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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
四章 領地興隆
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七話 お山の調査をしました3

常世「いつもありがとうございます。」

タレザ「・・・なぁ、常世殿。リル様と・・・その・・・何だ、大丈夫なのか?」

常世「いや、何の話し?それでは、お山を調査しました3をどうぞ。」

タレザ「常世殿!」

翌日、あたしはベットから起きると下の食堂に向かった。

今は四つ刻半を幾らか過ぎた所。

タレザはムフフな笑顔で、ベットが別だったあたしの隣で寝ている。

こいつは!!



タレザを無視して下に降りると、厨房からは朝食の仕込みの真っ最中なせいか、美味しそうないい匂いがしている。

「んー、マスターお早う」

「お早うさんお嬢ちゃん。昨夜は良く眠れたかい?」

「お陰様でぐっすり眠れたわよ・・・それより、何か食べる物無いかしら?」

「おいおいお嬢ちゃん。あと四半刻待てば朝食が出来るから、それまで待てないのかね?」

「何か無性にお腹が空いちゃって、がまん出来ないわねぇ。あれなら、場所が借りれれば自分で作るよ」

「おお。お嬢ちゃん料理が出来るのかい?そっちのかまどなら空いているから、火入れからになるけど使って構わないよ」

「ありがとうマスター」

あたしは、アイテムボックスから木炭と肉を取りだし、先ずは、ハッシーシュを喚ぶ。

『リル様。お喚びですか?』

「うん。ちょっとかまどに火を点けるのを、手伝って貰え無いかしら?」

『承知致しました』

そうすると、かまどに入れた木炭に火が点く。

『この位で大丈夫ですか?』

「ありがとう。丁度いいわ」

ある程度火力が出て来たら、かまどの穴の大きさにカットした肉を串焼きにしていく。

木炭を、かまどから出し入れしながら火力を調整する。

「おぅ。お嬢ちゃん中々上手いなぁ・・・ところで、それひとり分かい?」

かまどの傍らに、焼き上がった肉が何枚も積み重なっている。

「さすがに、この量はひとりじゃ食べれないわよ。殆どは護衛の分よ」

宿のマスターは、ホッと胸を撫で下ろす。



少しすると、タレザが朝の鍛練から戻って来た。

「リル様自ら調理されているのですか?」

「やーねー。ウチには人一倍食べる人が居るから、作ってるんじゃないの。タレザ、貴女、宿で出る分で足りるの?」

「申し訳ありません。正直言うと全然足りないです。それを、私の為に・・・感激です」

タレザが何かあっちの世界にイッている感じがするけど、スルーする事にした。

まぁ、ぶっちゃけ、あたしも宿で出る料理では、ちょっと食べ足りない感じはしたけどね。

宿で出る朝食は、豆のスープ(薄味)とパン(おかわり自由)だけだ。

それに加え、あたしが焼いた肉(一枚200グラム位)を、あたしが三枚、タレザが十枚食べた。

食べた量に、宿のマスターは呆れ顔をしていたが。

普通は、朝からやっている屋台も有るので、足りない場合はそちらを利用する。



朝食を終えると、丁度四つ刻の鐘が鳴った。

レフィーナを喚んで、屋敷までおつかいを頼んだ。

二週間の予定で、三週間分の食糧(水はウィンネに出して貰う)を用意したのに、何か足りない気がする為だ。



それから、先ずはリネルメ鉱業の様子を見に行く。

周りの建物が精々二階建ての中、リネルメ鉱業の社屋は三階建てなので直ぐ分かる。

宿からは山に向かって十分位、定期馬車の停留所からは同じく十五分位の、山の入り口に建っている。

山の入り口な為、一セル程高くなっている所に建っているので、余計目立つ。



「おはよう。みんな頑張ってる?」

「あっ!社長。おはようございます。皆朝から張り切ってますよ。それで、今日はどうされましたか?」

あたしが声を掛けると、事務員の女性が答えた。

「みんなの様子を見に来ただけよ。わたしは、これからタレザとゲランダルク山周辺の調査に向かうのよ」

「あぁ。それでは、お茶を召し上がる時間は無さそうですねぇ」

「ん?それなら、せっかくだから頂くわよ」

「良かった。共和国産の良い茶葉が入ったので、飲んで行ってください」

それから、その女性の手つきは慣れたもので、少しして、あたしとタレザの分のお茶が出される。

ちなみに、この世界でお茶は結構マイナーで、その上生産している地域が限られている為、お値段は結構高い。

茶葉50グラム位で安い物でも、大銅貨一枚はし、見た感じこの茶葉は銀貨二枚位はしそうだ。

