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辺境領リネルメ興隆記  作者: 常世神命
二章 領内開発
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十二話 お山を調査する為の拠点を作りました

いつもありがとうございます

すいません中二日開いてしまいました


ティアが去った後、その日は一刻ばかり西に進み夜営した。

夕食は、芋と干し肉のスープだ。

十人前くらい作ったのに、きれいに無くなった。

タレザが四人前くらい食べて、あたしとウィンネが二人前くらい食べた



翌日、夜明けの少し前くらいから出発し、一刻くらい歩くと、到着予定地点に着いた。

(さて着いたわね・・・ティアはまだ居なさそうねぇ。後は調査のための拠点作りね。今後、街道建設の際も目印になる物は必要だし)

「さて、目的地点に到着したけど、先ずは朝食にしましょう。タレザは薪になりそうなのを探してちょうだい。ウィンネは水をお願い。」

「了解です」

『承知したのじゃ』

あたしは、タレザが薪を集めていその間、かまどに使えそうな石を集めて、かまどを作る

四半刻ほどすると、タレザは薪を両手で抱えるだけ抱えて戻って来た。

「ありがとうタレザ、そこに置いてちょうだい」

「分かりました」

出来上がったかまどに、小さな小枝を積み重ね、火の魔法石で火を着ける。

「レフィー、少し風を貰えるかしら?」

『承知致しました・・・これくらいですか?』

レフィーナは、人が息を吹き付ける程度の絶妙な加減で火を煽った。

「丁度いいわ」

少しすると、いい感じで燃えてきたので、今度は親指くらいの太さの木をくべていく

「さて、そろそろかな?・・・ウィンネ、鍋にお水ちょうだい」

『ウム』

あたしがかまどにお鍋を掛けると、ウィンネが八分目の所まで水を魔法で出し入れていく。

(さっさと料理を終えたいから、ガッと強火にするかな・・・)

かまどに親指の太さの木を次々にくべていく。

「レフィー、もう少し強く出来るかしら?」

『ハイ・・・これくらいですか?』

「丁度いいわ。後は沸騰するまでお願い出来るかしら?」

『承知致しました。それくらいは問題有りません』

少しすると、鍋の水が沸騰してきたので、レフィーナは風を送るのを止める。

(さて、それでは調理開始かな・・・ティアは遅いわね)

と思えば、丁度その時ハーゲティアが、大荷物を抱えて戻って来た。

「リル様ぁ、ただいま戻りました」

「ありがとうティア・・・何か多い気がするけど、マチルダにはちゃんと手紙は渡したの?」

「渡しましたよ。けど、手紙の内容では不足が有るし、私がドラゴニアなので、あれもこれもと色々持たされたんですよ」

「それはご苦労様でしたね・・・それでは早速確認するわ」

(うんうん、ちゃんと頼んだのは有るわね・・・!生肉・・・鹿かな?・・・そうか、ムルボ村に行って羊を買って来たのね。この世界、冷蔵技術が無いから生肉は貴重なのよねぇ・・・お肉自体高いし、これは500グラム位だから銅貨二枚位かな?・・・それなら景気良く昼食にぶち込みますかね♪)

「今戻って来たティアの荷物の中に生肉が有ったから、昼は豪勢に、このお肉とレンズマメのスープよ」

「えっ!?リル様、そんな贅沢してよろしくのですか?」

『ほぅ、中々の物よのぅ』

「私も数週間ぶりのお肉♪」

『えへへ』

『マチルダ殿が持たせたので有れば、問題有りませんね。ご相伴に与ります』

「タレザ、ティア、たくさん作るからいっぱい食べなさいな」

「ありがとうございますリル様、国軍に居た時には肉なんて食べれなかったし、近衛に異動した後でも週に一回だけ、しかも、ひとりに付き30ガレル。こんなに頂けるなんてホントにうれしいです」

(この国もそうだけど、世界的に食料事情は悪いのよねぇ。一般的には朝と晩の二食、あたしの領地だと一日一食しか食べられないのは当たり前で、凶作といかないまでも不作だと、二日で一食しか食べられない。不作でも餓死者が出るってセバスチャンが言っていたわね)

「お礼なら、マチルダに言いなさい。ムルボ村まで行って買って来たのだから」

「はい、リル様」

タレザは泣きながらスープを頬張った

良く見たらティアも泣きながら食べてた

「もう、二人共そんなにして食べないでもいいわよ」

「いえ、あれだけの事をした私に対して、リル様の優しさが身に沁みて嬉しくて嬉しくて・・・グスッ」

「私は、帝都に居た頃は、皇族であるにも関わらず、親族から使用人や臣下からも冷遇されていました。私の友達は本だけでした。そんな有る時、城の外に出れる事になって、それで食べた出店の料理以来ですね・・・前世から数えて・・・!!」

