四話 共和国に入国しました!!
いつもありがとうございます
今回は早く上げる事が出来ました
しばらく、隊長に付いて行くと、石造りで二階建ての建物が見えて来たあれが兵舎だろう
「そう言えば隊長さん、貴方の名前はまだ聞いてないわね」
「ハッハッハッ、そう言えばそうだな。いつまでも隊長では呼びにくいだろう・・・俺の名は、ギュスターク=ジルダルだ。呼び方は好きに呼んでくれ」
「分かったわ。ならわたしはタークと呼ばせて貰うわね」
兵舎に到着すると、応接室に案内される。
半刻待つと、ギュスタークが服装を軍服から紺の燕尾服に着替えてやって来た。
「おぅ、待たせたな。これが今回の件についての覚え書きだ。こっちが捕虜の件で、もうひとつのこれが戦時中に於ける捕虜の扱いの件だ。」
ギュスタークが懐から二種類の物が二通、合計四通の羊皮紙に書かれた紙を、机の上に出す。
「俺側と嬢ちゃん側、一通ずつ合計四通有るから、十分確認してから全てにサインしてくれ。」
(ふんふん・・・さて、どうやら問題無い用ね。あたしが納得出来る様な文書を僅か半刻足らずで用意するとは・・・脳筋に見えたけど・・・それとも優秀な側近が居るのかしら?・・・とにかく侮れないわねぇ)
「確認したけど、多少微妙な言い回しは有るけど、概ね問題無いわね。戦時中に於ける捕虜の扱いの件については、今後、こちら側から正式な使節団を向かわすから、その時に細かい話は詰めましょ・・・それよりサインね・・・ティア、代筆お願い」
「え~、リルってばまだ書けないの?」
「こっちの字は目下練習中よ。だからお願いするわ」
「そっか、それじゃあしょうがないよね・・・分かった。それじゃあ私が代筆するね・・・印鑑借りるよ」
「印章と言いなさい印章と、ハイ」
あたしは、印章の指輪をハーゲティアに渡し、ハーゲティアは、文書にスラスラとリルーエットの名前を書き、名前の最後の所に蝋を垂らし、固まらないうちに印章を押し付け、出来たのをギュスタークに渡す。
「こんな感じでいいかしら?」
「問題無いな。そっちの分だ」
ギュスタークにこちらの分の文書を渡される。
「あとは、再度確認するが、中央から担当官が来るまで待って貰う事になるが大丈夫だよな?」
「問題無いわ。でもその間、街の方を散策させて貰いたいから、街に宿を取りたいわねぇ」
「宿?それならここに泊まれよ。タダでいいから。部屋は将校用のを用意するよ」
「タダより高い物は無い。というけど、何かさせる気かしら?」
「いや何、そっちの護衛の嬢ちゃんに、ウチの兵士達をちょいと揉んで貰いたいんだよ。」
「わたしの所のタレザは、マッサージ師ではないわよ」
「・・・・・・甘々採点でも、100点満点で20点しかやれんなぁ」
「甘々って激辛採点じゃないのよ。リップサービス位しなさいよ」
「ってか、話しがズレてんぞ。それよりどうするだ?」
「仕方無いわね。それではお言葉に甘えさせて貰うわ・・・という事だから、タレザ貴女はそちらの方をお願い出来るかしら?」
「問題ありませんリル様。王国式の武術を披露致しますよ」
「おう、よろしく頼むよ・・・で、食事はどうするんだ?」
「自分で作った方が美味しいから自炊するわ」
「そうかい・・・・・・ん?それなら肝心の食料はどこだい?見た所手ぶらにしか見えないが・・・」
「あぁ!わたしにはこれが有るわ」
あたしは、印章とは別の指輪を見せる。
「ん?ひょっとしてアイテムボックス持ちなのか?」
「そう言う事よ」
「そいつは羨ましいなぁ。有れば行軍の際、輜重隊を組まなくていいから行軍速度が速くなるな」
「そうでも無いわよ。大体百人で一ヶ月分の食料しか入らないと思うわよ。重量的にはもっといけるけど、収納個数に制限が有るみたいだから多分それくらいね」
