「それでは、今後とも、新米領主の奮闘記をよろしくお願いします。常世殿。私とリル様との絡みシーンを是非とも入れて下され」

リル「タレザ。あんたは、最後の最後で変な事言わないの」

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