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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
四章 領地興隆
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二話 街道建設を始めました2

常世「いつもありがとうございます・・・・・・ホントすいません。更新に二週間以上も掛かってしまって。」

ベリアル「それで、量的には、いつもより多少多いくらいと・・・」

常世「・・・すいません」

ベリアル「常世に文才が無いのは分かってるけど、週一くらいは更新しようよ・・・まぁ、分かるよ。一寸書いては行き詰まり、一寸書いては行き詰まりの繰返しだもんねぇ。」

常世「ちなみに、今回のテーマ曲は、アラム・イリュイチ・ハチャトゥリアン作曲、交響曲第三番の四分の三くらいまで。」

ベリアル「へぇ、テーマ曲とか・・・ふーん」

常世「この曲聞きながら書きました。」

ベリアル「ああ、曲のあの部分があそこで・・・ああ、そうねぇ。で、何故に四分の三くらいまでとか?」

常世「曲の、起承転結の結くらいが、次の話の冠婚葬祭をしました3のテーマ曲になるの。」

ベリアル「惜しむらくは、常世の表現力が一寸足りなくて、読者に上手く伝わらない点かな?」

常世「そこは、精進しますとしか言えなくてすいません。」

ベリアル「それでは、街道建設をしました2をどうぞ」

数日後、リネルメ鉱業を設立する為に、色々根回しをしたあと、街道建設の現場に来ている。



「倒れるぞー。気を付けろー」

「それでは、その丸太はこちらの馬車に、ああ!それはあっちですよ」

「下処理終わったぞ、さっさと運んでくれ」

「下処理した後の枝葉はこっちだ」

「炭が焼き上がったから、カゴを持って来ておくれ」

「舗装用の石だ。どこに置くんだ?」

「抜いた切り株は、あちらで土を落とした後、小さく切断して下さい」


そこには、何千とも思われる人夫が、忙しなく木を切り倒している。

切り倒された木は、十数人の人夫に素早く枝打ち等の下処理がされた後、専用の馬車で次々に運び出されている。

馬車の数も何台有るか分からない位数多く有る。

下処理した後の枝葉は、量が多過ぎるので乾燥させず、簡素な炭焼き窯で炭にされる。

その炭焼き窯も二十くらい有る。

ここで切り出された木材は、ザールラント郊外の領地境に在る、急きょ整備した貯木場に運ばれている。

出来上がった炭は、ドンカッター商会や、ゼトルの商会に買い取られ、事業の費用の補填に充てられる事になる。



一日当たりの手当が、銅貨一枚であるが、王国の庶民の平均的な年収は、辺境領の約二倍の大銅貨十五枚、銅貨で150枚だから、一日で二日分の給金が支給されている事になる。

辺境領に限って言えば、更にその二倍になり、今は農閑期に当たり事も有り領内で働ける者は、殆んどこの建設現場に働きに来ている。

ちなみに、働きに来た領民には記帳の義務を課し、税を差し引いた分の小銅貨九枚を支給している。


この街道建設が始まる前に、既存の街道の整備・拡張と、この建設現場までに新規の街道を造っていた。

既存の街道は、ザールラントから王都に向かう主幹道を領地境まで、十セルから二十セル(約40メートル)に拡張し、ザールラントから南北に各村を繋ぐ街道は、三セルから十セルまで拡張し、尚且つ未舗装だったので、石畳の舗装をした。

