三話 冠婚葬祭をしました3
ルシフェル「いつもありがとうございます。それでさぁ、あたしの出番は?」
常世「結構先」
ルシフェル「・・・仕方無いか・・・題名は名医が無双しましたかな?」
ベリアル「いや、さすがにそれは無いよルシフェル」
常世「何、その題名。そんな題名絶対無いよ」
ルシフェル「何か常世ってば、あたしに冷たくない?診ないよ?」
常世「そう言う事は無いから。いずれはルシフェルがメインのを書くから。っていうか、ルシフェル抜きには、医療方面の話し書けないもの。その為に態々来て貰ったんだから。ベリアル程登場頻度は高くないけどこれからだからね?」
ルシフェル「そうかい。それなら仕方無い。しばらく待つとするかねぇ」
リル「あたしも主役なのに、冷遇されている気がするのだけど・・・」
常世「き、気のせいだからね。それでは、冠婚葬祭をしました3をどうぞ」
街道建設が完了して三週間、今日は朝からお祭り騒ぎである。
そう、今日この日に街道の竣工式典が模様される事になったからだ。
何故三週間も間を開けたかと言うと、この世界にはまだ飛行機は当然ながら、自動車や鉄道すらない。
まぁ、鉄道は、粗鋼が安価に生産出来る様になれば、敷設するつもりだが、さて、何年掛かるだろうか・・・
話しがそれたが、現時点では、馬車か船が徒歩より早い交通手段になる。
あたしの領地には、川が無いので、当然馬車か徒歩の二沢になる。
なので、あたしの領地から一番遠くの他領地までは、馬車でも約二十日は掛かるので、それを考慮して設定している。
あー、ゆくゆくは国に申請して、ザールラントから王都を経由して、セルル湖迄の運河を作りたいのだが、現状では、計画の路線の殆んどが直轄領な上、湖からあたしの領地迄は、緩やかながらも上り勾配、更に概算で少なく見積もっても金貨千枚(10億ズゼ)が予測され、恐らくその程度では、二、三人乗りの小舟一隻通すのが精々だろうから、船を使った輸送を考えるなら、0がひとつでもふたつでも増え様というもの。
(運河建設は、現状は絵に描いた餅よねぇ・・・さて、そんな夢物語は置いといて、これから式典なんだから、一応、気を引き締めないと・・・)
本来なら、竣工式典が終わるまで街道を通行禁止にしたいが、前記の状況下で共和国から参観する場合、この街道に依らず従来のルートを使うと、最速の北回りのルートでも一ヶ月一寸掛かり、しかも安全性については自己責任でという危険度だ。
対して南回りのルートは、安全では有るが時間が掛かる。
全行程急いでも二ヶ月半も掛かるが、この街道を利用すると、共和国首都からあたしの領地のザールラントまで、急げば一週間程度で来れてしまう。
この街道の重要性も然ることながら、二ヶ月半も通行禁止にして式典をのびのびに出来ないあたし自身の懐事情も有るので、現在は限定的に通行を認めて、式典開催までの期間の短縮を図った。
ちなみに、鉱山の開山式は一週間後に、新しく街道沿いに開かれる宿場町のデッセンラントで行われる。
式典の主な出席者は
こちらは、腹黒宰相ことロアン=ライデル。
共和国からは、外務局副局長ブロリー=グランベール。
以上が主賓で、後はティアに頼んで、国内の貴族から共和国の有名人に招待状を送ったが、遠方の貴族の何人かは、丁重に断りを入れて来た。
共和国の方は、送った全ての有名人が来てくれた。
後は、この式典を一目見ようと集まった、国内外の一般人が数万人来ている。
「ベリアル、凄い賑わいね。」
「うん、聞いた話しだけど、王都の建国祭より凄いって。」
「へぇ、そんなに凄いのねぇ・・・ところでティアは?」
「お金渡したんでしょ?なら、今は露店巡りでもしてるんじゃないの?」
「確かに、銅貨百枚と銑貨千枚渡したけど・・・ちゃんと時間には戻って来るかしら・・・」
「始まる時間は言ってあるんでしょ?なら戻って来るよ。曲がりなりにも、一国の姫様なんだから。」
「あー、食べ過ぎてしばらく休む・・・とか言いそうだけど・・・」
「・・・そこは否定出来ないねぇ。」
ふたりして苦笑する。
「ところで、宰相さんとブロリーさんに挨拶しなくてもいいの?」
「まだ後でで大丈夫でしょ?それより、まだ時間はあるから、わたし達も露店を回りましょ。」
「そうだね。そうしょう。」
露店は、式典会場となる中央広場を除いたザールラントの街道沿いの両側に、所狭しと林立している。
飲食の露店を中心に、装飾品や工芸品に武具を販売する露店も在る。
通常、王国では、お祭りなどで露店を出店する場合は、出店手数料等の名目で領主宛にお金を支払わねば出店出来ないらしいが、今回は、街道の竣工式典の祝儀として、その費用をロハにしたのが、この露店の数の多さに繋がっている。
(まぁ、この街道建設に従事した者の多くの懐が暖かいのも、理由のひとつかしらねぇ。何て言ったって、あたしの領民で働ける者の殆んどが従事した上、ひとり当たりの総報酬は、凡そ大銅貨五枚前後らしいから、一世帯当たりにしたら、大銅貨十枚から二十枚になるから、この二ヶ月の間に、一世帯当たりの収入の二、三年分になる報酬が支払われた事になるから、財布の紐も緩もうというものね。)
人出の多くは領民であるが、王都でも目にしない様な物を売る露店も在るので、他所から来る観光客も結構多い。
「あら、珍しいわねぇ。飴細工の露店が在るわ・・・まぁ、お値段はそれなりになるわねぇ。」
冷やかしながら歩いていると、飴細工を売る露店を見付ける。
「そうだね。銅貨七枚とか結構するね。」
「砂糖がまだまだ高価だから、仕方無いと言えば仕方無いのだけどねぇ・・・で、わたしはひとつ買うけど、ベリアルは要る?」
「そうだね。僕もひとつ貰おうかな?あっ、そのお花の形の飴を頂戴。」
「あいよ。」
と、その露店の主人は、代金の大銅貨四枚と引き換えに、あたしとベリアルに飴細工を渡す。
ちなみに、あたしのは動物だけど・・・馬・・・かな?
