十話 病院を建てました3
ベリアル「いつもありがとうございます。一寸時間掛かっちゃったね」
常世「それに関しては、大変申し訳なく・・・」
ベリアル「それはいいから、今話で病院回は終わりかな?」
常世「そ、それでは、病院を建てました3をどうぞ」
ベリアル「コラ!スルーしない」
食堂に向かっていると、近付くにつれ美味しそうな匂いがしてくる。
(そう言えば、昼食は食べて無いわねぇ・・・)
「昼食べて無いから、夕食が楽しみだわ」
あたしがそう言うと、タレザもベリアルも驚きの顔をする。
「リル様、昼食でしたら、歩きながらですが、サンドイッチを買って召し上がったではないですか」
「そうだよね。分厚い肉を挟んだのと、タマゴを挟んだのを食べてたよね」
(・・・・・・あれ?)
あたしが黙って居ると、ルシフェルはニヤニヤしながら話し掛けて来る。
「ん?ひょっとしてリルーエットは、若年性痴ほう症かな?」
「!!冗談よしてよ。まだ十四なのに、有るわけ無いじゃないの」
あたしは、思い切り否定する。
食堂に到着すると、マチルダは料理の配膳をしていた。
ティアは、一足先に来ていて、配膳が終わるのを待っていた。
「あっお嬢様。もう少々で終わりますので、お掛けになってお待ち下さい」
「分かったわ」
しばらくすると、配膳が終わり、マチルダやセバスチャンも下座の方に座る。
あたしは、食前の祈りの音頭を取る。
「それでは、今日の糧を与えて下さった精霊様に、感謝をして頂きます」
「「「頂きます」」」
皆が食事をしている中、ルシフェルが話し掛けて来る。
「リルーエット。さっきの話しだけど、保険の財源はどうするのよ」
そこであたしは、まず最初に新しく導入する税の事を話した。
「そうかい。それなら農民に関しては、少しこちらが取る額を増やしてそれを充てるんだな?」
「そうね。取る税額は八割の内の三割だから、それを五分増やせばいいと思うのよ。それでも、全体に占める税の割合は二割八分だから、以前に比べれば納税額は安くなるわ。それに、農法を擬似三圃制に変更した、初年度である今年でも、以前に比べれば豊作らしいわ。それに、租税を掛けるのは、小麦だけではなく、大豆とレンズマメにも掛けるわ。だけど、ロロ芋には掛けないつもりよ。」
「そうなると、以前より結構な額の税収が有るわけだな?」
「そうね。あと、農民以外の職業の人は、申告制にするつもりよ。その場合、申告する収入に対して七分を掛けるつもりよ。多少税額を少なく申告しても目を瞑るつもりよ・・・でも、あまり過小申告すぎれば摘発するわ。刑罰に関しては、ベリアルに丸投げしてあるから、知りたいならベリアルに聞いてちょうだい」
「フム、それなら、手透きの時にじっくり聞こうか」
ルシフェルはそう言ってベリアルの方を向くと、当のベリアルはしかめっ面を浮かべて。
「えー、ホドホドにしてよね」
そう言うと溜め息を吐く。
食事も終わり、自室に戻って一刻ばかり経つと、扉をノックする音がする。
「どうぞ、開いているわよ」
あたしがそう言うと、ルシフェルが中に入って来た。
「おう。リルーエット。建てる病院のある程度の図面が出来たから、ちょっと見て貰えないか?」
ルシフェルは、二枚の紙をあたしに渡す。
それに、あたしは一通り目を通す。
「特に変な所や、問題の有る所はは無いわね」
「重畳重畳。それなら明日、会社の方に行くか?」
「そうねぇ。一応領立の病院になるから、領政府として発注しないといけないわね」
「そうだな。それにしても、この世界の文明レベルから言って、時計が有るのにはさすがのあたしも驚いたよ」
「そうねぇ。大きな町や重要な拠点に在る時計塔はには、時の精霊の加護が宿っているそうよ。そういった時計は、百年経とうと一秒の誤差も出ず、正確に時を刻むわ。あと、置き時計は、安い物でも銀貨数枚して、二、三日に一回位時間合わせをしないといけないわ。そこに有る様な物は二、三ヵ月に一回でいいわ。ちなみに、金貨一枚(約二千万円)するわ。百均レベルなら大金貨一、二枚位はするわね。あと、鐘の音は、二つ刻から九つ刻まで一刻ごとに、その刻の数字の回数分鳴るわ」
「へぇ。そいつは凄いなぁ。百年経とうと狂い無しか・・・ちなみに、腕時計は有るのかな?」
「わたしは見た事無いけど、よしんば有ったとしても、置き時計の銀貨数枚レベルでも大金貨数枚はしそうよ。それに、故障したらどうするの。修理代でも大銀貨を請求されるレベルよ」
「かぁ。とてもじゃないけど無理だなぁ。置き時計も百均レベルでそんなにするのか・・・そう言えば、動力はどうなっているんだ?」
「そこが不思議なのよねぇ。時計塔のは、時の精霊の加護で済ませられるけど、置き時計はそれが無いから、前に聞いてみたけど、誰も知らないのよ」
「そうかい。それなら仕方ない。あたしは研究者じゃなくて医者だから、そういうのは好きな奴に任せるさ・・・もうこんな時間かい。それじゃ明日は頼むよ」
ルシフェルが時計を見ると、針は十一つ刻を少し回っていた。
「そうね。わたしもそろそろ寝る事にするわ」
ルシフェルは部屋を退室し、あたしはベットに入り就寝する。
リル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字など有りましたらよろしくお願いします・・・終わらなかったねわね」
ベリアル「そうだね」
常世「・・・」
ダンッ!!
リル「ほら、何とか言いなさいよ。このダメ作者!」
ベリアル「だね」
常世「そこは大変申し訳なく、アチキの不徳の致す・・・」
リル「そういうのはいいからさぁ。こんな終わり方で次どうするのよ」
常世「次話は、好景気になりましただから問題無いかな?と」
リル・ベリアル「「!?」」
リル「こんな所で病院回は切っちゃうの?エライ中途半端じゃない?」
常世「そこは、最初幾らかは、病院回を引き摺って・・・」
ベリアル「ハイ、ストップ。それ以上は不味いんじゃないの?」
常世「・・・気付かなかったよ」
ベリアル「常世~」
リル「あんたって人は・・・とにかく、今後とも、新米領主の奮闘記をよろしくお願いします・・・ホントお願いします。知り合いにも勧めて頂けたら幸いです」