この整備には、一日当たりの手当が銅貨五枚(領民は銅貨四枚と小銅貨五枚)が支給されており、そこにも領民の多くは働きに来ていた。

更に、整備に掛かった費用は、凡そ金貨六十枚、六千万ズゼ(約12億円)掛かっており、大森林を切り開いた横貫道は更にその倍以上掛かると思われる。

但し、切り出された木材の売却代金を差し引けば、一連の街道整備事業の総費用は金貨百枚を超える事は無いと思われる。



(ハァ。事前の整備で金貨六十枚とか・・・本工事で切り出される木材が一ズゼでも高く売れる事を祈るしか無いわねぇ・・・ともかく価格交渉はベリアルに投げるかな♪・・・しかし、ホントに凄いわねぇ。こうしている内に、一本、また一本とあっという間に切り倒されているわ。その切り倒された木を運び出す馬車も何十台も順番待ちをしているわ。その脇では我が領地の、ご婦人方が作る料理が入った大鍋が何十も・・・壮絶よねぇ。)



昼になると、様子を見に行かせたティアが戻って来た。

「リルぅ見て来たよ。」

「どんな感じ?」

「凄いの一言だよ。ここと材木置場までたくさんの馬車が行ったり来たりしていて、少し上空から見ると、ひと筋の線だよ。一体何台有るの?」

「さぁ、わたしにも分からないわ。でも、百や二百程度ではないのは確かよ。」

「へぇ・・・それより、お昼だから食事にしようよ。」

「そうねぇ、現場の方も交代で食事に入りだしたから、わたし達も食事にしましょうか。」

「行こう行こう。」



屋敷に向かっている途中、ドルトンらの元に木材の売却額の交渉に向かわせたベリアルが、戻って来た。

「リル、何とか纏まったよ。」

「そう、良かったわ。それなら昼食を摂りながら教えて頂戴な。」

「了解。それで、昼食はリルが作るの?」

「しばらくはマチルダが作る事になるわ。」

「そうか・・・街道建設の為の事務処理や、現場の様子も観察しないといけないから、流石に料理をしている暇は無いか。」

「まぁ、そう言う事ね。」

「マチルダの料理も美味しいし、リルが食事を作らないなら、美味しいければ誰でもいいや。」

「セバスチャンが作っても?」

「え?セバスチャンって料理出来るの?」

「パーフェクト執事に死角無しよ。普通に美味しいわよ。」

「へぇ、話しのタネに一度食べてみたいねぇ。」

「しばらくは、色々忙しいから、食事はマチルダの担当になると思うけど、街道建設が終わって、鉱山開発が軌道に乗れば、少しは余裕が出来るから、それまではおあずけね。」

「・・・まぁ、こればっかりは仕方ないかぁ。」



屋敷に到着すると、マチルダが待って居た。

「お嬢様。ようやくお戻りになりましたか。食事をご用意してお待ち致しておりましたわ。」

「悪いわねぇマチルダ。午後も忙しいから、早速食事に入りたいのだけど大丈夫かしら?」

「問題ありません。では食堂に向かいましょう。」



マチルダの作った料理に舌鼓を打ちつつ、話題は街道建設の話しになる。

「ベリアル。あの件はどうなったかしら?」

「木材売却の件ね?それなら、木材一本当たり諸経費を差し引いて、凡そ大銅貨25~30枚(25000~30000ズゼ=約50万円~60万円)で、どちらも話しを着けたよ。」

「まぁまぁの値になったわねぇ。それで、ベリアルから見て、どれくらいの本数になりそう?」

「そうだねぇ、僕の私見で言わせて貰うと、最低一万本、でも恐らく五万本に達する見込みだね。」

(うはぁ・・・随分高く売れる物ねぇ。ベリアルの交渉術も有るけど、建材として使用される木材の十倍の値段とか・・・えーと、大銅貨25枚として真ん中の二万五千本・・・え?六億ズゼを超えるの?く、黒字も黒字、大黒字じゃない、金貨にして625枚・・・この数字の重みは、かなり有るわねぇ・・・中間業者が居なきゃもっと高く売れたわねぇ。まぁ、そこは仕方ないか、リネルメ林業として起こしても独自の販路が無いから、結局はドルトンやゼトルに卸さないといけなくなるものねぇ。)



