九話 病院を建てました2
ベリアル「いつもありがとうございます。そんで、エライ微妙な感じで終わってるね」
常世「うん、まぁ、そこいらは後書きで」
ベリアル「ふーん。それでは、九話、病院を建てました2をどうぞ。やっぱり変だよ」
しばらくすると、マチルダがやって来た。
「お嬢様。お茶とお茶菓子をお持ち致しました」
「ありがとう。それではそこに置いて貰えるかしら?」
あたしは、テーブルを指し、置く様に促す。
「承知致しました。本日は、良い茶葉が入手出来ましたので、ご賞味ください。あと、お茶菓子は蜂蜜を使ったクッキーを作りました。お口に合えば良いかと思います」
「あら、マチルダの作った物なら、口に合わない事は無いわよ」
「恐れ入ります」
あたしがそう言うと、マチルダはニッコリと微笑み答える。
「それでは頂くわね・・・蜂蜜の甘味がほんのりして、上品な味ねぇ・・・・・・お茶にも良く合うわ。流石マチルダね」
「恐れ入ります」
「リルも料理は上手いけど、やっぱり本職だね」
「フフ、ありがとうございますベリアル殿。それでは、お嬢様ごゆるりと」
そう言うと、マチルダは退室する。
それから半刻経ち、あたしとベリアルは話しをしながら、ルシフェルの帰りを待った。
「遅いわねぇ」
「そうだねぇ」
「・・・」
「・・・」
「リル。そう言えば、租税はどんな感じだっけ?」
「専業農家の場合は・・・と言っても、この辺境領には、兼業農家は居ないのだけどね・・・ともかく、収穫物の八割を、過去五年間の平均価格で領政府が買い取り、代金の七割を渡し、三割、全体から言えば、二割四分が税となるわね。過去五年間の平均価格だから、収穫前の夏に売却すれば、平均価格より高く売れるわ」
「それ迄在庫を抱えるのはキツいんじゃない?」
「資金面では、換金出来ない不良在庫を抱えているみたいな物だから、売却出来るまで遣り繰りが大変だけど、それも、開始初年度だけだと思うわ。管理面で言えば、ほら、屋敷の近くに大きい建物が有るでしょ?」
「ああ、何か大きいのが何棟も有るね」
「あれが、穀物を保管する倉庫よ。新たに管理人を雇わないといけないけど、大丈夫よ・・・それとも、倉庫を管理する管理会社を立ち上げるのもいいわねぇ・・・」
「そうは言うけど、人はどうするの?」
「・・・そうよ、任せられる人材が居ないわ・・・仕方ないわね、人材が見付かる迄、領政府で運営するしかないわね」
あたしが、今後の事に苦慮していると、不意に扉が開く。
「お嬢は居るかい?」
ルシフェルが帰って来て、あたしの部屋に来た。
「待って居たわルシフェル。貴女に話しが有るの」
「ん~・・・準備が出来たのか!」
「ええ、土地は確保して有るわ。後は、貴女と相談して、建てる病院の詳細を詰めるだけよ。あと、健康保険制度も始めたいから、専門家として意見を頂戴な」
「よし、分かった。あたしも頑張らせて貰うよ・・・建てる病院のベット数は幾つにする?」
「百・・・出来れば二百床は欲しいわね」
「二百かぁ・・・あたしもそれ位欲しいけど、木造だろう?百位が限界じゃないのかい?それ以上になると、移動が大変になる位広大になるぞ」
「やっぱり百が限界かぁ・・・それなら、五十床にして、今後人材が育った又は見付かったら、各村に十床程度の診療所を開設する。と言うのはどうかしら?」
「デッセンラントから、こっちに来るのは結構手間だから、そういう感じもいいなぁ」
「鉄鉱石が見付かったから、今後、鉄筋コンクリート造の建物も可能になるわよ」
「見付かったか!やったなお嬢。それなら、今回建てる病院は、今後取り壊す事を前提にした方がいいなぁ・・・それなら平屋になるな」
「そうねぇ。平屋にした方がいいわね」
「じゃあ、大まかな感じが見えて来たから、具体的に詰めるか」
「そうねぇ」
それから、あたしとルシフェルは、受付の場所やベットの配置、診療室や治療室の場所など、病院内に設置する施設の配置を、一刻半位掛けて決めた。ルシフェルとの話しが一段落して、ベリアルが静かな事を変に感じてうしろを見ると、ベリアルは、あたしのベットで気持ち良さそうに寝ていた。
こいつわ!
時間も、そろそろ九つ刻なろうか、窓から外を見ると、夜の帳が降り始めている。
「ちょベリアル。いつまで寝てるの、そろそろ夕食の時間よ」
あたしは、気持ち良さそうに寝ている奴を起こすと、奴は気だるそうに起きる。
「もう、そんな時間?」
「そんな時間?・・・じゃないわよ!」
その時、扉を叩く音がする。
「はい、開いているわよ」
扉が開くと、タレザが入って来た。
「リル様。マチルダ殿が夕食の準備が出来たとの事で、呼びに来ました」
「ありがとうタレザ。ベリアルにルシフェル。それじゃ行くわよ」
「ふぁい」
「分かった」
あたしは、タレザも伴って食堂に向かった。
常世「ここまでありがとうございます。誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします。いやね、書いているうちに四千文字にいきそうな感じになって、こりゃ前のを一日遅らせて三千文字位で投稿すれば、1、2で終わった筈で、1が二千で、2が四千って変でしょ?失敗したなと思ったよ。アチキの予定では1、2で病院ネタを終わらすつもりだったからね」
ベリアル「でもなぁ、何か次も同じ言い訳を言ってそうだよ」
常世「・・・・・・やめてよ。変なフラグが立つジャン・・・いやでも、ここまで来て投稿回避とか・・・・・・それでも・・・」
ベリアル「ハイ、今後とも、新米領主の奮闘記をよろしくお願いします。次話は、病院を建てました3です」
常世「いやしかし・・・」
ベリアル「ほら、悩んでないで、もう寝るよ常世」