また冷やかしながら歩いていると、豆を売る露店を見付ける。
「・・・・・・驚いた。小豆が有るわ。」
そう、その露店には、小豆らしき豆が並んでいたのだ。
その露店の主人と思われる女性に話し掛ける。
「すいません、この赤くて小さい豆って何ですか?」
「ああ、ジェリの事だね。この豆は、砂糖が高いからその代用品として、お菓子作りに使うんだよ。」
(やっぱり、小豆よねぇ。)
「へぇ、そうなんだ。それなら、今有るだけ買えるかな?」
「こちらとしては嬉しいのだけど、ほかのお客さんにも買って貰いたいから、半分にして貰えないかい?」
女性は、申し訳ない顔をし、そう答える。
「そうか・・・それなら仕方無いわね。なら、その半分下さいな。後、ジェリが売れ残ったのなら、ドンカッター商会で買い取って貰える様に話しを通しておくから、売れ残ったのならお願いするわね。」
「分かったよ。にしても凄いねぇ。嬢ちゃんの歳で、ドンカッター商会に伝が有る何て・・・ああ、変な詮索はしないよ。ちゃんと代金の大銅貨七枚払ってくれたし、それ以上望んだらバチが当たるってもんだよ。それより、嬢ちゃん、一見すると、飴とその小さいカバンしか無い様だけど、大丈夫かい?」
あたしの軽装さに、主人の女性は心配そうに、こちらに尋ねる。
「ああ、それなら、これが有るから大丈夫だよ。」
あたしは、主人の女性にアイテムボックスの指輪を見せ、それから、小豆を入れれるだけの布袋をそこから取り出す。
「へぇ、珍しい物を見たねぇ。そのお礼と言ったら何だけど、これをあげるよ。」
主人の女性は、自分の首に掛かっていたペンダントを、あたしの首に掛けてくれる。
「おばちゃん。これは?」
「これは、お守りだね。ああ、心配しなさんな。一応売り物だからね。あたしが、首に掛けて、こんな感じだよって見せていたんだよ。」
主人の女性の指す方を見ると、同じ物が二十くらい陳列して有った。
「それなら、ありがたく頂戴するわ。それじゃあ、おばちゃんまたね。」
「あいよ。今後ともご贔屓にね。」
主人の女性の露店を後にしたあたし達は、そろそろ時間が近付いている事に気付き、会場に向かう。
時間になると、ベリアルが司会進行役を行う事で、竣工式典が始まる。
最初に、あたしが短く挨拶と頑張ってくれた労働者にお礼を述べた後、次に、宰相、ブロリーの順に祝辞が述べられ、その後は、今回の建設にもっとも功績(切り出した木材が一番多い)の有った班に、褒賞金を渡し、テープカットをして、竣工式典は一応終わる。
ちなみに、お祭り騒ぎ自体は、その後三日三晩続き、一連の竣工式典祭に訪れた観光客は、延べ10万人を超える様だ。
ベリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします・・・・・・みんな出番の事でスルーされてたけど・・・」
常世「すいません。更新に一週間処か三週間近くも掛かってしまって」(土下座)
ベリアル「ホントにね。反省してる?ってか、遅ければ遅いだけ、常世が考えているあれこれはが、二番煎じになるんだよ?」
常世「分かってる。分かってはいるけど・・・ねぇ。まぁ、あれに関しては、さすがに二番煎じになる事は無いと断言出来るから、ほかの方の作品と差別化出来るけど・・・」
ベリアル「それは、僕も分かる。あれは二番煎じになる事は無いね。但し、常世の残念な文才に、伝えたい事の十分の一も伝わらないと思うのは、僕だけじゃないでしょ?」
常世「精進します。それでは、今後とも新米領主の奮闘記をよろしくお願いします」