ハーゲティアはあわてて口を手で塞ぐが、時既に遅し

「前世?」

タレザはさっぱりの様だ

「いえ、今のは何でもありません」

ハーゲティアの目は泳いでいた

「日本、富士山、東京・・・何か知っているのは有るかしら?」

あたしはそう告げると、ハーゲティアは非常に驚き

「リル様って元々日本人だったのですか?」

「まぁ、転生者ではあるわね」

「!!・・・私は、転生前は八千草 楓と言ってました」

「そう、正直に言ってくれてありがとう。わたしは斯波 縷慧って名前だったわ」

「・・・良かった、帝都の城の中で転生したけど、右も左も分からないし・・・この18年心細かった」

ハーゲティアはあたしに抱き付き号泣する

しばらくするとハーゲティアも落ち着き

「・・・ごめんなさい私ったら」

「いいのよ、わたしも日本人の転生者に会えてうれしいのよ」

あたしとハーゲティアはお互いの身の上話しをした

「へぇ、ティアはあの列車事故に巻き込まれたのね」

ハーゲティアは、わたしが不慮の事故でリルーエットに転生する二年前に、西日本で有った列車の脱線事故の被害者らしい。

あの列車事故の原因は、心無くもレールの上におかれたピンポン玉位の大きさの石だ。そのせいで列車が脱線し、58名の乗客が犠牲になった。犯人捜しは熾烈を極めたが、あたしが死ぬ直前の時点では見つかって無い。恐らく未だに捕まっていないだろう。

(ともかく、あたしの二年前で、こっちだと18年の差かぁ。ティアがドラゴニアだったから良かったけど、下手したら浦島太郎よねぇ)

「とにかく、これからもよろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします、リル様」

「あら、様なんて敬語は嫌よ」

「うん、わかったよリル」

『ほぅほぅ、ぬしもリル様と同郷の者かぇ。逢うべくして逢うた感じじゃのぅ』

「さて、昼食が済んだら拠点作りよ。」

「了解です」

「わかったよ」

『承知致しました』

『やれやれ、精霊使いの荒いご主人様じゃな』

「ウィンネ、晩御飯は抜きね」

『昼食が済んだら、頑張って拠点作りをするぞ』

『まったく・・・ウィンネは懲りないですねぇ』

『・・・私は?』

「エルは・・・見張りかな?」

『わかったよ』





しばらくして昼食も終り、拠点作りに取り掛かる

「材料の木材はいっぱい有るから、心配は要らないわね・・・レフィー木材の切り出しと加工をお願い出来るかしら?」

『ええ、何とかやってみます』

レフィーナに、切り出す本数やどういう感じに加工するかなど詳しく説明する

「ウィンネは待機・・・タレザ、貴女土魔法は使えて?」

「はい、近衛の前は国軍の工兵隊に居ましたから、土木工事は問題無く出来ますよ」

「それなら、この辺りを広さ幅8セル、奥行きを22セル位で、高さが半セル位の土台を作ってちょうだい」

「了解です」

しばらくすると、レフィーナが切り出し加工した木材が出来上がってくる。

タレザの方も、指示通りの大きさの土台が出来上がった

「こんな感じでよろしいでしょうか?」

「上出来上出来、それじゃタレザは少し休憩してて」

「いえ、私はまだ大丈夫・・・」

「いいから休憩する」

「・・・了解です」

タレザは申し訳なさそうに休憩する

「それじゃぁウィンネとティアは、協力して木材を組み立てちょうだい」

『承知したぞ』

「うん、了解♪」




一刻半位経っただろうが、木材を組合せた小屋が出来る

中はまだ何も無いが、大体20人が寝泊まりしても、まだスペースに余裕が有る。

真ん中には、囲炉裏を作った。

レフィーナに真ん中の床を上手く四角にカッティングして貰って、それにウィンネとレフィーナがカッティングした石を、タレザとティアが設置していく。

「みんなお疲れさま。さあ、大豆とお肉と芋のスープが出来ているから食べてちょうだい」

「ありがとうございます。早速いただきます」

「私も・・・うん美味しい」

「ハイ、レフィーにウィンネにエルも」

『ウム・・・少々こき使われたがよしとするかの』

『いつもながら美味しいですね』

『リル様、おいしいよ』

しばらくして夕食が終り、各々がくつろいでいる時にあたしは

「さぁ、明日からは本格的に調査するからね」

と告げると

「了解です」

「明日からね?どんな事をするか楽しみ」

『承知致しました。お任せください』

『ウム、わかったのじゃ』

『なら早く寝ようよ』

「それじゃお休みなさい」

皆が眠りにつき、夜はふけていく・・・


ここまでありがとうございます

次は鉱物の話しですが、素人なので更新に時間が掛かると思いますので、期待せずお待ちくだされば幸いです

誤字、脱字等ありましたらよろしいお願いします

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