十一話 女の子を仲間にしました
いつもありがとうございます
何とか間に合いました(;^_^A
昼食を食べ終わった時、それは現れた。
ゾウより一回りくらい小さいが、普通では考えられないくらい大きな狼・・・いや犬だろうか。
よく見ると・・・頭が3つ有る。
「ケルベロス!!」
『何じゃそれは』
「わたしの前の世界では、地獄の番犬と恐れられている、空想上の生き物よ・・・実際見れるとは・・・さすがはファンタジー」
『何を悠長に構えて居るか。こやつが襲い掛かって来たらどうするのじゃ・・・虫以外の動物が居なかったのはこやつが原因か』
「リル様お下がりください」
「無理よ。それに、わたし達を襲うなら、とうに襲っているわよ」
『フム、今世の世渡りが姫は中々面白い』
「!!喋った。でも、あのもふもふ・・・見せて、貸して、触らせて」
『ホントに面白いむすめ子よ・・・貸す事は出来ぬが構わぬぞ』
「ヤッター♪」
『またぬし様は困ったものじゃな』
そうしてあたしは、そのケルベロスを一刻も、もふりたおした。
「満足~」
『それは良かった』
「そう言えば名前・・・わたしは・・・」
『知っておる。リルーエット=リネルメであろう?儂はラーザスとでも呼んで貰おうかな・・・しかし今更だな』
『今更じゃな』
『今更ですね』
「みんなして・・・・・・グスッ」
『!すまぬ。そこまでとは妾も思うておらなんだ』
あたしが嘘泣きをすると、ウィンネは慌てる。
『ウィンネ。それは嘘泣きですよ』
『何と!!』
レフィーナにソッコーでバラされ、ウィンネは驚く。
「レフィー。バラさなくたっていいじゃないの」
『このままでは話しが進みません』
「それもそうね・・・ラーザス。この辺りに虫やわたし達以外の動物が居ないのだけど、貴方・・・じゃないわよね?」
『無論、儂ではない・・・そら、原因が来たぞ』
レフィーナに周囲を確認させるとドラゴンが居た。
のっそのっそと、何かを探している感じに見える・・・そうでない様にも見える。
ただ言える事は、こちらに向かっている事だろう。
一気に場が緊張する。
「レフィー、後どれくらいで遭遇するの?」
『四半刻も掛かりません。早くお逃げください』
「・・・いえ、迎え撃つわ」
『・・・・・・ぬし様よ、勝算は有るのかの?』
「無いわ。でも負けないって事は、何となく分かるわ」
『仕方無いのぅ。まぁ、我々が付いておるのだから、無茶という事でも無いかのぅ』
『承知致しました。私も手伝わせて頂ます』
『私は見学でいい?』
『エル嬢、おぬしも参戦するのに決まっておろう。寝言を抜かすでないわ』
「リル様、私も頑張ります」
「・・・言っても聞きそうに無いわね・・・分かったわ。但し、絶対死なない事、いいわね?」
「了解致しました」
(さて・・・鬼が出るか、蛇が出るか)
10分くらいすると、そのドラゴンは現れた。
「逝くわよ」
「おぅ!」
『承知』
『サクサク逝っちゃうよ♪』
『・・・何か、雰囲気が間違えておらぬか?』
タレザは、レフィーナに風の加護でドラゴンブレスの無効(三回まで)ウィンネ水の加護で武器に水属性を付与(制限時間四半刻)された状態で、ドラゴンに挑む。
レフィーナ、ウィンネ、エルファリスは、基本的にあたしの補助だ。
タレザは果敢にドラゴンを攻撃する。
「タレザ。貴女は牽制だけに留めてちょうだい。攻撃はわたしがするわ」
「了解です。私は盾役という事ですね」
「そう言う事。お願いするわ」
タレザはあたしの指示通り動き始める。
ドラゴンの注意がタレザに向く。
(タレザが頑張ってる間に、早く攻撃魔法を唱えないと)
詠唱が終わり、あたしの魔法がドラゴンに直撃する。
・・・・・・・ドウッ、と大きな音を立て、ドラゴンが倒れる。
倒れた際、埃が舞い一時辺りが見えなくなる。
実際には5分くらいしただろうが、体感だと30分以上に感じた。
埃をレフィーナに吹き飛ばして貰うと、ドラゴンが居た場所には爬虫類のしっぽが生えた、あたしよりも長身の女の子が居た・・・全裸だ。
