十話 お山に逝きました
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すいません中一日開いてしまいましたm(__)m
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ザールラントを出た後、森に向かって西に二時間くらい歩くと、畑が終わって荒れ地になる。
それから、十分くらい歩くと森に入る。
森は、鬱蒼と生い茂る針葉樹の森だ。
本来森というのは、多少なりとも人の手が加わっていないと、大雨が降った際に、地滑り等の災害が起きるのだか、前にも言ったがこのリネルメ辺境領には河川や湖沼が全く無い。
つまり、降水量的な見方で言えば、一年を通して雨が少ない。
どれくらいの降水量が有るのかと言うと、あたし自身の体感だか、降水量が少ない事で有名な香川県の半分を少し超えたくらいしか降っていないと思う。
セバスチャンにも聞いてみたが。
「そうですねぇ、私がこちらにご奉公させて頂く様になってから二十年余りの間、そう言う災害が伴う様な大雨は降っていませんねぇ。それどころか、数年に一度くらいの頻度で干ばつが起きるくらい雨が少ないですねぇ」
と言ってたので、この森に変に人の手を加えるよりは、このままの方が良さそうだ。
しかし、あたしの予定では、この森を東西に貫く道を造る予定なので、注意しないといけないとは思った。
今は、あたしの腹時計で十五分毎に直径6センチくらいで長さが6・70センチくらい有る木の杭を、道路予定箇所に打ち付けている。
まぁ所詮腹時計なので多少の誤差は有るが、大体等間隔で打てている・・・と思う。
「凄いわね、人の侵入を拒み続けた森って感じねぇ。人が通った後も無ければ、獣道すら無いわねぇ」
『そうさのぅ。周辺に動物の反応が無いのぅ』
「えっ!昆虫も?」
『さすがに昆虫くらいは居るわ。しかし、猪や狼の様なけものはもとより、コブリンなどの亜人や魔物の気配すら無いわ。ちなみに、どれくらいの範囲でというと、ぬし様の世界で言う所で3キロくらいじゃな』
「3キロも!?私とタレザ以外は昆虫しか生物は居ないのね?」
『左様じゃ。理由に関しては分からんが、全く居らんというのは妙と言えば妙なのは確かじゃ。妾が何年か前に訪れた時はその様な事は無かったから余計じゃ』
「そうなんだ。それよりレフィーナ、方向は大丈夫かしら?」
目印の無い森に入って行くのに、方位磁石の様な物は当然無いので、どうしているかと言うと、レフィーナに森の上に行って貰い先導して貰っている。
『リル様、今のところ問題ありませんわ』
「そう、ならこのままお願いするわ」
「日も落ちたし、この辺りで夜営しましょうか?」
「リル様、問題ありません」
『やっと食事かのぅ』
『まったく貴女って方は・・・』
『リル様、エルの分は有るの?』
「はいはい、ちゃんと三人の分も有るわよ」
『まぁ当然じゃな』
『リル様、恐れ入ります』
『ヤッター』
あたしは、アイテムボックスから食材を取り出し、食事の用意をする。
「リル様、申し訳ありません。私が料理が不得手なばっかりに、ご負担させてしまって」
「あら、いいのよ。わたしだって好きでしている事だし」
しばらくすると、料理が出来上がり配膳をする。
今晩の料理は、レンズマメと芋(何かは分からないが、この辺りでは一般的な芋、1kgくらいで銑貨三枚)のスープだ、塩は内陸国だけあって高価(大体500gくらいで銅貨二枚=200ズゼ=約四千円)なので、塩の効いていない料理が一般的であるが、この旅では日本の時と同じように使うつもりだ。
塩自体は、当然99%塩化ナトリウムの精製塩でなく、釜で海水を煮詰めて水分を飛ばして作った塩なので、塩自体に旨味が有る。
(この塩自体、日本なら七・八百円しそうな物だけど、その五倍だもんね。辺境領の一世帯当たりの平均年収が大銅貨八枚(約16万円くらい)だからやっぱり高いわよねぇ・・・)
「味付けはどうかしら?」
「塩が効いていておいしいです・・・しかし、こんなに塩を使ってよろしいのでしょうか?」
「大丈夫よ屋敷の品を売却して作ったお金で買った物だから、遠慮しないで食べてね」
「ありがとうございます」
(そんなにがっつかなくても、まだまだ有るわよ)
「レフィー達はどう?」
『美味しゅうございます』
『まぁまぁじゃのぅ』
『美味しいよ』
「軍ではこんなに食べれません」
『ごちそうさまです』
『美味しかったぁ』
『まぁうまかったのじゃ』
「お粗末さまです・・・って、ウィンネ、貴女もまぁまぁ食べてたじゃないなのに・・・明日からウィンネはお椀二杯までね」
『あっ!ごめんなさいなのじゃ。ホントは美味しかったのじゃ。明日からもいっぱい食べさせて欲しいのじゃ』
初日はこうしてふけてゆく。
翌日からも、問題なく進んで行く。
ホントに虫とあたし達以外は、森の中に居ない。
(冗談じゃなくおかしいわねぇ。ともかく、お肉が干し肉と言うのも個人的にきついし、やっぱり生のお肉を焼いた物が食べたい所よねぇ)
目的予定地到着を明日に控えたその日の昼過ぎ、昼食を食べた後、それは現れた。
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