十五話 戦後処理に失敗しました
ベリアル「読者諸兄諸氏の皆様におかれましては、永らくお待たせ致しまして申し訳ありません」
リル「どれ位開いたか分からないわね」
ベリアル「約3年だね」
リル「あたしならとっくに見限っているわよ」
ベリアル「まぁ普通はそうだよね」
リル「それより今回の題、何か悪いわね」
ベリアル「まぁ、『失敗』だからね」
リル「何がかは、お読み頂きましてご理解下さい」
ベリアル「それではどうぞ」
王国暦324年 7月8日 ガレッゼレル市 王宮 会議室
「最低、アッツェル州とサリトリア州は割譲して欲しいわね」
「サリトリア州は問題ありませんが、アッツェル州は北部最大の州ですので、承諾致しかねます」
「そうは言うけど、そちらが独力で軍政局軍を降せて?」
今は、ラナバルラントの王宮で、首相のハーバス氏と軍政局軍の支配地域の帰属について、話しあっている。
「ですね。こちらとしては全土併合したい所を、そちらに配慮して遠慮しているのですが、ご理解頂けていますか?」
こちら側は、あたしとベリアルのふたりに対して
ラナバルラント側は、ハーバス氏ひとり。
民政局の現場で培った経験が有るとは言うものの、不利なのは明らかだけど、遠慮する訳にはいかない。
かの国との戦闘がまだ残っているのだ。
それ故に、隣接している2州は必ず割譲して貰わないとならない。
今回話し会われている軍政局の支配領域は北部6州と東部アセベル州の北半分である。
本気で本音は全域の割譲。
ただ、それだとまだ先日こちらが割譲させた分の、同化政策等が始まったばかりで余裕が殆んど無い様な物なので、現実的な観点から言えば、戦略的重要度の高いその2州ですら手に余る。
そんな内情はおくびも出さず交渉していく。
主にベリアルが・・・
「そうは言いましても、再建のためにもアッツェル州の税収はなくてはなりません」
「・・・解体するしかないのかね?」
「!?」
「ボクもね、余計な手間が掛かるしそんな事したくは無い・・・それなら租借という形でならどうですかね?首相」
租借かぁ。
悪くは無いわね。
将来的に返還しないといけないのが残念だけど、ラナバルラントの情勢を鑑みれば租借であれ一時的にでもこちら側にして、2州の要塞化を押し進めないと、今はまだ大丈夫とは言っていられない。
これ以上の譲歩は出来ない。
ベリアルは話しを続ける。
「ただ、期間は10年で設定させて貰います。当然、租借させて貰う訳ですから、毎年税収の5%を租借料として納めます。それと、期間が終了する前に住民に帰属を決めて貰う為の住民投票を実施します」
10年という設定が短い感じもするけど、後々住民投票する訳だから、この位が丁度いいのかしら。
とは言うものの、これは租借と言う名の併合よね。
首相がどう出るか見ものねぇ。
尤も、これを拒絶する様なら、ラナバルラントを連邦から外して宣戦布告する訳だけど、後の事を考えれば確かに面倒よね。
尤も、対王国戦が控えてる中、そんなことはしたくないけど、戦時中である以上あまり猶予は無いと思っている。
「外相殿。そうは申しましても、こちらにも都合とゆうものがありますので、色好い返事が出来ない事を申し訳なく思います」
んー。やんわりと断って来た。
「という事であれば、現在確定している地域を除いた全ての地域からの撤兵と、レンドリースの停止を通告しますが、よろしいですかね?」
やっぱり「よろしい、ならば戦争だ!!」
という訳にはいかないのは歯痒いわね。
それより、撤兵すれば防衛力が、レンドリースの停止は火力のそれぞれの低下が起こり得るけど、どうするのかしら?
ラナバルラント自体の兵力は、現時点で歩兵師団が10個師団しか居ない上に全てマスケット銃で、レンドリースが停止する訳だからこれ以上マスケット銃装備の歩兵師団は増やせず、野戦砲にしても140mm野戦砲のレンドリースが始まったばかりて精々20門位だろうし、それぞれの弾薬もラナバルラントでは生産しておらず、節約が出来るかどうかは分からないけど、保って2週間程度でしょう。
その後は銃剣突撃とか笑えないわね。
あたしでも、せめて自国内で銃と弾薬の生産が出来る様になるまで、ザルヘルバにおんぶに抱っこして貰わないとダメなのが分かるのに・・・・・・正直、こんなのがトップなラナバルラント国民には同情するわ?
そもそも、人物像が聞いた話しと随分とかけ離れているわね。
噂があてに出来ない証左よね。
まだ随分粘るわね。
現状がまるで理解出来てないわね。
「・・・ベリアル。もういいわ。首相。では先程外相が申した通り、こちらの領土と確定している地域以外からの撤兵と、貴国へのレンドリースの停止を通告します。帰るわよベリアル。こんな徒花な話し合いに何時間も費やす余裕は無いわ」
そうあたしが言って、退室しようとすると。
「お、お待ち下さい。どうか我が国をお見捨てなさいません様お願い致します」
ハーハ首相はそう言って土下座をする。
ようやく現状が理解出来たのかしら?
「では、サルトリアとアッツェルの2州の割譲よろしいわね?」
「えっ!?租借ではないのですか?」
こちらの要求に首相は驚く。
・・・まだ理解していない様ね。
「そちらがごねたのですから、当然の要求なのだけど、まだ貴国の現状を貴方自身分かってらっしゃらない様ね」
あたしが首相の立場なら、四の五言わず割譲しますからお力添え下さいって平身低頭するけど、席を立つという伝家の宝刀を抜いてもこの有り様では、ホントにこれ以上の話し合いは無駄な様ね。
「是非もありません。陛下。疾く帰りましょう」
「そうね。では首相。お暇しますわ」
あたしはそう言って、ベリアルと共に退室をする。
さて、交渉決裂となったからには、戦略の見直しが必要になって来るわね。
リル「ここまでありがとうございます。誤字脱字等ございましたら、報告フォームよりご報告頂けましたら幸いです。いやーダメだわ」
ベリアル「仕方ないよあれは」
リル「どうするのよ」
ベリアル「どうするって、その辺はバルと要相談かな?それに、これ以上はネタバレになるし」
リル「ああ、ネタバレがあったか。じゃあダメね」
ベリアル「ではでは、ヘボ作者にせっついてはみますが、読者諸兄諸氏の皆様におかれましては、気長に次回更新をお待ち頂けましたら幸いです」
リル「マリーちゃんの方はいいわね。まだ数話ストックが有るのでしょう?」
ベリアル「そこは、リルとマリーちゃんの違いかなぁ?」
リル「どう言う意味よ」
ベリアル「じゃあまたね」
リル「あっ!一寸待ちなさい!・・・ブクマとか評価頂けましたら嬉しいなぁ」