「へぇ・・・凄い本数になるわねぇ。」

金額の凄さに、少なからず冷静さを欠いた感じになってしまう。

「リル、正直、余りの金額に焦ったでしょ?」

そこを、ベリアルは追及してくる。

「いいえ、そんな事無いわよ。」

取り繕って見せるが、更に冷静さを失う。

「怪しいなぁ・・・辺境領の前年度の収支の百倍以上だよ・・・ホントはビックリしたんでしょ?」

ベリアルは訝しげな眼差しをして、こちらに顔を寄せて来る。

「・・・ビックリしたわ。」

余りにベリアルが顔を寄せて来るので、思わず自白してしまう。

「やっぱりねぇ。それで、一般的な見方で言うと?」

「ウチは、人口が少ないから、別格で予算が少ないけど、辺境領はどこも似たり寄ったりで、一億ズゼを超える事は無いって聞いてるわ。だから州領でも中堅から上のクラスになるわねぇ。」

「へぇ、実の所ホントに凄い事なんだねぇ。最低ラインでも州領クラス、僕の見立て通りなら、州領でも上のクラスになるね・・・ちなみに、木炭の売却益は入れて無いよ。」

「・・・・・・ま、まぁ、今後まだインフラ整備にお金が掛かるから、たくさん有るに越した事は無いわね。」


木炭の売却益の見通しは、金貨二十枚くらいになるらしい。

精製設備は簡素でしっかりした物ではないが、元の木材の質の為、焼き上がった木炭は硬く、ベリアルの話しでは、備長炭には遠く及ばないが、木炭どうしを合わせると、金属音に似た音がしたらしい。

あたしは、まったく考えの及ばない事態に溜め息を吐く。

結局、マチルダの作った料理の味は、曖昧になってしまった。



午後になっても、作業の勢い凄まじく、朝と比べると百セルほど奥に進んでいる。

(相変わらず凄いわねぇ。この調子だと、一日二百セル(400m)進むから、五日で千セル、中一日置いて、六日サイクルで行くと、ゼトルの方は7500セルだから、一ヶ月半で鉱山整備に移れるわね。ドルトンの方は、残りの17500セルだから・・・三ヶ月半かぁ・・・半分くらいにしたいわねぇ・・・あれで行くか・・・)



翌朝、作業が始まる前に作業員を集め、ある発表をした。


「皆さん。現在、班毎に分かれて作業されていると思います。今日の切り出し分から、計画終了時に一番多く切り出した班に、ひとり当たり大銀貨一枚を日当とは別に、褒賞金として渡します。」


ここまで言うと、作業員から歓声があがる。


「怪我と弁当は自分持ち、今日も一日安全に心掛けて作業をお願いします。以上を持ちまして、朝の発表を終わります。それでは、今日も一日頑張って下さい。」


話し終わると、一斉に作業員は各持ち場に行き早速作業を始める。

やはり、褒賞金の効果が有るのか、いつもより作業のペースが早い。


一日終わって、進んだ距離を調べたら280セル(560m)有り、いつもより80セル余計に進んだ事になる。


(この調子で行けば、半分とまでは行かないけれど、一ヶ月くらいは短縮出来るから、何とか雨季が始まる前に終わりそうねぇ。)


その後、街道建設は、リルの予想を越えた二ヶ月程で終わり、それから更に一ヶ月で、石畳の敷設が完了する。


常世「ここまでありがとうございます。誤字脱字など有りましたらよろしくお願いします。」

ベリアル「・・・ああ、常世の文才の無さでテーマ曲が台無し。」

常世「ベリアルぅ、一寸容赦無くない?」

ベリアル「マジ、色々謝った方が良くない?ってか何故にテーマ曲とか言ったの?正直、余計な事だと思うよ。」

常世「だって、ハチャトゥリアンの曲好きだもん!」

ベリアル「ぶっちゃけやがった。常世、ホント色々不味いから、もう締めるわ、後で反省会ね。」

常世「えー」

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