六話 姉妹が再会しました
いつもありがとうございます
何とか一話更新出来ます(汗)
「お嬢居るかい?」
あれこれ思案していると、ターシャが入って来た。
「お!誰かほかに居ると思ったらタレザかい、久しぶりだねぇ」
「姉上、てっきり王都に居ると思いましたが、何故こちらに?」
「あたしかい?あたしはお嬢の要請を受けて、王都の工房を弟子に任せてこっちに来たんだよ。変わった形の鍬を作ったりいろいろな。今も頼まれた物の試作品が出来たんで、持ってきた所だよ。それよりあんたはここに居るんだい」
「リルーエット様の徳を知り、仕官のために来たのですよ」
「ん?あたしの記憶違いじゃなければ、あんた近衛騎士じゃなかったのかい?それとも職を辞して来たのかい?」
「今も近衛騎士ですよ。それとは別にリルーエット様に仕官したのですよ。それより姉上、何故父の葬儀に来なかったのですか?」
ターシャは、ばつの悪い顔をして。
「知らなかったとはいえ悪かったよ」
(ん?タレザがおじいちゃんの葬儀に居た?・・・・・・ひょっとして・・)
「ちょっといいかしら?タレザ、貴女ひょっとして騎士隊で使用する喪服で参加してたりしないかしら?」
「確かに、その服装で参加していましたが・・・ひょっとして父の亡骸にすがって泣いていた少女は、リルーエット様なのですか?」
「やっぱりそうなのねぇ。タレザ、貴女にはどこかで見た事が有る様な感じがしたのよねぇ。納得したわ」
「お嬢よぉ。あたしはどうしたらいいんだよぉ・・・」
ターシャは上目遣いで泣きながらあたしに訴え掛ける。
「まったく・・・昨日一緒におじいちゃんのお墓参りに行ったでしょ・・・ほら、泣かないの」
あたしはターシャを抱き寄せて、背中をやさしく叩いてあげる。
「あの姉上が・・・・・・リルーエット様、貴女様には我等姉妹数々のご恩が有る様です。このタレザ、姉上共々貴女様にお仕えする所存です」
タレザは、あたしに向かって方膝を着き、深々と頭を下げる。
「あたしもお願いだよぉ」
ターシャも泣きながらあたしに告げる。
「・・・仕方ないわねぇ・・・分かったわ。ふたり共わたしの所で頑張りなさいね。あとタレザ、貴女は今のままでは色々マズイから、宰相様にはわたしから一筆書いてあげるわ。差し当たり領兵の隊長として出向という形になるわ。その後は、わたしの護衛をしてちょうだい。見てわかるとらは思うけど、剣とかからっきしなのよねぇ。頼りにしてるわよ
」
「リルーエット様、護衛でしたらお任せください」
「リルって呼んでちょうだいな。あとターシャ、何か用が有るのじゃなかったかしら?」
「・・・そうだお嬢、頼まれてた品物だよ」
ターシャは腕で涙をゴシゴシと拭き、脇に有った品物を出す。
「この短時間でよく出来たわねぇ。さすがだわ。それよりちゃんと動くか試してみたかしら?」
「それだったら問題無いよ。樽に一杯水を貯めて試してみたから。しっかり水は出たよ」
「そう、なら良かったわ。それなら、そのポンプをあと十個作ってくれるかしら?」
「分かった。少し材料が足りないけど、作れるだけ作っとくよ」
「お願いするわね。ドルトンには頼んでいるけど、到着するのにあと5・6日掛かるわ」
「それじゃあ早速作りに戻るよ」
「お願いね」
そう言うとターシャは執務室を後にする。
ターシャに何を作って貰っていたかと言うと、内政物ではお馴染みの、井戸の手押しポンプである。
今後、これと風車を組み合わせて、荒地を開拓する予定だ。当然、各村の生活用の井戸にも設置する。
何でこんな面倒な仕組みを造るかといえば、我がリネルメ辺境領には川はおろか湧き水を湛えた池すらない。
この水利の悪さが、辺境領の農業に深刻な悪影響を及ぼしている。
当然、雨頼りなので、干ばつともなると、ほとんど作物の収穫が出来ない。
領の備蓄する小麦を放出するほか、商人から干ばつにより高値となっている小麦を購入して配給しても、毎回少なくない餓死者が出る。
なので、風車を利用して、手押しポンプを作動させる仕組みの構築は急務なのである。
(後は、鉱山開発ねぇ。明日からタレザやレフィー達と一緒に森を抜けて行かないとね・・・大体片道五日に調査で二日、一日余裕持たせて全行程十三日。先日発見したアイテムボックスが役に立つわねぇ)
前に、自分のステータス画面が出たので、アイテムボックスも有るのでは?・と思い念じた所。
アイテム
無し
と表示されたので色々試した所、対象物に触れている状態で、アイテムボックスに入る様に念じると。
アイテム
万年筆
と言った感じに表示され、アイテムボックスに入った事が分かる。
取り出す時は、ウィンドウを開き、対象物の名前をタッチすると目の前に現れる。
生き物は、虫で試したが無理だったので、死んだ物、つまりブロック肉や、作物も収穫した状態なら、アイテムボックスに入ると推測出来るので、二週間分のふたりの食料を入れる予定だ。
(この機能が無ければ、おいそれと山に何て行けないわねぇ・・・)
「リル様、私はいかが致しますか?」
「タレザはわたしと一緒に、明日から山に付いて行って貰うわ」
「えっ?ふたりだけですか?」
「そうよ、食料とわたしの準備は終わっているから、後は貴女の準備次第になるわね。あまり余計な物は持って行かない様にね」
「・・・分かりました。それでは準備が有りますので失礼します」
タレザも準備の為、執務室を後にする。
(さて・・・お山には何が眠って居るか楽しみねぇ)
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