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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
三章 外交交渉
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十話 使節団と交渉しました

常世「いつもありがとうございます。」

べリアル「間が開いたねぇ。」

常世「すいません遅筆で・・・」

べリアル「ほら、もっと謝って。」

常世「スイマーに弱くてすいません。駄文ですいま・・・いや、そういうコーナーじゃないから。」

べリアル「常世のりのりだったじゃん。」

常世「とにかく、使節団と交渉しましたをお送りします。」


ルシフェルが仲間に入った翌日、あたし達(あたし、ティア、タレザ、べリアル)は共和国側の使節団が足止めを食らっている川に向かった。



共和国の首都に向かう途中にその川は有る。

橋が掛かっていた場所の川幅は凡そ800セル(1.6km)ほど。

両岸から300セルほどまでは石造りで、残り200セルは木造だ。

橋が流されたと言っても、この木造部分が流されただけで、橋全体が流されたという事ではない。

しかし、200セルという距離、助走をつけて飛び越える事が出来る距離ではない事だけは確かだ。

雨に因る増水は、まだ終わっていなく、石造りの部分も流される危険性が有る為に、現在、橋の前には兵士が立ち、橋に進入出来ない様にしている。

当然、そんな増水して流れが速くなっている川を、対岸まで渡す渡し舟が有るはずも無い。



ならどうやって、対岸にいる使節団と面会し交渉するのかと言うと、こちらには、150キロをも軽々持ち上げ、空を飛べるハーゲティアが居るのと、風の精霊であるレフィーナが居る事であろ。



事前に三人が入れる籐製の籠を作ってあり、そこにティア以外の三人が入り込み、ティアが持ち上げて飛び対岸まで運ぶという事だ。

そこに、レフィーナが重量軽減の風魔法を掛ける事に因り、より速く飛べるものになる。



そうして、対岸まで渡り、橋のたもとより街道沿いに十分ほど歩いた所が、使節団が足止めを食らっている宿場町で、今回の目的地だ。



その宿場町の入口付近に、この宿場町全体を警備する詰所が在る。

先ずはそこに向かい、警備兵に事情を話し、いきなり向かっても警戒されて門前払いを受ける恐れが有るので、先ずは警備兵に親書を渡し遣いに行って貰う。



しばらくすると、遣いに行って貰った警備兵が戻って来て、使節団側が了承したので、数名の警備兵を伴い、使節団の指定時間である七つ刻の鐘の音が鳴る頃に、使節団が逗留している宿に向かった。



宿に到着すると、カウンターで詳細を話し、使節団が逗留している部屋に向かい、先ず警備兵に入室の許可を貰って来て貰い、部屋に入室する。



「失礼致します。お初にお目にかかります。わたしがザルヘルバ王国リネルメ辺境領領主で特使の、リルーエット=リネルメにございます。以後お見知りおき下さい。」

「リネルメ殿。ご丁寧な挨拶痛み入る。私めが共和国外交使節団の団長の、外務院副大臣のブロリー=グランベールである。こちらこそよろしくお願いする。とにかく、こちらにお掛けなられよ。お供の方々はこちらでお願いする。」

ブロリーは、壮年で顎に白髭を蓄え、多少痩せていて、身の丈は8デルセル半(170センチ位)ある男性だ。



ブロリーに勧められて、あたしは丸テーブルの入口寄りの椅子に座る。

そのあと、ブロリーはあたしとは反対側の上座に座る。

ティア達はあたしの左後方のソファーを勧められる。

「リル。僕はどうすれば良いかな?」

べリアルが、あたしに小声で話し掛けて来た。

(おっと、べリアルの事を忘れてたわ。)

「グランベール殿。こちらの少女は、ザルヘルバ王国外務部政務官のべリアル=ラズテュールにございます。今回はわたしの補佐を致します。」

「ご紹介に預かりましたべリアル=ラズテュールにございます。今回は交渉の任を宰相閣下から授かり、リネルメ卿とこちらへ参った次第。腹黒宰相閣下には、非公式とは言え、すべての案件を決めて来い、と無理難題を吹っ掛けられていますけどご容赦下さい。」

「フォッフォッフォッ。ラズテュール殿。お手柔らかに頼むよ・・・これ、ラズテュール殿の分の椅子を用意しなさい。」

「畏まりました。」

ブロリーは、お付きの者にべリアルの分の椅子を用意させる。

「ラズテュール殿。お掛けなされよ。」

「それでは失礼します。」

椅子の用意が終わり、ブロリーはべリアルに座る様に勧める。



「さて、グランベール殿。用意はよろしいでしょうか?こちらはもう大丈夫です。」

「ウム、こちらも問題無い。」

「それでは、始めましょう。」

双方共準備が終わり、いよいよ交渉が始まる。



「先ずは、曖昧でしたゲランダルク山周辺の国境の件に関してです。」

そういうとあたしは地図を広げる。

「フム、これは我が内務院が発行している旅行者用の地図ですな。」

「はい、その通りです。」

あたしは、事前に街の冒険者ギルドで、ゲランダルク山周辺の地図で一番高い物を購入したのだ。

この地図は、高いだけあってゲランダルク山周辺は元より、辺境領の大森林の一部と、国境の街の周辺まで記して有った。

(共和国銀貨150枚(王国通貨で37万5千ズゼ・日本円で約750万円)したのだもの。あたしから見たら、かなり正確な地図ではないのかしら?ちなみに、地図には三本の線を引いて有る。こちらが提示する国境線の案だ。一番共和国寄りの線は、あの兵舎から凡そ100セル位の所を通過している一案。先ずは、この一案を提示して相手の出方を観る・・・まぁ、べリアルに丸投げなのだけどね。それで二案が、共和国兵を伸した辺り、兵舎からで言うと凡そ400セル位かしらね。山の裾のまではここから凡そ750から900セル位は有るわね。最後が本命の三案で、山の裾のから凡そ500セル位の所を通り、山の北西部の山岳地帯も含まれる案だけど、べリアルに任せておけば二案位で決まりそうねぇ。)



「リネルメ殿。この地図に記して有る線は、そちらの提示案と思って良いのかな?」

「はい、そう捉えて結構です。」




べリアル「ここまでありがとうございます。誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします・・・で、何か終わり方が中途半端じゃない?」

常世「間が開いてしまったのと、長くなるから分割したという感じかな。」

べリアル「あと、忘れられて仕舞わない様にっていうのもあるよね?」

常世「ぐっ。考え無い様にしてたのに。」

べリアル「取り敢えず自覚しようよ。体が白くなければ・・・」

常世「面白く無い・・・分かってますよ・・・ええ分かっています。」

べリアル「ほら落ち込まないで・・・今後とも新米領主の奮闘記をよろしくお願いします・・・ほら常世、僕は常世の事好きだからね。」

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