(まぁ、ティアも同じ物を持っているけどこれは内緒ね)
「カッ。そこまで都合良くないか」
「まぁそう言う事ね・・・それではそろそろいいかしら?」
「おっ、貴重な時間を割いて貰って悪かったな」
「いえいえ。こちらこそ、有意義な時間でしたわ」
「そう言って貰えると助かる・・・おい!誰か居るか?」
ギュスタークがそう言って少しすると、隣の部屋から事務員と思われる兵士が入って来る。
「大佐、いかがしましたか?」
「来たか。この方達を、将校用の空き部屋に案内してくれ。ザルヘルバ王国からの大事なお客様だ粗相の無い様にな」
「了解です。それではお客様方ご案内致しますのでこちらへどうぞ」
「よろしく頼むわね」
あたし達は、兵士に将校用の部屋に案内される。
中は飾りっ気は無いが、執務用の机ひとつ見ても中々の物を使っている。
部屋自体はひと部屋ではなく、執務室に将校自身の寝室、あと部下用の寝室の三部屋有る。
「こちらにございます。ほかに何かございますか?無ければこれで退室致しますが、ご用の際はこちらの紐を数回引っ張ってください。大佐の執務室の隣の我々の事務室に繋がっていますので、それにてお呼びください」
「ありがとう、分かったわ。後で厨房に案内して貰いたいけど今は大丈夫よ」
「了解致しました。しばしの間長旅の疲れを癒してください。それでは失礼します。」
案内の兵士は、そう言うと部屋を退室する。
案内の兵士が退室した後、あたし達は執務室のソファーで寛いだ。
「ふぅ、一段落ついたわねぇ」
「リル様、一段落ついたついでに行ってきてよろしいでしょうか?」
(まったくタレザはそわそわしちゃって・・・体を動かし足りないのかしら・・・)
「ちょっとタレザ、もういい時間なんだから明日になさい明日に」
「も、申し訳ありません。少し気が急いていました」
「とにかく、わたしはちょっと厨房に行くからあとをお願いね」
あたしが紐を数回引っ張っると、五分くらいで担当者がやって来た。
「どうされましたか?」
「そろそろ夕食の用意をしないといけないから、厨房まで案内して貰えるかしら?」
「了解しました。こちらです」
あたしは、担当者に案内されて厨房に到着する。
「毎日リル様の料理が頂けるのは幸せです」
「やっぱりリルの作る料理は美味しいわ・・・だからスープ以外も美味しいんだろうけど・・・材料無いもんねぇ」
『ウム、確かにそうじゃのぅ』
「なら、明日から数日は、外交の担当官が来るまで暇だから、街に行って散策する?」
「楽しみだね」
「是非行きましょうリル様!」
「何言ってるのよタレザ、貴女は訓練場でしょう」
「ハッ!・・・そうでした・・・」
タレザは、リルーエットと散策に行けないので項垂れる
「そんなに落ち込まないの、その代わり今夜は添い寝してあげるから」
「!!!ホントですか?」
「ホントよ、ちゃんと添い寝してあげるから、寝ないで待ってちょうだい」
(フフ、現金なものねぇ)
食事も終わり、そろそろ就寝となるとタレザは
「添い寝、添い寝」
とちょっと興奮気味だ
タレザが先にベッドに入り、ベッドを何回も叩く
「リル様、早く添い寝してください」
「そんなに慌てないでも、わたしは逃げないわよ」
いざ添い寝をしてやると、五分も経たない内にタレザの寝息が聞こえて来る。
(何よ、寝るの早すぎ。添い寝してる意味無いわねぇ。まぁ、嬉しそうな顔をしてるしいいかな?)
こうして、共和国滞在初日の夜はふけていく
ここまでありがとうございます
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