女性の淹れ方も有るが、やっぱりいい物はおいしい。



お茶を飲み、社屋を出た後、炭鉱に向かった。

炭鉱に向かったのには、ゲランダルク山周辺に向かうのに、炭鉱を経由した方が楽だし早い。という事だからだ。

炭鉱へは、荷台に乗ってタレザに牽いて貰い、そこから先はふたりで徒歩になる。



炭鉱を離れ、山に入って一刻、あたしはめぼしそうな所の石をアイテムボックスに入れ確認をする。という行為をしていた。

ゲランダルク山系は、ガガドラク山とは違い造山系なのか、火山岩等放出物は殆ど無い。



それから、しばらくすると、妙な石が有った。

それを、アイテムボックスに入れ見ると


硝石(小)


鉄鉱石を探しに来て、硝石を発見した。

硝石は水に溶けやすい性質をしているので、この辺りは雨が降らないのだろう・・・と、言っても、崖が抉れた内側なので、多少の雨ならまず掛からないためと思われる。

(これで、黒色火薬が作れるわねぇ。木炭はたくさん有るし、硫黄はガガドラク山を調査すれば見付かるだろうから、火縄銃は・・・絵描いてターシャに投げて見るか・・・火箭・・・ロケット花火みたいのは作りたいわねぇ。ティアは知らないかしら・・・それより、鉄鉱石を探さないと)

その日は、それ以上成果も上がらず、夜営し就寝した。



翌日、朝から雨・・・は降っていなかったが、少し霧が出ていた。

濃霧って程ではなく、100セル先は何とか見える具合だ。

50セル先はハッキリ見えるので大丈夫なのだが、これだけの霧が出ているので、慎重に進む事にした。

昼に近くなると、霧は少し晴れたのか、視界が大分良くなった。

この日も大した成果は上がらず、まだ霧も出ているので、少し早目だが、大体八つ刻くらいかな?って時間に夜営の準備をした。



「リル様。中々上手くいきませんねぇ」

「仕方ないわ。わたしとしては、昨日今日で見付かるとは思っていないし、ひょっとしたら二週間の期間中に見付からない可能性も有るわ。今日はここまで来たから、明日はこの辺りに行くわよ」

あたしは、タレザに答えつつ、明日の予定を話す。



それから一週間程は、何の成果も無く過ぎて行く。

入山して十一日目。この日も、簡単に朝食を済ませると、昨日迄と同じく、トンカチでめぼしそうな所を叩き、出来た破片をアイテムボックスに入れ確認していると・・・



ヘマタイト



赤鉄鉱だ。

周りを確認したら、どうやら川の跡が有る。



赤鉄鉱は、地球では一般的な鉄鉱石だ。

この世界は、時代的には中世位だが、製鉄技術が秘匿されている為、食器とか、調理器具は真鍮製が多くを占め、武器も青銅製の物が結構有る。

局所的には、さながら青銅器時代に近い。

なので、リルーエットがやろうとしている事は、国際的なパワーバランスを大きく崩す、要因となりうる。

(まぁ、あたし的には、パワーバランスなんて知った事ではないし、これで備えないのは阿呆のする事だから、武器は作るけどね)



それからあたしは、目印の立て札を立て、下山する事にした。

ホントは、まだ調査したいけど、大食いが居るので、食糧の手持ちが心配だ。

今居る場所から、一番近い食糧補給場所は、リネルメ鉱業なのであるけど、そこまでどんなに頑張っても三日は掛かる。

余裕見て三週間分用意したの筈なのに、この調子で行けば、あと三、四日で無くなりそう・・・

(まったく。タレザのはらぺこ騎士め。最低限の目的は果たしたけど、結局全体の十分の一程度しか調査出来なかったわねぇ。折を見てまた来るしか無いわねぇ。まぁ、それまでには鉄鉱山での採掘も始まって、そこまでは馬車で来れる様になるけど・・・半年は先になりそうねぇ。次の冬迄には、一回は調査したいわ)



あたしは、そう思いながら、下山するのであった。




ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします。でぇ、そこのは何?」

常世「リルとイチャイチャ出来なかったから、すねてるんじゃない?」

ベリアル「障らぬ神に祟り無しだね。」

常世「んだんだ。」

ベリアル「常世。それで、次は?」

常世「ルシフェルの出番かな?」

ベリアル「え~、その話し流そうよ。」

常世「そうもいかないのが辛い所。医療の話しもしないと。只、アチキは専門家じゃないから、おかしな所が有ったら指摘して欲しいねぇ」

ベリアル「とにかく、次は、病院を建てました・・・かな?」

常世「それで大丈夫。では、新米領主の奮闘記をよろしくお願いします。」


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