六話 商人と取り引きしました3!
いつもありがとうございます
いつもお待たせしてすいません
・・・今日中にもう一話・・・無理かなぁ?(-ω-;)
「おお!アイテムボックス持ちか!なら合点いった。倉庫のはどうするんだ?俺的には全部買って貰えればしばらく暇が出来るから助かるんだが・・・」
「全部?いいのかしら?」
「おお、構わないぞ・・・今、店には31個並べてる。一個分オマケして・・・」
「ハイ、大銅貨九枚」
「おっ!計算早いなぁ。でも両替手数料は銅貨二枚で良いから、大銅貨三枚に銅貨二枚だ」
「大銅貨四枚渡すわね・・・お釣は良いわよ。その代わり、王国のわたしの領地にも来て欲しいのだけど・・・」
「こりゃ、貴族様だったかい・・・でもなぁ、俺っちとしても王国には行きたいのだが、大森林のせいで大回りしないと行けないから、必然的に王国で売る品物の値段が高くなってしまい、売れなくなってしまうから、ちょっと無理だなぁ。」
「・・・それなら、大森林が切り開かれ、共和国と王国が直接、一本の道でつながるどしたら?」
「!!・・・そのネタはマジ物かい?」
「わたしの領地での出来事なのだから、当然ホントの情報よ。但し、まだ未開通で、これから着工予定だけどね。」
それから、あたしは計画のあらましを店主に話した。
「こっち側の森林はどうするんだい」
「だから、その相手をこうして遥々共和国まで来て探している訳よ。因みに、王国側はもう決まっているわよ。資材の搬入から、人夫の手配に建設中に切り出した木材の売却に至るまで、建設に必要な契約の一切は、仮契約という形で済ませて有るわ。共和国側の建設に協力して貰える商会が決まり次第、本契約に化ける仕組みよ。お金は有るのよ、王国通貨に換算したら、数千万から一億ズゼくらいの資金がね。」
「へぇ、そいつは凄いなぁ・・・で、ほかの商会はどうなんだ?」
「まだよ、貴方の所が最初よ・・・でも、貴方次第かしらねぇ・・・」
しばらく・・・数分だろうか、沈黙が訪れた。店主は熟考している様だ。
「・・・よし、乗った。その話しに一枚噛ませて貰おうか。」
「いいのかしら?新手の詐欺かも知れないわよ。」
「そうなったら、俺っちの見る目が無かっただけの事だ・・・俺っちの事はゼトルと呼んでくれ。姫さん・・・そうそう、ベニナなら全部持って行ってくれ。お代も要らない。あんたは、貴族より商人の方が向いているんじゃないか?・・・それより、王国側との連絡はどうするんだ?」
「私が居るから大丈夫だよ。」
「そう言えば、ドラゴニアの嬢ちゃんが居たんだなぁ・・・それよりどうするんだ?俺っちの認識が確かなら、国境が曖昧じゃなかったのか?」
「それは大丈夫よ。それも含めて来ているから・・・ここだけの話しだけど、最低限大森林全域を王国の領土とする認めさせるわよ。それに加えて、お山の周囲、共和国軍が駐留している辺りを国境とする様に交渉するわ。」
「ってと、お山の殆んどが王国の領土となる訳だな?・・・交渉次第だが・・・でも、そりゃ確定事項もいい所じゃないのか?あのお山は、大した物も無い上に、少々危険な場所も有るから、政府の連中は手放しではないにしろ、内心国防費の節約になると思うんじゃないか?・・・と言っても、姫さんの事だ、何か裏が有るんだろう?・・・差し当たり、何かしらの鉱物資源が。」
「想像にお任せするわ。とにかく、この話しは内緒にして貰えると嬉しいのだけど。」
「分かった。こっちは儲けさせて貰う立場だし、連中には黙っておくよ。それに、カネを絞り取る事しかしない奴らに、儲け話しを提供する程俺っちは馬鹿じゃないし・・・とにかく、現状だと俺っちは姫さんの交渉結果待ち・・・って事になるな?」
「わたしとしても、いま直ぐに始めて貰いたいのだけど、そう言う事になるわ・・・そうそう忘れてたわ。これは当面の資金ね。あと、用意して貰いたい物」
あたしは、ゼトルに王国金貨五枚と、必要物資が書かれている紙を渡す。
「おぅ、確かに預かったぜ・・・しかし、これだって安く無い金額をポンと出せるとは、計画は偽り無しか・・・」
「ええ、そう言う事よ。聞いた事が有るかも知れないけど、わたしの領地は王国最貧領地よ。領民は一日一回の食事が何とか食べられる。わたし達や90人からいる領兵も週三日は一日一回。それくらい貧しいの。わたしは何が何でも、みんなに一日二回おなか一杯食べられる様に豊かになって貰いたいのよ!」
「お、おぅ。分かった、分かったから、姫さん、ちょっと落ち着けよ。」
ゼトルが焦っている
どうやらあたしは、思いの丈をゼトルにぶつけていたみたいだ。
「ご免なさいね。変な事言って・・・」
「いや、別に変な事は無いさ。姫さんは、俺っちの半分も年食ってなさそうに見えるのに、その年以上の物を背負っていてやがる・・・共和国側の工事は、俺っちに任せな・・・それよりどうするんだ?」
「そうねぇ、共和国の小麦とレンズマメの相場が知りたいわ。今は農閑期だから、街道工事に従事して貰う代わりに、食事はこちらで持ちたいのよ。それ以外に別途報酬も日払いで渡すつもりよ。けど、やっぱり食事は大事でしょ?」
「確かにそうだな。しかも、働く事に因って報酬として食事が得られる様にしてやがる。ただ、物を施すだけだと、働く意欲が無くなり、生産性が低下して、更に貧しくなる・・・まったく、理想主義者かと思えば、現実的な手法で理想に近付け様としている・・・政府の連中じゃ姫さんの相手は無理だろうなぁ。どうせ、小娘と侮って、その年で内政もこなせば、外交もこなす女傑とは思わないだろう。」
「あら、お世辞を言っても何も出ないわよ・・・それより相場よ相場。」
「お、おぅ。すっかり忘れてたぜ・・・これが今の共和国内での相場だ。」
そう言うと、ゼトルは相場の書かれている紙をあたしに渡す。
その紙には、小麦やレンズマメだけではなく、ほかの穀物や一般的な雑貨(薪や木炭の燃料や、食器、服等)の相場も書かれていた。
(やっぱり、ウチみたいに雨の少ない国ではないから、農産物は王国より安いわねぇ。薪や木炭も森林資源が豊富なのか、こっちの半値よねぇ・・・)
「どうした?姫さん。」
「相場がこっちの方が安いのがひとつも無いのよ・・・掛けたく無いけど、最初のウチは関税を掛けるわよ。」
「まぁ、そいつは仕方が無いなぁ。逆に国境を跨ぐ時、関税の掛からない国なんて無いし。」
「関税に付いては、障壁なんて作るつもりは無いから、ちゃんと調整するわよ。」
「分かった・・・しかし、そんな事まで決めていいのか?」
「大丈夫よ。関税の税収の半分を納めるって言えば、向こうは黙るわよ。」
「はぁ、凄いねぇ。姫さんがザルヘルバの女王ではなくて良かったよ。したら、共和国なんざ早晩弊呑されてるわな・・・とにかく、姫さん、今後ともよろしく頼むぜ」
「こちらこそ、よろしくお願いするわ」
あたしはゼトルと握手を交わす。
ここまでありがとうございます
今日中にもう一話無理ならば、この話が今年最後の更新になります。
誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします
それでは良いお年を\(^o^)/