咄嗟にアイテムボックスから毛布を出し掛ける。
『ドラゴニアじゃな』
「ドラゴニア?」
『ウム、ここよりずっと北の地方に住む種族じゃ』
「これ、生きているかしら?」
『生きている様には見えるのぅ』
あたしは、その辺の小枝で突っついて見ると・・・ビクッと動く。
どうやら生きている様だ。
四半刻ほど経つと、その女の子が気が付く。
「どうやら気が付いた様ね」
「ここはどこ?わたしはだぁれ?」
「記憶喪失!?」
「いえ、一度やって見たかったんで。それより貴女はどちら様で?」
(こいつは・・・)
「わたしは、ザルヘルバ王国リネルメ辺境領領主のリルーエット=リネルメよ」
「え?ザルヘルバ?・・・え~~~~~!!」
あたしから現在地を聞いた女の子は、少し間をおいたあと驚愕する。
「どうしたの?それより服よ合うかどうか分からないけど」
早速女の子は服を着てみる・・・どうやら胸がきついみたいだ
(何よあの胸、G?いやJくらい有るんじゃないのかしら)
「ともかく、ザルヘルバなんですよね?」
「そうよ、ザルヘルバの西の端の辺境より、更に西の人っ子ひとり居ない森の中よ。あと五日も歩けば共和国よ」
「・・・そんな遠くに・・・」
女の子はみるみる青ざめる。
「それより貴女、名前は何て言うのかしら?」
「あっ、すいません、助けて頂いたのに・・・私はディルハリア。帝国皇位継承権第九位のハーゲティア=ディルハリアです・・・どうしよう」
「・・・九位って事は、ほぼどうでもいいって感じよね?」
「ハイ、近々弟が出来るので、まだ順位は下がります。多少は心配しているでしょうが・・・」
「そう、ならウチに来ないかしら?貴女の事は手紙でも書いて伝えれば良いわ・・・でも、貴女飛べるでしょ?ならそちらの方が早いのでは?」
「確かに飛べますが、歩くより早いってだけで、それでも一ヶ月掛かります。その上路銀も有りません。なのでご厄介させて頂けたら助かります」
「そう、ならこれからよろしくね・・・ただ、どうして竜化してこんな所にいたのかしら?」
「・・・それでしたら、散策中に食べたキノコが原因かな?その辺りから先ほどまでの記憶が有りませんし」
「大きな紫色のキノコです」
「・・・どう見てもそれは毒キノコね」
『・・・確かに毒キノコであろうな』
(残念美少女か・・・類は友を呼ぶとも言えるわねぇ)
「とにかくよろしくねティアさん」
「よろしくお願いしますリルーエット様、あと私の事は呼び捨てで構いません」
「分かったわティア。それならわたしの事はリルって呼んでちょうだいな」
「呼び捨てだなんてそんな・・・リル様でよろしいですか?」
「・・・分かった妥協する。それで構わないわ。それで貴女に頼みたい事が有るのだけど、これから、この方角に行くとわたしの屋敷が有るから、そこでマチルダという女性にこの手紙を渡してちょうだい。予定が遅れたからわたし達の追加の食料と、貴女の分の食料の用意と貴女の服を身繕う様に書いているから、用意して貰ったらわたしの所まで、また持って来てくれるかしら?あと、このまま西に向かって一度森を抜けるから、そのつもりでいてちょうだい。くれぐれも、ここに来て居ないとか言って探さない様に。もしどうしても見つからない場合は、わたし達が森を抜けているものだと思って、森を抜けた所で待っててちょうだい。大丈夫かしら?」
「分かりました。この手紙をマチルダって方に渡して、用意して貰っ荷物を持って、リル様の元に戻って来ればいいのですね?」
『真っ直ぐと言っても、それより多少南に屋敷は有りますからご注意ください。それでも町の北側に行き着くので、分からない場合は領民に尋ねればよろしいかと思います』
「レフィーナ補足ありがとう」
「それではリル様行ってきます」
ハーゲティアは、西に向かって飛び立った。
ここまでありがとうございます
また新しいキャラが増えました
忘れない様にしないと・・・
誤字、脱字等有りましたらよろしくお願いします




