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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
四章 領地興隆
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四話 鉄を精錬しました1

常世「いつもありがとうございます。」

ベリアル「おっ、今回は早いねぇ。昨日の今日でないにしろ、いい傾向だな。多少短いけど・・・」

常世「次もなるたけ早く更新しますのでご容赦ください。」

ベリアル「で、どんな感じ?」

常世「う~ん、予定としては、延べ棒迄辿り着きたいけど・・・どうかなぁ?」

ベリアル「とにかく、続きは後書きにして、それでは、鉄を精錬しました1をどうぞ。」

常世「う~ん」

竣工式典のお祭り騒ぎから、凡そ二週間が経った今、あたしは、炭鉱のから東に約300セル程離れた場所に在る、耐火レンガ用の粘土が採取出来る場所に来ている。


それと、炭鉱と金鉱山の開山式は、四日前に終わった。

街道の竣工式典に比べると、何かパッとしなかった印象は有るけど、まぁ、何事にも建前や形式は必要だからねぇ・・・


あーそうそう、何でこんな場所に来ているかと言うと、石炭を蒸し焼きにしてコークスを作るには、かなりの高温(約1300℃)が必要なので、その為の窯を作らないといけないのを、ティアが話してくれた。

で、ターシャに鍛冶の窯に使う粘土は、何処で採れるのか聞いて、今、この場所に来ている訳だ。


近代的なコークス炉などと言う代物は当然出来ないので、窯が出来たとしても、軽油や可燃性のガスはおろか、タールも採取出来な・・・いや、タールくらいなら・・・とにかく、近代的なコークス炉からしたら、粗末とも言える窯を作る。


で、そんな窯でコークスが蒸し焼きに出来るかと言うと、そこはファンタジー、精霊様という存在が解決してくれる。

あー、サラは自分の城に帰ったから。

何でも、不安定な力の制御を改善する為に、一旦帰ったという話しだ。

で、火の精霊居ないジャンって話しになるけど、一応サラの側近兼護衛のハッシーシュと契約した。



『リル様。それが、コークスとやらを作る為に必要な土・・・いや、粘土でしたね。』

「そう、この粘土を、形成→乾燥→焼成、出来たレンガでレンガを焼く為の窯を作って、そこで出来たレンガでまた窯を作る。最初の窯は、木炭を作る為の、炭焼き窯として使えるから残しておく。二回目の窯で出来たレンガでまた窯を作ってレンガを焼いて、三回目の窯から出来たレンガで、四回目の窯を作って、その窯を石炭からコークスを作る窯として利用する。こんな感じかしら?」

『随分手間が掛かるものなのですね・・・して、拙者の出番は?』

「そうよ。だから、石炭と金鉱石を採掘する事から、その精製迄を行うリネルメ鉱業を起こして、人を雇ってこうして作業させてるのよ・・・」

そこには、二十人程の人夫が、粘土を採掘したり、その粘土をレンガの形に形成している。


「ハッシーシュの出番なら、石炭を蒸し焼きにしてコークスを作る時に必要になるわ。苦労してコークスを作る為の窯を作っても、最初は恐らく幾らか温度が足りない気がするのよねぇ。その足りない分を、ハッシーシュに補って貰いたいのよ。多分二回目からは必要無くなると思うから、よろしく頼むわね。」

『それならお安いご用です。何なら、直接コークスを作る事はおろか、鉄の延べ棒を作って見せますよ。』

「ハッシーシュ。貴女それを未来永劫やるつもり?」

『!!・・・無理ですね・・・いや、一族の者を交代で従事させる事は出来ます。火の扱いには長けていますので、ご協力させて頂ければ幸いです。』

「そう・・・・・・それなら、何名かをリネルメ鉱業の従業員として、雇用したいわ。もちろん、報酬の方は考えておくわ。」

『承知致しました。それでは、適任者を何名か見繕っておきます。』

「ええ、人選は任せるわ。」



一週間後、計画通り石炭を蒸し焼きにする為の窯が出来上がった。

「さて、これから火入れなのだけど、耐久性の方は大丈夫かしら?」

『石炭を蒸し焼きする時、窯がその熱に耐えられるか、という事ですか?それならまずまず問題はありませんな・・・それと、蒸し焼きにした際、副産物ができそうですが、ご入り用ですか?』

「ん!?軽油とかコールタールとか半ば諦めていたけど、抽出出来るの?」

『軽油とかコールタールというのが、何の事か分かりかねますが、液体状の副産物を回収する事が出来ます。気体の副産物も有りますが・・・』

「それはさすがに容器自体が無いから、残念だけど無理ねぇ。液体状の副産物は、サラッとした物と、ドロッとした物の二種類有る筈だから、ガラスの容器をたくさん用意しておいたから、サラッとした方のをそれに入れて頂戴な。ドロッとした方は、このあと窯の近くに穴を作っておくからそこに入れて頂戴。あと、リネルメ鉱業の従業員となった精霊に、引き継ぎとかしっかりやっておいて頂戴。」

そう言って、ドルトンに頼んでおいた一升瓶程の大きさの瓶を指す。

ちなみに、ガラスはまだまだ高価で一瓶銀貨一枚(10,000ズゼ、約20万円)もし、それを金貨三枚分に当たる、三百本調達して貰っており、輸送に関しては、街道建設の際に出たおが屑を、集めさせておいて、それを利用する事で、何とか一本も割れずに、ここまで輸送する事が出来た。

ドルトンが驚いていたのは言うまでもなく、幾らか融通してくれと頼まれたので、馬車一台分を大銅貨一枚で売った。

アイテムボックス?そんなの存在自体忘れてたわよ。



『委細承知致しました。』

そう言うと、ハッシーシュは早速作業に入る。

あたしも、早く穴を作っておかないと・・・




ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします・・・それで鉄自体は、コークスを使って容易に作れる様になるとして、延べ棒ともなると、それより高い温度が必要になるんでしょ?」

常世「そこで、高炉、という事になるけど・・・ぶっちゃけ、まだ時期尚早な気がするのよねぇ。技術的に。」

ベリアル「そうか、何も考えて無い様に見えて、実は【少し】は考えているのね。確かにまだ早いかなぁ?」

常世「コークスを使って、酸化還元反応を起こして終わりでいいと思うのよねぇ。」

ベリアル「そこら辺が、妥協点かなぁ・・・」

常世「軽油とコールタールが回収出来ただけでも、収穫という事で」

ベリアル「それでは、今後とも新米領主の奮闘記をよろしくお願いします。」

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