十二話 お山を調査しました2
常世「いつもありがとうございます。」
べリアル「一昨日の今日で更新とか、いつもこの調子で行けば良いのにねぇ。常世。」
常世「・・・」
べリアル「で、今回は、お山の調査って事だけど、何を探すの?」
常世「金とか、金とか、金になるね。」
べリアル「いや、一回でいいから。フムフム、金山を見付けてそれを軸に財政面にテコ入れをしようという訳だね?」
常世「まぁ、そういう事。」
べリアル「そんなに、簡単に見付かるものなの?」
常世「さぁてねぇ。それでは、お山を調査しました2をどうぞ。」
ブロリーとの会合が終わってから数日後、あたし達はガガドラグ山の麓に在る拠点に来ている。
昨日から、ここで寝起きしながら、山の鉱物の探索をしている。
ガガドラグ山は活火山(過去一万年以内に火山活動が有る火山。)ではないので、当然、金鉱脈が無いかを中心に探している。前世の時代みたいに、電磁探査や地化学探査等の探査は当然できないので、パンニングと露頭探査が主体になる。
パンニングとは、パンというお皿の様な物を使って、金の比重を利用して、川から砂金を探す方法である。
金鉱脈は、その一部が風化現象に因り、川に流れて川底に堆積する。
その堆積した僅かの砂金を、このパンを使って探すのである。
パンには、一部に階段状のでこぼこが、縁に沿って有り、そのでこぼこの谷の部分に、比重の重い砂金を引っ掛かける事で砂金を見付け、どの辺りに金鉱脈が眠っているか、凡その見当を付ける。
(っていうか、風化の跡は有るけれど、川の跡はまったくないのよねぇ。ええ、ホントに川が存在していた痕跡自体無いのよ。水が流れて無くても、以前に川が流れていた跡が有れば、ウィンネにたらいに水を出して貰い、凡その川底の辺りから、堆積物をパンですくい、そのパンを水を貯めたたらいでパンニングをする事が出来るのだけど・・・川の痕跡自体無いと、パンニングする場所の見当が付けられないわよ・・・折角、パンを特注で作って貰ったのに、無駄になったわねぇ・・・露頭探査の一沢しか無いとかどんな無理ゲーよ。)
露頭探査とは、むき出しになった地層から、石英の地層を探す事だ。
見付かる石英の地層の種類に、含金石英脈と不毛石英脈とが有る。
含金石英脈とは、その名の通り、石英脈の中に金が含まれている事である。
石英脈に黒い筋が走っている。これが金である。
不毛石英脈とは、石英脈にその黒い筋が無い物を言う。
しかし、不毛と言っても、その先に金が有る場合が有るが、科学的な探査やボーリングが出来ない以上、こちらに手を出す事は出来ない。
なので、露頭探査は、もっぱら含金石英脈探しになる。
露頭探査を始めて一週間程過ぎたであろうか、拠点から北東に一刻程歩いた所で、山肌に白く見える場所を見付ける。
更に半刻歩いて近付いて見ると、白く見えたのが石英で有る事が分かる。
「白い丘・・・丘って感じはしないけど、これも立派な白い丘よね・・・さてさて、含金石英脈かなぁ・・・」
アイテムボックスから金槌を取りだし、石英の露頭を砕いては、黒い筋が無いかを調べる。
それから半刻、タレザに砕き方をレクチャーして石英を砕いて貰いながら、リルとティアは、その砕いた石英に黒い筋が無いかを調べていた。
すると、ティアが慌てた仕草をする。
「ねぇねぇリル。これって黒い筋じゃない?」
「えっ?ちょっと見せてくれる?」
ティアから、その石英片を受け取り見てみると・・・
(確かに黒い筋が有るわ・・・アイテムボックスに入れたらどうなるかしら・・・)
それから、アイテムボックスに入れて、アイテム一覧を見てみると、そこには確かに〔石英片(含金)〕と表示されている。
「ティア。やったわ。含金石英よ。」
「ホント?やったぁ。」
「リル様ぁ。見付かったのですか?」
「そうよタレザ。ここに金が有る可能性が出たわ。計画を練って、この場所に鉱山を開くわよ。」
「見付けたんだ。そしたら、僕の出番が有るかもね。」
「べリアル。何でかしら?」
「金山発見となれば、黙っていても、口に戸は立てられない以上、いずれは国側に知れてしまう。そうなった場合どうなるかな?」
「!!ここだけ直轄地にって事もあり得るわねぇ・・・そこで貴女が出張ってそうならない様にする訳ね?」
「そういう事。」
「わかったわ。その時が来たら、よろしくお願いするわね。」
「任せてよ♪」
その後拠点に戻り、その日はパーティーをする事になった。
リベブルクの市場で買い漁った食材を元に、色々な料理を作っていく。
「えー、みんなと今日のこの日を迎えれた事を感謝して、乾杯。」
「「『乾杯』」」
『ほんにウマイのぅ。』
『ええ、ホントに。また腕を上げましたね。』
『ウマウマ~♪』
「リルってば、料理上手いよねぇ。」
「これで和食が有れば・・・」
「リル様。幸せです。」
翌日からは、山岳地帯の調査をする事になった。
二週間程掛けたが、何とか石炭は発見出来たが、鉄鉱石は発見出来なかった。
範囲的には、全体の一割も調査していないので、今後も調査は継続する予定だ。
(しばらくは、街道建設やら鉱山開発何かで忙しいから無理だけどねぇ・・・)
ちなみに、山岳地帯へ行く道中で、偶然、別の金山を発見したりする。
リル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします。ねぇ常世。アイテムボックスの中で選り分ける機能とか無いの?」
常世「何そのチート機能。」
リル「砂金も結構有ったっぽいから、その機能が有れば、砂金採取が簡単じゃない。砂金も結構いいお金になるのよ。これから今以上にお金が必要になるでしょ?だからと思ったんだけど・・・無いの?」
常世「有る訳無いじゃん。地道にパンニングしてね。」
リル「えー、めんどくさいわねぇ。」
ウィンネ『確かに面倒じゃのぅ。』
常世「それなら、場所を解放して、採取させる代わりに、商人への卸価格の七割で買い取る。持ち出し厳禁の形で誰かに取らせるとか?」
リル「良いわね。最初準備する手間は有るけれど、しばらくは黙っていてもお金が入って来る訳でしょ?諸経費込みなら六割でも良いわね。準観光施設みたいな感じで。」
常世「そうだね。ちなみに、そろそろ内容的にヤバくなって来たから締めるよ。」
リル「そうねぇ。これがネタバレ含有というのかしら?それなら・・・今後とも、新米領主の奮闘記をよろしくお願いします。」
常世「イヤん。それアチキのセリフ。」




